【スバル インプレッサ 試乗】ベンチマークの「ゴルフ7」に並ぶことはできたのか…青山尚暉 | Push on! Mycar-life

【スバル インプレッサ 試乗】ベンチマークの「ゴルフ7」に並ぶことはできたのか…青山尚暉

自動車 試乗記

スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
  • スバル インプレッサスポーツ2.0i-S EyeSight
スバルのフルモデルチェンジと謳われる、次世代スバル車の第一弾となる新型『インプレッサ』を名古屋~蒲郡間の公道で試乗した。

乗ったのは「2.0i-S EyeSight」。走りに関する内容として「2.0i-L EyeSight」との違いはタイヤサイズが17インチから18インチになり、サスペンションはダンパーが専用化され、VDCによるアクティブトルクベクタリングが備わること。SIドライブは両車に備わり、インテリジェントモードとスポーツモードが選択できる。

ちなみに新型インプレッサの大きな特徴となる安全装備に関しては、アイサイトVer3が1.6リットルモデルを含む全車に標準。エアバッグは前席、サイド&カーテン、運転席ニーエアバッグのほか、歩行者保護エアバッグの8エアバッグが奢られ、アダプティブクルーズコントロール、ハイビームアシスト(OP)、リヤビーグルディテクション(OP/後方死角接近車検知)などテンコ盛り。国産車の先進安全装備を一気にリードしている。

さて、18インチタイヤを履く2.0i-S EyeSightに乗り込めば、インプレッサとして格段に向上したインパネ回りの質感が好印象。これで同じCセグメントの世界基準、VW『ゴルフ』のようなドアの重厚でカッチリした開閉感が実現されていればなお良しである。

出足の第一印象は「日本車っぽくないな」である。パワステはズシリと重く、アクセルペダルの踏力もまた重目。ボディ剛性の高さを実感できるドシリとした乗り味は日本車離れしている。

水平対向の直噴2リットルNAエンジンは154ps、20.0kg-m、JC08モード16.0km/リットル(AWDは15・8km/リットル)というスペック。こう言ってはなんだが、数値的に驚く部分はない。特に燃費性能に関しては「燃費を追求したクルマではない」とのことだ。

パワー的にはインテリジェントモードだとゆったり。スポーツモードにセットすると俄然、レスポンスが良くなり、けっこうな速度で流れていた都市高速で後続車をあっと言う間に引き離す実力だ。リニアトロニック=CVTの変速は全開加速ではATのようなステップアップ感があって気持ち良く、痛快。

ただ、水平対向エンジンらしさは最近のスバル車にならい、希薄。古くからのスバルファンだとちょっと物足りないかもしれないが、燃費に気づかうとこうなる。

乗り心地は文句なしである。重厚でフラット。18インチタイヤにして段差の乗り超えでも突き上げ感、不快なショックは皆無に近い。後に聞けば、サスペンションは基本的に1種類ながら、17インチタイヤ仕様に対してこちらはダンパーを乗り心地方向にセッティングしてあるという。なるほど。

名古屋の都市高速、東名高速でレーンチェンジを試みると、うむ、クルマの動きがゴルフ7のテイストに似ている。つまり、ステアリングを切ったぶんだけリニアに確実に応答し、抜群の安定感とともにスーッと滑らかに気持ち良く向きを変えてくれるあの感じである。これもまた後で聞けば、新型インプレッサのベンチマークはズバリ、ゴルフ7だったのである。これでダンパーのストロークのスムーズさがもう少し強調されていれば最高である。

しかし、自身の愛車でもあるゴルフ7(17インチタイヤを履くハイライン)を引き合いに出せば、静粛性は新型インプレッサ優位である。特にロードノイズの遮断は18インチのスポーツタイヤを履いていてもこちらが上(ゴルフファミリーとしてはより静かな『ゴルフトゥーラン』と同格か?)。

試乗途中、路面の荒れた道幅の狭いワインディングロードに遭遇したが、さすがトルクベクタリングの効果絶大。ライントレース性、曲がりやすさ抜群で、そうした山道でも走りやすさは文句なしだった。

2.0i-S EyeSightの試乗後、17インチタイヤを履く2.0i-L EyeSightにも試乗したが(詳しくは別項で)、乗り味は別物。「世界基準の走りを目指した」という開発陣の思いが反映されているのは間違いなくこちらである。ゴルフ7に並んだのか? と言われれば、「まだやるべきことはある」となるのだが、その距離は国産Cセグメントとしてかつてないほど縮まったことは間違いない。

そうそう、後席の居住性はゴルフ7を基準にすれば、足元はずっと広くゆったりできる。ラゲッジは開口部とフロアに大きな段差があるのだが、フロアボード手前を持ち上げフックに固定でき、フロアボードに角度は付くものの、開口部から比較的段差なく使えるちょっとしたアイデア、配慮がうれしい。重い荷物の出し入れ、抱いたままペットを乗せるときなどに便利だろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。
《青山尚暉》

特集

page top