【ランドローバー ディスカバリー 試乗】ここまでくるとレンジローバーとの差別化が難しい…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【ランドローバー ディスカバリー 試乗】ここまでくるとレンジローバーとの差別化が難しい…中村孝仁

自動車 試乗記

ランドローバー ディスカバリー ファーストエディション Td6
  • ランドローバー ディスカバリー ファーストエディション Td6
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ファミリー層にアピールするモデルとして『ディスカバリー』が市場投入されたのは、今から28年前の1989年のことだ。テレンス・コンランがデザインした、シンプルだが洒落た内装を持ったモデルだった。

その後世代を経て今回のモデルは5世代目。いや~、ずいぶんと変わったものである。これまで4世代にわたり、基本的にボディオンフレーム構造(3世代目と4世代目は少し異なるが)を持っていたのに対し、新しい5世代目は『レンジローバー』のそれを基本とする完全なモノコック構造に変わり、しかもオールアルミ構造となった。

デザインにしてもコマンドポジションとか、スタジアムシート、それに最も特徴的だったステップドルーフなどはディスカバリーの伝統として確かに受け継がれているが、そもそも、コマンドポジションはレンジにも共通するし、ステップドルーフは確かに残ってはいるけれど、ほとんどそれとは気づかないレベルになって、最早それを謳っても意味がないほどまで退化している。

しかもである。デビュー当初のディスカバリーは最安値の時代に300万円を切っていたのが、今ではどんなに安くても779万円。試乗した「ファーストエディション」という限定モデルはすべて1000万円を超える。これではファミリーユースと気軽に呼べるはずもなく、そして上級モデルレンジローバーとほとんど変わるところもない。

こうした状況はとりもなおさず、ランドローバーというブランドが上級移行を果たしたことを意味し、それに呼応してファミリーユースだったディスカバリーも、しかるべき階層のユーザー向けファミリーSUVになったことを意味している。レンジローバーと最大の違いは、今も3列7人乗車を可能にしている点で、そうした意味では世界で最も多用途性に優れたSUVなのかもしれない。

用意されるエンジンは3リットルのスーパーチャージドV6ガソリン仕様と、同じ3リットルのターボチャージドディーゼル。今回は後者のモデルに試乗した。因みにトランスミッションはどちらも8ATである。

我々に概要を説明してくれたランドローバージャパンのマーケティング担当曰く、恥ずかしながら現地で試乗して最初の休息地でクルマを降り、後ろの「Td6」というエンブレムを見て初めてそれがディーゼルエンジンであることを知ったというほど静粛性が高いと聞いていた。当然ながらその部分に注目して試乗したのだが、こちらも恥ずかしながら、2台並んだガソリン仕様とディーゼル仕様で(どちらもエンジンがかかった状態を外から聞いて)その違いが判らないほどであった。

とまあ、それほど静かなモデルである。だから当然ながら、ドライバーズシートに身を沈めてエンジンをかけ、走り出すまでにそれをディーゼルだと言い当てるのは相当に難しい。というかもしかしたら出来ないかもしれない。4気筒エンジンは明確に音の違いでそれがディーゼルかガソリンかわかるのだが、V6になると最早ほとんどわからない。

最大トルクは600Nm。2.5トンになんなんとする2460kgの車重もものともしない。ただ、走りが軽快かといえばそんなことはあろうはずもなく、やはりどっしりとそしてイメージとしては重厚長大である。一方で目線も高いし、ランドローバー独特のコマンドポジションという、極めて良好な視界にも助けられて、運転は楽ちんそのもの。

オフロードの試乗も用意されていたし、斜度36度をヒルディセントモードを使って降りるアトラクションも用意されていたが、まあお茶の子さいさい。この程度で悲鳴を上げないことは、かつてオーストラリアのジャングルで旧型ながら体験済みだから、何とも思わない。とにかく、ジープにしてもランドローバーにしてもその走破能力の高さは、常人の想像を絶するから、まあ、安心して乗って大丈夫である。

それにしてもその豪華さ、上質さ、快適さどれをとってもレンジローバーと肩を並べてしまった感が強く、その差別化が難しくなった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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