【VW ポロ 試乗】ずいぶん大きく育ったもんだ…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【VW ポロ 試乗】ずいぶん大きく育ったもんだ…中村孝仁

一目見て、大きくなったなぁ…と言うのが第一印象。何てったって、3ナンバー車である。『ポロ』にとっては初めての1700mm越えのワイドボディを持つ。

自動車 試乗記
VW ポロ TSIハイライン
  • VW ポロ TSIハイライン
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一目見て、大きくなったなぁ…と言うのが第一印象。何てったって、3ナンバー車である。『ポロ』にとっては初めての1700mm越えのワイドボディを持つ。

試乗を終えてVWジャパン商品企画の堀内慎太郎氏に、「ずいぶん大きくなっちゃいましたねぇ」と話を向けると、帰ってきた答えは何と、ほぼ「ゴルフ4」に相当する大きさだと!

これには想像もしなかった答えだけに正直驚いた。あとで3サイズを調べてみると全長4060×全幅1750×全高1450mm、ホイールベース2550mmであることがわかった。全長こそ短いが、全幅は当時のゴルフ4を凌ぐ。だから、室内など十分な広さを備えているといって良い。ただし、果てしなく大きくなるのは考え物で、そろそろ打ち止めにして欲しいとも思ったものである。

しかし、サイズ拡大と逆行するように、エンジンは排気量シリンダー数ともに減少した。先代のメインモデルは1.2リットル4気筒。それが今回は1.0リットル3気筒になった。考えてみれば、先代がデビューした時は1.4リットルエンジンで、それが1.2リットルターボとなり、さらに今回1リットルターボとなったので、どんどんダウンサイジング化しているのがわかる。もっとも排気量は縮小しているがパワー、トルク共に1.2リットル時代よりも向上しているから、サイズ縮小が性能低下を招いているわけではない。それに3気筒、実は先代でも限定車として2015年に販売されていたから、これが初めてというわけではないのである。

大きくなって、小さなエンジンを積んだ以外で大きな変化は、MQBと呼ばれるモジュラー型のプラットフォームを採用したこと。このMQBが出た当初は、ラインナップで共通するプラットフォームを伸ばしたり広げたり、またはその逆をして使い回しの出来るプラットフォーム、つまりはメーカー側の使い勝手優先でこれが出来たと考えていたのだが、実際に同じMQBでサイズの異なるクルマに乗ってみると、それぞれが非常に進化した乗り味を見せていて、単なるメーカーの御都合にはとどまらないことが良くわかった。

少なくともポロに関する限り、非常に剛性感が高くしっかりとした乗り味を持ち、同時に静粛性が従来よりもぐっと向上した印象を受けた。大きく育っただけでなく、しっかりと体幹を鍛えてきた印象である。

インテリアは、ついにナビやインフォテイメントを映し出すディスプレイがダッシュに内蔵されて、ぐっと豪華な印象を持つダッシュボードに、グレーと白のツートーンのテキスタイルシート。きちっとカチッと作られているのはドイツ車の常だが、一方でイタフラ系のような、パッと目の覚めるような艶やかさがないのもまたドイツ車の常。まあ、それを求めちゃいけないのかもしれないが…

さて、適度のワインディングとゴーストップのある街中、それに軽快に飛ばせる郊外を走ってみた結果だが、正直言って走っている限りその軽快さや、「走る、曲がる、止まる」という最も重要な3要素に関しては、ほとんど何の不満もなかった。残念なことに試乗日はかなりのヘビーウェット状態。したがって静粛性に言及して従来よりも向上したと書いたが、それはあくまでもメカニカルノイズの侵入度合いに関してそれを感じただけだから、ドライ路面を改めて乗ってみる必要があるのだが、水しぶきを跳ね上げてシャーシャーとホイールハウスにそれが当たる音がしているにもかかわらず、うるさいとは感じなかったから、やはり静粛性は向上していると思う。

少し気になるのはアイドリングストップから目覚めて、アクセルを踏み込んで実際にクルマが発進するまでにタイムラグがあること。ブレーキを離せばエンジンはすぐにかかるのだが、アクセルを踏み込んでもクルマはすぐに発進せず、ためを作るというか、間があるのだ。しかもかなり大きな。もう一つは雨の日にしか気が付かないノイズだが、間欠ワイパーが作動すると、それを断続させるリレーのカチッ、カチッという音が、ステアリングコラムの下あたりから聞こえてくる。静かなだけに余計に気になる音であった。

ずいぶん大きく育ったもんだが、同時にずいぶんいい子にもなった。お値段もハイラインで265万円とこちらもずいぶん結構なお値段になった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。
《中村 孝仁》

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