【マツダ CX-5 ガソリン 試乗】コスパはぶっちぎり、ホントにこれでいいの?…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【マツダ CX-5 ガソリン 試乗】コスパはぶっちぎり、ホントにこれでいいの?…中村孝仁

マツダ『CX-5』と言えば、先代では8割近くがディーゼルで占められていた。そんなわけで、ガソリン仕様は試乗会でチョイ乗りしただけで、本命とは考えていなかった。

自動車 試乗記
マツダ CX-5 25S Lパッケージ
  • マツダ CX-5 25S Lパッケージ
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マツダ『CX-5』と言えば、先代では8割近くがディーゼルで占められていた。そんなわけで、ガソリン仕様は試乗会でチョイ乗りしただけで、本命とは考えていなかった。

というわけで、本気でガソリン仕様に乗ってみると、果たしてどういう印象なのか。1週間860kmを走ったレポートである。

ドライビングの印象をお伝えする前に、タイトルの話をしよう。今回お借りしたモデルはガソリン2.5リットルエンジンを搭載した「25S Lパッケージ」というモデル。これはガソリン仕様の最上級モデルだ。これにフルセグの地デジTVチューナーを装備してオプション込みの合計の価格は、税込309万4200円である。そしてナビを作動させるためのSDカードを購入するとこれに4万8600円が載るが、これ以上装備追加すべきものは何もない。ヘッドアップディスプレイから、ACC、LEDヘッドライトに至まで何でも付いている。勿論Lパッケージだから本革シートだ。

このクルマが仮想敵とするのは例えばトヨタ『ハリアー』だったり、あるいは日産『エクストレイル』だったりするのかもしれないが、装備と性能を比較すると、めちゃくちゃコストパフォーマンスが高い。もっと言うなら一つクラス下となるマツダ『CX-3』と大差ない価格だ。だから、ホントにこれでいいのか?っていう疑問符が付いたわけだ。

すでにイメージとしては、マツダ車買うならディーゼルでしょ…というほどマツダ=ディーゼルという感覚が強い。だから、長距離を走らない人ならともかく、何となくディーゼルを買わないと損…みたいな感覚になっていた。

しかし、この2.5リットルエンジンを搭載したCX-5は、僕の持っていたそうしたイメージをことごとく崩してくれたのである。横浜のデポから借り出して、最初の信号からの加速で、やっぱりガソリンは違うねぇ…となった。それにさすがにスムーズで静粛性も高い。ディーゼルもスピードが乗ってしまえば何ら違和感がなく快適なのだが、ことスムーズさに関していえば、やはりガソリン車に軍配が上がる。確かにディーゼルは力強いパーシャルからの加速感を持っているが、初期加速はやはりガソリン。それはもうやはり勝負にならない。特に排気量が2.5リットルあるとパワーで190ps、トルクも251Nmあるから、とりあえず1550kgの車重に対して十分なパフォーマンスを持っている。

それだけではなくて、驚いたことにパーシャルからの加速感も実に優れていて、ディーゼルの持つ力づくでグイグイと加速する印象とは異なり、シュンと一気に加速する印象なのである。

現実的にフロントアクスル荷重にどの程度の差があるか不明だが、ノーズの軽さも実際の印象として感じられるほど、ステアリングを左右に振った時の身のこなしが軽い。だから、ワインディングなども十分に楽しめる。

気になるのはやはり燃費だ。元々日本では軽油が安いうえに、ディーゼルの方が燃費も良いと来ているから、かなり差が大きいのではないかと思いきや、そいつも杞憂に終わった。JC08モード燃費は14.8km/リットル。これに対し高速走行が多かったとはいえ、860km走行した総平均は13.1km/リットルであった。街中だけだとやはりグッと落ちてしまうが、3割減が当たり前の総平均で、JC08の9割近い値を出しているのには正直驚かされた。因みにディーゼルで450km走った平均燃費は14.3km/リットルであった。

使い勝手も非常に高く、収納、居住性共に文句ないレベル。このクルマを返却してさらに1週間、今度はディーゼルに乗ってみたが、街中でのイメージはガソリン車の方がむしろ良かったほど。そしてマツダでライバルとなる輸入車のミッドサイズSUVの試乗会に出向いてみたが、高級感や車体剛性、足の動きなどでは負けてしまうが、コストパフォーマンスではブッチギリだし、装備レベルでも負けていない。ホントにこれでいいのか?マツダさん。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

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