【ポルシェ ボクスター スパイダー 試乗】高性能車の確かさと優しさ…島崎七生人 | Push on! Mycar-life

【ポルシェ ボクスター スパイダー 試乗】高性能車の確かさと優しさ…島崎七生人

さぞストイックなクルマだろう…そんな予測は見事に外れた。誤解を恐れずに言えば、これほど乗りやすい高性能車はないのではないか…とさえ思えるほどだった。

自動車 試乗記
ポルシェ ボクスター スパイダー
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さぞストイックなクルマだろう…そんな予測は見事に外れた。誤解を恐れずに言えば、これほど乗りやすい高性能車はないのではないか…とさえ思えるほどだった。

『991カレラS』譲りの3.8リットル水平対向6気筒を搭載。375ps/420Nmのスペックはシリーズのトップに位置づけられる。しかも“スパイダー”の名のもと1350kgの車重は2.7リットルモデルと同数値の軽量ぶり、だ。スパイダーはいわばスペシャルなモデルだが、外観の“コスメ”がほどほど控えめなのも好ましい。

パワーフィールは実に“軽やか”だ。MTでまるでもっと軽量なクルマを走らせているかのように、意のままの走りを楽しませてくれる。エンジン回転そのものがいかにも緻密というか精緻で、回転を上げても機械的なバランスの崩れなど毛頭感じさせない。このあたりはさすがポルシェといったところ。さすが…といえばブレーキも、剛性がありコチラの操作に忠実に制動力を生み出してくれるところに奥深い安心感がある。メーターの文字書体が昔ながらの変わらないそれなのも見やすく嬉しい。

乗り味が想像以上に優しいのも印象的。同乗者からのクレームは一切出ないはずだ。走り込んでタイヤがしっかり路面を捉えて離さないのはいうまでもないが、低速でもショックを見事に丸く収めた味わい。ポルシェならではのボディ剛性、精度、品質を極めたクルマらしさは、街中でも、走り出した瞬間から嫌というほど実感させてくれる。前後に十分なトランクスペースがあり、実用車としても十分に通用する。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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