懲戒処分等は9,600人…公立学校教職員の人事行政状況調査 | Push on! Mycar-life

懲戒処分等は9,600人…公立学校教職員の人事行政状況調査

 文部科学省は12月25日、平成26年度公立学校教職員の人事行政状況調査について概要を公表した。懲戒処分等を受けた教職員は9,677人で、前年度から183人増加。女性の管理職は過去最高を更新して1万1,000人となった。また今回初めて、育児休業取得についても調査した。

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女性管理職(校長、副校長及び教頭)の割合
  • 女性管理職(校長、副校長及び教頭)の割合
  • 教職員の懲戒処分等
  • 教育職員の精神疾患による病気休職者数
  • 平成26年度における体罰の状況(国公私立合計)
  • 育児休業等の新規取得者の状況

 文部科学省は12月25日、平成26年度公立学校教職員の人事行政状況調査について概要を公表した。懲戒処分等を受けた教職員は9,677人で、前年度から183人増加。女性の管理職は過去最高を更新して1万1,083人となった。また今回初めて、育児休業取得についても調査した。

 人事行政状況調査は、教職員の人事管理に役立てることを目的に、公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校における教職員の人事行政の状況について、都道府県・指定都市教育委員会を対象に調査を実施している。調査項目は分限処分(病気休職者数等)、教職員の懲戒処分等(交通違反・交通事故、体罰、わいせつ行為等)、教職員評価など8項目のほか、今回初めて教育職員の育児休業の取得状況を調査した。

 教職員の精神疾患による病気休職者数は全教育職員数の0.55%にあたる5,045人で、平成19年度以降は5,000人前後で推移している。懲戒処分または訓告等の懲戒処分等を受けた教職員は9,677人。そのうち、わいせつ行為等で懲戒処分等を受けたのは205人で前年度と同数。体罰で懲戒処分等を受けたのは952人で、前年度より3,000人と、大幅に減少した。これは、平成24年度の体罰の緊急調査で判明した事案の懲戒処分等が平成25年度までに行われたため。

 女性管理職(校長、副校長および教頭)は平成27年4月1日現在で1万1,083人。女性管理職の割合は全体の15.7%で、過去最高を更新した。各教育委員会が、管理職としての任用時に勤務地の配慮など仕事と家庭の両立が図られる職場環境を整えるなどした結果としている。

 また、育児休業等を取得した教職員数は1万6,415人で、そのうち男性は316人、女性は1万6,099人と女性が98%だった。男性職員の新規取得率は、地方公務員(平成25年度)と比較すると、育児休業と育児短時間勤務の取得が低く、部分休業(1日あたり2時間まで勤務しないことができる制度)のほうが高い状況が見られた。

 そのほか、国公私立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校の体罰の実施把握についても公表。平成26年度における体罰の状況として、国公私立合計の発生件数は1,126件だった。もっとも多かったのは中学校で466件、ついで高等学校344件だった。また、体罰の発生学校数を学校数で割った発生率でみると、中等教育学校が11.76%でもっとも高く、ついで高等学校が6.03%、中学校は3.88%だった。体罰当事者の年代は50歳代以上がもっとも多く387人、ついで40歳代が305人、30歳代が287人、性別では男性が991人、女性が135人だった。

《田中志実》
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