“純正スピーカーのまま”、愛車のサウンドを良くする方法とは!? 第4回「“コントロール機能”を付加して再現力を格段に向上させよう!」 | Push on! Mycar-life

“純正スピーカーのまま”、愛車のサウンドを良くする方法とは!? 第4回「“コントロール機能”を付加して再現力を格段に向上させよう!」

“純正スピーカーのまま”、愛車のオーディオの音質を向上させる作戦をご紹介してきた。今回はその最終回ということで、少々目先を変えてみたい。これまでは“低予算”をキーワードにしてきたのだが、今回は、少々予算を要するプランを取り上げる。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
ダイヤトーンサウンドナビの装着例(by ウイニング・滋賀県)。

“純正スピーカーのまま”、愛車のオーディオの音質を向上させる作戦をご紹介してきた。今回はその最終回ということで、少々目先を変えてみたい。これまでは“低予算”をキーワードにしてきたのだが、今回は、少々予算を要するプランを取り上げる。

■リスニングルームとしての不利な条件を、「DSP」で改善!

今回フィーチャーするのは、「コントロール機能を付加する」という作戦である。これを行うことで、例えスピーカーは純正のままであっても、カーオーディオの音質は相当に向上する。厳密に言えば、音の質そのものは大きく変わらないのだが、聴こえ方が激変するのだ。

それまでの、“スピーカーが鳴っている”という状況から、“フロントガラスに、演奏しているステージが広がる”、という状況を作り出せるのだ。スピーカーの存在感は消え、ボーカルはセンターにすっと立ち、各楽器はそれぞれの位置でステージに配置する。場合によっては、スピーカーを換えて得られる感動以上のものが得られるはずだ。この作戦は、それほど大きな効果を発揮するのである。

コントロール機能を付加できるユニットの名前は、「DSP」だ。「DSP」とは、「デジタル・シグナル・プロセッサー」のことであり、これにより、“クロスオーバー”、“タイムアライメント”、“イコライザー”等のデジタル・チューニング機能を使えるようになるのだ。

それぞれ重要な調整機能であるのだが、特に効くのは、“タイムアライメント”だ。

そもそも車内は、リスニングルームとして条件がよろしくない。中でも、リスニングポジションが中央でないことは、ステレオの基本から言うとあり得ないことだと言っていい。各スピーカーから同距離の場所で聴いてこそ、ステレオが成り立つのである。

しかし、“タイムアライメント”を駆使すれば、その状況を打破できる。近くにあるスピーカーの、発音のタイミングを遅らせることができるのだ。その作業を、1つ1つのスピーカーに対して行うことで、すべてのスピーカーから等距離の場所で音楽を聴いているかのような状況が作り出せるのである。

さらには、“イコライザー”も重宝する。車室内は音響特性も結構劣悪だ。スピーカーはバラバラに取り付けられていて、それぞれリスナーに対する向きが異なっている。その上で、窓ガラスやダッシュボード、メーターフード等々で音が反射し、それが特性の乱れを引き起こす。シートでは音が吸収される。これらにより、さまざまな周波数ポイントで、“ピーク”(音の盛り上がり)や“ディップ”(音のくぼみ)が起こる。しかし、“イコライザー”があれば、それらに対処することが可能となる。これを上手く運用することで、音がスッキリしたり、細かな音が聴きわけられるようになったりするのである。

■“純正スピーカー”のままで「DSP」を効かそうと思うなら…。

さて、続いては、「DSP」にはどのようなタイプがあるのかを解説していく。以下のとおり、大きく3タイプに分類できる。

1・メインユニットタイプ
2・単体DSP
3・パワーアンプ内蔵DSP

で、“純正スピーカーのまま”という前提となると、1に属している、『ダイヤトーンサウンドナビ』を使うのが、最善の策となる。1に属するそれ以外のユニットや、2、3のタイプとなると、スピーカーケーブルを引き直さないと使えないのだ。純正スピーカーのスピーカーケーブルは、メインユニット裏からは左右に1本ずつしか出ていなくて、トゥイーターとミッドウーファーへは途中で分岐されることとなる。しかし「DSP」を導入する場合は、「DSP」からトゥイーター、ミッドウーファーそれぞれへ、ダイレクトに1本ずつのスピーカーケーブルを引く必要があるのだ。

2、3に該当する各ユニットではさらに、メインユニットから「DSP」までのRCAケーブルの引き回し作業が必要となる。しかしながら、『ダイヤトーンサウンドナビ』であれば、メインユニットを交換するだけで(純正ハーネスはそのまま使って)、「DSP」を高度に運用することが可能となるのである。

ただし、純正メインユニットを交換できない場合は、2の「単体DSP」や、3の「パワーアンプ内蔵型DSP」を使うしかない。

それらを使うならば、“純正スピーカーのまま”ということにこだわらず、スピーカーも市販品に交換することをおすすめしたい。「DSP」と市販スピーカーとを同時に導入すれば、純正カーオーディオが、一気にハイエンドカーオーディオへと昇華する。

さて、4回にわたってお贈りしてきた当特集。“純正スピーカーのまま”で行う音質向上作戦のいろいろを取り上げてきたが、興味を持てるものはあっただろうか。中には予算がかかる作戦もあったが、工夫次第でいろいろな楽しみ方ができる。音が良くなればドライブはもっと楽しくなる。1人でも多くの方に、その楽しさを味わっていただきたいと、切に願う。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top