アンティフォン 松居邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.89 愛用品ノート 「ダイヤトーン・DS-SA1」その2 | Push on! Mycar-life

アンティフォン 松居邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.89 愛用品ノート 「ダイヤトーン・DS-SA1」その2

松居さんに、愛用品について綴っていただいている。まずは、松居さんの使用機材の中でも、昨今、もっとも気に入っているというスピーカーユニット、ダイヤトーン・DS-SA1について。今回はその2回目だ。じっくりとお読みいただきたい。

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松居さんに、愛用品について綴っていただいている。まずは、松居さんの使用機材の中でも、昨今、もっとも気に入っているというスピーカーユニット、ダイヤトーン・DS-SA1について。今回はその2回目だ。じっくりとお読みいただきたい。

前回からの続きである。

前回の記事で書かせていただいたように、僕は、デモカーAudiのスピーカーとして、ダイヤトーン・DS-SA1を使い続けている。そしてその理由について前回、「飽きない」からであると記させていただいた。これに代わる製品に、未だ出会えていないのである。

このスピーカーシステムの良さを、もう少し具体的にご説明させていただくと…。それは、密度感の高さ、だと思っている。中身が詰まった「芯のある音」が音楽のコントラストを高め、たまらない表情を見せてくれる瞬間が、このスピーカーにはある。他の装置では感じ得ない刺激が、心地良さを与えてくれるのである。

飽きがこないのは、これ以上の心地良さを他に感じないからなのだと思う。

ちなみに、カタログにはこんな説明書きがされていた。「B4Cピュアボロンはダイヤモンドに次ぐ硬さとアルミニウムより軽い比重を同時に達成。1万メートルを超える最高クラスの高速伝播速度を実現しました」と。この、トゥイーターが、キーポイントだ。

なお、ラインナップに、DS-SA3というモデルがあった。ミッドウーファーを共通とし、トゥイーターがチタン製のシステムである。朗々とした雰囲気はこちらにあるが、DS-SA1には張り詰めた空気感の高さがあり、その部分により惹かれてしまう。見ため的にも、ショートホーンの役目を果たすリングの色あいなどが日本的なデザインで、精密な機械である様を漂わせている。もうベタ惚れである。

しかしこの「芯のある音」は刺激が一定のレベルを越えてしまうと苦痛に変化してしまう危険性もはらんでいる。

柔らかい素材に比べて内部損失が小さく、破綻までのマージンが少ないのだ。まさに諸刃の剣なのである(ちなみに、家庭用ハイエンドオーディオスピーカーも、トゥイーターが硬質なものになる傾向がある。イギリスのB&WやアメリカのAvalon Acousticsなどは、ダイヤモンド製のトゥイーターになった)。

というわけでAudiのシステムは、このDS-SA1を主役としたまま、遍歴を辿ることになる。

クロスオーバーは、純正のパッシブネットワークは使わずにアクティブなシステムでコントロールしているが、クロスオーバーさせる周波数やスロープは、純正のパッシブクロスオーバーネットワークと同じ値で使用している。

最初はカロッツェリアXのシステムRS-D7Xll+RS-P99X、RS-A99Xでスタートした。この時の印象は、端正で冷静な雰囲気で優等生的なシステムだった。途中でパワーアンプをイタリアのPHDに替えた時期もあったが(この経験が後にイタリア製のプロセッサーやアンプへの変化へとつながってゆくのだが…)、総じてカロッツェリアX時代は、冷静なスタジオモニター的な性能の世界を追求していた。今から思えばモノトーンな白黒写真に近い世界で、輪郭がくっきりと描けていて陰影感があり、それはそれでイケていた。

パイコンへは第15回から17回へ参戦し、5位、2位、6位という成績だった。ちなみに、第16回のときにもっとも好成績が残せたのは、課題曲の1つが、ポール・マッカートニーがJAZZを歌うという少し枯れた雰囲気の男性ボーカルだったのことと、もう1曲のショスタコーヴィチが、この陰影感と偶然うまくマッチしたからだろう(次回に続く)。

《松居邦彦》

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