次世代プラットフォームに息づく スバル のクルマづくり…独自の技術開発と安全思想 | Push on! Mycar-life

次世代プラットフォームに息づく スバル のクルマづくり…独自の技術開発と安全思想

スバルが次期『インプレッサ』に採用するという次世代プラットフォームは、材料置換やEV、自動運転まで見据え、2025年まで対応できる設計だという。「スバルグローバルプラットフォーム」の名が示すように、インプレッサ以降、全スバル車へ展開していく予定だ。

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取締役 専務執行役員 スバル技術本部 本部長 武藤直人氏
  • 取締役 専務執行役員 スバル技術本部 本部長 武藤直人氏
  • スバルが次期『インプレッサ』に採用するという次世代プラットフォームの技術説明会
  • スバルのクルマづくり
  • 創業時の社屋は群馬本工場の本館。ここではBRZなどが製造されている
  • 360の時代からユニークなくるまづくり
  • 独自の衝突実験をくりかえす
  • スバルのコア技術

スバルが次期『インプレッサ』に採用するという次世代プラットフォームは、材料置換やEV、自動運転まで見据え、2025年まで対応できる設計だという。「スバルグローバルプラットフォーム」の名が示すように、インプレッサ以降、全スバル車へ展開していく予定だ。

その次世代プラットフォームの発表の場で、最初に登壇した富士重工業の吉永泰之 代表取締役社長は「本日は、スバルの技術者は何を考えて車を作っているのか。それを知ってもらうためにこの説明会を開催した」と述べた。この部分のプレゼンを担ったのが、同社取締役 専務執行役員 スバル技術本部 本部長 武藤直人氏だ。

1917年、中島飛行機として誕生した富士重工業は来年で創業100周年を迎える。中島飛行機のエンジンは、星形吸気、空冷エンジンといった特徴を持ち、「隼」や「月光」などユニークな戦闘機を開発したメーカーとしても有名だ。航空機メーカーならではのこだわりが、現在のスバルのクルマづくりのDNAだという(武藤氏)。

このエンジニア精神の現れとして、武藤氏は、大人4人が乗れる国民車として開発されたスバル『360』、国産FFの元祖 スバル『1000』を挙げた。スバル360は、4名乗車のパッケージングのため日本で初めてモノコックボディを採用した。スバル1000はFFという特徴だけでなく、オールアルミの水平対向エンジンを搭載していた。武藤氏によれば、これらの設計は「合理的で正しい技術開発」を行ってきた必然の結果であるという。

また、1965年にはスバル360の全面衝突実験を開始し、独自の安全技術を開発していった。その後、追突試験、横転試験なども取り入れ、安全性に磨きをかけていったが、国における自動車衝突時の保安基準が適用されるようになったのは1994年からである。このような独自の安全思想によって、スバルが注力する安全分野は、0次安全(視界・運転のしやすさ)、アクティブセイフティ(AWD、低重心)、パッシブセイフティ(乗員・歩行者保護)、プリクラッシュセーフティ(アイサイト、自動運転)の4つだという。

さらに武藤氏は、エンジニアの思いは「安心と愉しさという価値をユーザーに提供すること」にあるといい、これを実現するためのコア技術として、シンメトリカルAWD、スバル ボクサーエンジン、アイサイトがあると述べた。そして、今回発表された「スバルグローバルプラットフォーム」が、新たなコア技術として追加されたのだ。

《中尾真二》

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