カーオーディオ、“次の一手”。貴方ならどうする? 第4回「プロセッサーを導入!」 | Push on! Mycar-life

カーオーディオ、“次の一手”。貴方ならどうする? 第4回「プロセッサーを導入!」

もっとも手軽で効果的なカーオーディオの“初めの1歩”と言えば、「スピーカー交換」であろう。音の出口のクオリティを上げることで、聴こえ方をガラリ一変させられる。さて、その次には何をするといいのだろうか。当特集では、それに続く“次の一手”を考察している。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
フォーカル・FSP-8

もっとも手軽で効果的なカーオーディオの“初めの1歩”と言えば、「スピーカー交換」であろう。音の出口のクオリティを上げることで、聴こえ方をガラリ一変させられる。さて、その次には何をするといいのだろうか。当特集では、それに続く“次の一手”を考察している。

「スピーカー交換」のメリットをさらに引き出せる“次の一手”とは…。

■「メインユニット交換」ができない、したくない、場合には…。

第4回目となる今回は、「プロセッサーの導入」について考えていく。これを実行することで得られるメリットとは…。ズバリ、「カーオーディオシステムに“コントロール機能”を持ち込めること」である。

なお、前回に紹介した「メインユニット交換」も、ハイエンドメインユニットに換える場合には、“コントロール機能”をシステムに持ち込めることが利点であった。そして、ハイエンドメインユニットに交換する場合には同時に、優秀な内臓パワーアンプも手にすることができる。結果、本格的な“マルチアンプシステム”を、リーズナブルに構築することが可能となる。

しかしながら、「メインユニット交換」という作戦を実行できないケースもある。純正メインユニットを外せないクルマでは、その選択肢を行使できない(大がかりな加工を実行すれば不可能ではないが、その手を使うと“リーズナブル”というメリットは消えてしまう)。または、敢えて純正メインユニットを交換したくない、と考える方もいるだろう。純正メインユニットに付帯しているオーディオ以外の機能を失いたくないと考えたり、純正のルックスを変えたくないと思ったら、「メインユニットを交換する」というアプローチは選び難い。

そうであったとき、それでもカーオーディオシステムに“コントロール機能”を取り入れたいと思うならば、取るべき選択肢はただ1つ、「プロセッサーを導入する」、この手しかない。

■手頃な「パワーアンプ内蔵型」を選ぶか、本格的な「単体型」を選ぶか。

ところで、「プロセッサー」には2タイプが存在している。1つが「パワーアンプ内蔵型」であり、もう1つが「単体型」だ。

前者は今、相当に需要を伸ばしている。その需要を受けて、さまざまなタイプの製品がリリースされている。

そんな「パワーアンプ内蔵型プロセッサー」を選ぶ際には、以下の4点を天秤にかけて検討することとなる。“価格”、“大きさ”、“アンプの出力”、“アンプのch数”。

なお、「パワーアンプ内蔵型プロセッサー」の利点は、“手軽”であることと、“省スペース”であることだ。できるだけ価格が手頃であるとうれしいし、小型であったほうがインストールもしやすい。しかしながら、“出力”が大きいほうが音に余裕が生まれより高音質が期待できる。そして“ch数”が多ければ大がかりなシステムを構築できる。それらを勘案しながら、自分にとってのベストを探っていくことになる。

ただし、“パワーアンプ内蔵型プロセッサー”を選ぶと、後のシステム発展がしにくい。スピーカーおよびサブウーファーのグレードアップはいかようにも行えるが、パワーアンプをグレードアップさせることは、基本的にはできない。

というわけで、システムレイアウトの自由度を重んじる場合には、「単体型プロセッサー」を選ぶべきだ。パワーアンプを別途購入する必要があるのでハードルは高くなるが、「単体型プロセッサー」では“音を極める”ことが可能となる。実際、サウンドコンペに出場するようなクルマでは、「単体型プロセッサー」が使わることが多い。思い思いのパワーアンプをセレクトして、理想のサウンドが目指されている。

なお、肝心の「サウンドチューニング能力」については、「パワーアンプ内蔵型」も「単体型」も、それぞれ相当に高機能化が進んでいる。高級機になるほど詳細なチューニングが可能になるが、リーズナブルな機器であってもある程度のレベルは超えている。基本的には、どれも高性能であると考えていいだろう。

■「プロセッサー」があれば、「クロスオーバー」もコントロール可能となり…。

最後に、「プロセッサー」を導入することで得られるメリットを解説していこう。これについては、前回取り上げた「ハイエンドメインユニット」に交換することで得られる利点と同様だ。つまり、「車室内での音響的な不利に対処できる」ことである。車内の音響特性の乱れを「イコライザー」で補正でき、「タイムアライメント」によって、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を擬似的に作り出せる。結果、聴こえ方をガラリと変えることが可能となる。

さらにもう1点、補足しておきたい。「プロセッサー」には、もう1つの重要な「チューニング機能」が搭載されている。それは「クロスオーバー」だ。

「クロスオーバー」とは、セパレートスピーカーに対しての、音楽信号の“帯域分割”を行う機能である。

なお、スピーカーが開発されるとき、そのスピーカーにとってベストな「クロスオーバー」の値は、メーカーによって定められている。そしてその値が、付属の“パッシブクロスオーバーネットワーク”に設定されている。であるので、“パッシブクロスオーバーネットワーク”を使用しない場合でも、「クロスオーバー」の値は、“パッシブクロスオーバーネットワーク”に設定されている値を模倣すればいいのだが…。

ところが実際は、その値がベストではない場合も出てくる。理由は、「取り付け状況が都度、異なるから」だ。

カースピーカーは、取り付け状況がケースバイケース。ドア内部のデッドニングのやり方も異なれば、ツィーターの取り付け位置、角度も異なる。クーペとミニバンでは、ツィーターとミッドウーファーの距離(位置関係)も大きく異なってくる。

となると「クロスオーバー」の値も、取り付け状態に合わせて、都度、変更が利いたほうが良いのだ。状況によっては例えば、ツィーターの担当範囲をもう少し広めに取りたくなることもあるだろう。

または、ツィーターとミッドウーファーの距離が離れ過ぎてしまうような場合には、スロープを緩めにして音の重なり合う部分を多めにしたほうが良いときもある。「プロセッサー」を導入すれば、それらを自在に設定できる。

このように、「チューニング機能」を得ることでさまざまな逆境に対処することが可能となる。「スピーカー交換」をしたならば、「メインユニット交換」、もしくは「プロセッサーの導入」を、ぜひとも早めの段階で検討しよう。そうすることでスピーカーの性能を、さらに引き出すことが可能となるのだ。

今回の解説は以上で終了だ。想定される“次の一手”は、ほかにもまだいくつかある。次には何が出てくるか、次回を楽しみにお待ちいただきたい。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top