【日産 セレナ 試乗】「プロパイロット」は装着タイヤによって動きが変わる…諸星陽一 | Push on! Mycar-life

【日産 セレナ 試乗】「プロパイロット」は装着タイヤによって動きが変わる…諸星陽一

横浜で行われた日産『セレナ』の最初の試乗会では「ハイウェイスターG」に試乗したのだが、今回、九州での試乗会ではハイウェイスターではない普通のグレード「G」をチョイスした。

自動車 試乗記
日産 セレナ G
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横浜で行われた日産『セレナ』の最初の試乗会では「ハイウェイスターG」に試乗したのだが、今回、九州での試乗会ではハイウェイスターではない普通のグレード「G」をチョイスした。

その最大の目的はプロパイロットのフィーリングをチェックすることにあった。前回の横浜試乗会ではプロパイロットのフィーリングに疑問を持ったからだ。プロパイロットは前走車との距離を一定に保ちながらの追従走行と、車線間の中心にクルマを保つこと。この2つがおもな機能だが、このうちの“車線間の中心にクルマを保つこと”のフィーリングが今一歩だった。

プロパイロットでは、クルマが車線の中心からずれるとそれを修正するためにステアリングが自動的に操舵されクルマが移動する。しかし、横浜で乗ったハイウェイスターはその動きが過敏で、極端な表現をすれば急にハンドルを切ったような印象(実際はそこまでではないが)を受ける。このフィーリングにはどうしても納得がいかず、試乗後にハイウェイスターGとノーマル仕様の諸元を比較してみると、ハイウェスターGの場合はタイヤサイズが195/60R16で、そのほかのグレードでは195/65R16が標準であった。

これはもしかしたらタイヤが原因で挙動が急になるのでは? という予測をしていた。それを確かめるために今回はGグレードに乗ったのである。

予測は見事に当たった。Gグレードのプロパイロットの車線キープ時のフィーリングはじつに素直で、まったく違和感を感じなかった。ステアリングが操舵されたことが手に伝わってくるが、クルマが動き出すタイミングは若干の遅れがある。そして動き自体がゆったりとしているので、車線内をクルマが動いても乗員が横に振られるようなことがない。

試乗後、開発部の方にお話しをお聞きしたところ、セッティングは195/65R16で行っているとの確認が取れた。もちろん195/60R16タイヤでの確認は行っているが、タイヤに合わせたセッティングは行わず、いずれも同じセッティングになっているという。195/60R16でベストなセッティングにしてしまうと195/65R16にした際に、修正舵が間に合わないとのこと。

195/60R16タイヤが標準で装着されるのはハイウェスターGのみで、ほかのグレードは195/65R16が標準。オプションで195/60R16が選べるのは2WDのハイウェスターのみ。プロパイロットを装備したハイウェイスターに乗りたい人は、Gではないハイウェイスターを選び、オプションのタイヤは選ばないというのがかしこい。

また、プロパイロット付きのセレナ(だけではなくレーンキープ機構付きのすべてのクルマ)を買った人は、タイヤが減って交換するときも注意が必要だ。操舵初期のレスポンスがよすぎるタイヤは挙動が急激になり、ダルなタイヤは修正舵が間に合わない可能性もある。クルマの制御が緻密になればなるほど、標準以外のパーツを使うのが難しくなってきている状況が見え隠れする。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

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