【スーパーフォーミュラ 最終戦】第1レースをロッテラーが制す…石浦が2位で王座に前進、可夢偉3位 | Push on! Mycar-life

【スーパーフォーミュラ 最終戦】第1レースをロッテラーが制す…石浦が2位で王座に前進、可夢偉3位

8日、決勝日を迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦鈴鹿は、午前中に第1レース決勝を行ない、アンドレ・ロッテラーがポール・トゥ・ウインで今季3勝目を挙げた。2位は石浦宏明、3位は小林可夢偉で、石浦は初タイトル獲得に大きく近づいている。

自動車 ニュース
SFの今季最終戦鈴鹿、第1レースを勝ったアンドレ・ロッテラー。
  • SFの今季最終戦鈴鹿、第1レースを勝ったアンドレ・ロッテラー。
  • #2 ロッテラーはポール・トゥ・ウインで第1レースを制す。
  • 決勝日の鈴鹿は雨に(#2 ロッテラー)。
  • 第1レースで2位になった#38 石浦は王座ゲットに向け大きく前進。
  • 左から2位石浦、優勝の舘監督&ロッテラー、3位可夢偉。
  • 小林可夢偉は第1レースで3位になる。
  • #8 可夢偉は4番グリッドスタートだった。
  • 3番グリッド発進の#3 ロシター。

8日、決勝日を迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦鈴鹿は、午前中に第1レース決勝を行ない、アンドレ・ロッテラーがポール・トゥ・ウインで今季3勝目を挙げた。2位は石浦宏明、3位は小林可夢偉で、石浦は初タイトル獲得に大きく近づいている。

2レースを戦う決勝日は予報通り、雨。朝10時にフォーメーションラップスタートの第1レースはウエット路面での戦い、レインタイヤの出番となった。20周、約116kmの超スプリント戦なので、天候や路面状態の急変によるタイヤ交換の必要等が生じない限り、全19台がノーピットを企図しての“行ったきり勝負”となる。

エンジン交換ペナルティによるグリッドダウンも複数あったが、ドライバーズチャンピオン争い有資格者4名のグリッド位置に影響はなく、それぞれが以下のような状況を背負ってスタートを迎えた(末尾の点数は現状のドライバーズポイント)。

ポールポジション:アンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)32点
2番グリッド:石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)45点
5番グリッド:中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)39点
7番グリッド:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)31点

石浦はこの第1レースで優勝すれば王座獲得決定、2~5位でも他選手の順位次第で決まる可能性がある。一貴は今日2連勝なら、石浦の結果に関係なく自力逆転王座。ロッテラーとオリベイラは今日2連勝が王座の最低条件で、しかも他力が必要だ。つまり、少なくともどちらかは第1レースで王座争いから脱落する。

スタートがセーフティカー(SC)先導となり、3周目にレースが実質的に始まった。そこからロッテラーは快調に石浦との差を広げていく。ロッテラーに勝たれてもそれほど痛くない石浦は、王座を意識して後ろを見ながら前方視界も確保して、というクレバーなレース運びに徹していたと考えられるが、それも逃げるロッテラーには奏功し、そもそも雨が得意中の得意であるロッテラーは独走に近いリードを築いていくことに。

そのまま逃げ切って、ロッテラーは前戦に続く連勝で今季3勝目を挙げる。石浦は、予選3位のジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)や同4位の小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)に背後を脅かされるシーンもあったが、ロシターが16周目にコースアウトしてリタイアとなり、その後は可夢偉との直接攻防も凌いで、2位を守り切ってゴールした。3位は可夢偉。そして終始、予選順位通りの5番手を走っていた一貴が、ロシターの離脱によって4位に上がってチェッカーを受けた。

石浦が2位で一貴が5位以下なら石浦の王座が決まっていたが、一貴は4位になったことで、かろうじて望みが第2レースにつながった。ロッテラーとオリベイラ(第1レースは接触等がありリタイア)はタイトル争いから脱落。第2レースで「一貴優勝、石浦9位以下」のケースのみ、一貴が逆転王座となる(第2レース、一貴は予選4位)。石浦は第2レース(予選7位)で0.5点(8位)獲得すれば自力王座、あと半歩まで来た。

優勝のロッテラー:「安全を考えてのコンサバティブな判断だと思うが、SCスタートというのは自分にとってはちょっとつまらないな、とも思ったけどね。今はふたつの感情が入り交じっている。第1レースを勝てたことは嬉しいが、自分のチャンピオンシップが終わってしまったことは残念だ。ただ、第2レース(予選2位)ではまた勝利を目指して頑張りたい」。

2位の石浦:「SCスタートになったことが自分にとっていいのかわるいのか、と思っていましたが、前を見たらイン側(偶数列)グリッドの前方の水が多かったので、僕にはラッキーだったんでしょうね。タイトル争いのことを考えると、なんとしても2位は守りたいと思っていたんですが、残り5~6周から水の量が増した時はかなりリスキーな状況で、僕もハーフスピンしたりしていました。とりあえずゴールできてホッとしています。ジェームス(ロシター)が止まってしまったことで(一貴が4位に上がり)タイトルが決まらなかったというのには、ちょっとガッカリしましたけどね(笑)。油断せずに気を引き締めて、第2レースでも可能な限りポイントを多く獲ろうと思います」。

3位の可夢偉:「直前の8分間の走行で速かったし、スタート(を練習した感触)も良かったので、SCスタートになった時は『帰ろうかな』と思いました(笑)。でも、まずこうして3位になれてよかったと思います。第2レース(予選5位)はSC先導ではないスタートから戦いたいですね」。

第1レースの決勝5位は野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)でホンダ最上位。6位もホンダ勢で、ベテランの小暮卓史(#34 DRAGO CORSE)が続いている。

第2レース(28周)はこの後、15時にフォーメーションラップスタート予定。予選7位の石浦が8位以内死守を目指せばいい一方、予選4位の一貴が奇跡を起こすためにはとにかくまず勝つしかない(予選2位の僚友ロッテラーの援護は期待できるだろう)。また、第2レースの予選では山本尚貴(#16 TEAM 無限)がポール、野尻が3位とホンダ勢も上位につけており、彼らがトヨタ勢の今季全勝阻止を果たせるかどうかも、石浦VS一貴の決着同様に焦点となりそうだ。

《遠藤俊幸》

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