3か月以上の学費滞納生徒の割合、私立高で初の1%未満に | Push on! Mycar-life

3か月以上の学費滞納生徒の割合、私立高で初の1%未満に

 私立高校において3か月以上学費を滞納している生徒の割合が、過去最低の0.89%となったことが、全国私立学校教職員組合連合の調査から明らかになった。経済的理由による高校中退生徒も過去最低となったが、私立中学校においてはいずれも増加傾向となっている。

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私立高校における3か月以上の学費滞納生徒数と経済的理由による中退生徒数
  • 私立高校における3か月以上の学費滞納生徒数と経済的理由による中退生徒数
  • 私立高校生の学費滞納での自治体間格差
  • 私立中学校における3か月以上の学費滞納生徒数と経済的理由による中退生徒数
  • 全国私立学校教職員組合連合

 私立高校において3か月以上学費を滞納している生徒の割合が、過去最低の0.89%となったことが、全国私立学校教職員組合連合の調査から明らかになった。経済的理由による高校中退生徒も過去最低となったが、私立中学校においてはいずれも増加傾向となっている。

 調査は、平成28年度(2016年度)上半期(4~9月末)に私立高校・中学校で学費を3か月以上滞納している生徒数とその状況、および同期間に経済的理油で私立高校・中学校を退学(学費未納による除籍を含む)した生徒数とその状況をまとめたもの。平成10年度(1998年度)以来、毎年同様の調査が行われており、19年目の調査にあたる今回は34都道府県の私立高校310校、私立中学校138校から回答を得た。

 私立高校における3か月以上の学費滞納生徒は、34都道府県242校(回答のあった高校の78.1%)に2,442人。対象生徒数に占める割合は0.89%と、調査開始以降初めて1%を切り、過去最低となった。リーマンショック直後の2009年度と比べ、ほぼ半数の数値となっている。

 経済的理由での高校中退生徒は13校に28人と、学費滞納生徒数と同様に過去最低。2010年度から導入され、2014年度に見直しされた就学支援金制度と、各自治体の減免制度によって、多くの私立高校生の学費滞納と経済的理由での中退者が減少したとみられる。

 ただし、滞納生徒数の割合は自治体間で格差がある。全国の0.89%に対して、もっとも多い青森県では2.52%と3倍近く、4年連続して2%を超えている。そのほか、全国平均の倍以上となった都道府県には、兵庫県2.18%、宮城県1.86%、福岡県1.81%がある。

 私立中学校における3か月以上の学費滞納生徒は、34都道府県67校(回答のあった高校の48.5%)に148人。対象生徒数に占める割合は昨年度とほぼ同じ0.28%だが、2012年以降減少していた割合がやや増加傾向にあるという。

 経済的理由での高校中退生徒は4校に8人と、昨年度の人よりやや増加。私立中学校への就学支援金制度は、県単独事業として実施している鳥取県と高知県以外にはなく、学費負担は全額自己責任となっている。全国私教連では、2017年度予算概算要求で出された私立中学生への就学支援金制度について、国が支援する政策であると同時に、自治体に対しても支援を促すものとして実現を期待しているという。

 また、各校へアンケートも行っており、就学支援金の対象に施設設備費を加える必要があると思うか聞くと、56.5%にあたる175校が「必要がある」と回答。また、事務手続き上の改善点について、「保護者の申請書類を簡素化してほしい」64.5%、「就学支援金と奨学給付金の申請・給付を一本化してほしい」55.5%、「910万円の所得制限をなくしてほしい」40.0%などがあがっていた。

《黄金崎綾乃》
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