【スーパーフォーミュラ 最終戦】ロッテラーと山本尚貴がポールを分け合う…王座争いは石浦が優勢 | Push on! Mycar-life

【スーパーフォーミュラ 最終戦】ロッテラーと山本尚貴がポールを分け合う…王座争いは石浦が優勢

7日、全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦の公式予選が鈴鹿サーキットで行なわれ、2レース制の決勝第1レースのポールポジションをアンドレ・ロッテラーが、第2レースのポールを山本尚貴が獲得した。王座争いトップの石浦宏明は2位&7位。

自動車 ニュース
#2 ロッテラーは第1レースがポールで、第2レースは予選2位。
  • #2 ロッテラーは第1レースがポールで、第2レースは予選2位。
  • 第1レースのポールを獲得したロッテラー(左)と、第2レースのポールを獲得した山本。
  • #16 山本尚貴は第2レースのポールをゲット(第1レースは予選6位)。
  • 「ポール」と「予選2位」のロッテラー。
  • 山本のポールは開幕戦以来。
  • シリーズリーダーの#38 石浦は第1レースの予選(Q1)で2位を確保。
  • #8 可夢偉は予選4&5位。
  • 来季からの全車ヨコハマタイヤ装着をあらためて発表。

7日、全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦の公式予選が鈴鹿サーキットで行なわれ、2レース制の決勝第1レースのポールポジションをアンドレ・ロッテラーが、第2レースのポールを山本尚貴が獲得した。王座争いトップの石浦宏明は2位&7位。

予選日の天候は曇り(路面ドライ)。今回は決勝2レース制のため、3段階ノックアウト方式予選のQ1の結果が第1レースの予選順位となり、Q3まで経た総合結果が第2レースの予選順位となる。両ポールポジションにドライバーズポイント「1」が付与されるため、チャンピオンの座を争う4人、石浦、中嶋一貴、ロッテラー、J-P.デ・オリベイラにとっては1点×2の行方も重要なファクターとなり、それ以前に2レース制の場合は決勝レース距離が通常より短いのだから、予選の重要度は誰にとっても必然的に増してくる。

「予選勝負」ともいえる状況下、まず全19台出走のQ1ではロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が1分38秒354というトップタイムをマーク。これにわずか0.038秒差で石浦(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が2位となり、3位のジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)は石浦と同タイムという僅差攻防だった(同タイムの場合は先にタイムを出した方が上位)。王座争いの権利を有する面々では、一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が5位、オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)は7位。

石浦、一貴、ロッテラー、オリベイラの4人はQ2を通過し、Q3へ。しかし、そこで第2レースのポールを獲得したのは、4人の誰でもなかった。前日の会見で4人が「上位に来る」と警戒していたその人、山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)が今季開幕戦以来のポールをゲットする。タイムは唯一の37秒台となる1分37秒963。

2013年王者の、そして今季苦戦が続いてきたホンダ勢のエースとして意地を見せつけた格好の山本は通算7回目のポール。しかし「今までのポールは狙える手応えがあって獲れた」ものだったが、「正直、今日はQ1までポールを獲れる手応えがなかった。ここ(ポール会見)にいるのが不思議です」との実感を語っている。実際、第1レースの予選順位を決めるQ1では山本は6位にとどまっていた。

「Q2、Q3と次第に路面コンディションが合ってきて、Q3ではレスダウンフォースにする賭けに出たんですが、それが当たったこともあったと思います。結果には満足しています」と“勝因”を語る山本。前戦で決勝2位となった際に、「最終戦ではチャンピオン争いをかき回すような活躍をしたい」との旨を語っていたが、まさに宣言通り。明日、山本は自身とホンダにとっての今季初優勝を目指す。

Q3=第2レースの予選2位はロッテラーで、3位には野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)が続いた。そして一貴が4位、オリベイラが6位で石浦は7位。予選を終えた段階でシリーズ上位4人のドライバーズポイントは以下のような状況に変化している(カッコ内は第1レース/第2レースの予選順位)。

石浦宏明:45点(2位/7位)
中嶋一貴:39点(5位/4位)
ロッテラー:32点(1位/2位)
オリベイラ:31点(7位/6位)
※決勝では第1、第2の各レース1~8位に8/4/3/2.5/2/1.5/1/0.5点が与えられる。

石浦は第1レースで優勝すれば無条件で戴冠決定。仮にロッテラーに優勝されても、2位を守ってゴールすれば、一貴が下位(手元計算では5位以下)に沈んだ場合にも戴冠決定となる。

「朝のフリー走行からアンドレ(ロッテラー)にはちょっと負けている感じでしたけど、Q1ではポールが獲れたかも、という手応えもありました。100分の4秒くらいの差でポールの1点が獲れなかったのは残念ですね」と語る石浦だが、「第1レースで決めるチャンスがある場所にいられるのはいいことだと思いますし、今日の予選ではやっているうちに(チャンピオンを最前線で争えていることが)楽しく感じられるようにもなってきました。明日は明日でまた緊張は(ある程度)するでしょうし、天気も含めてどう転ぶかも分かりませんけど、全力で戦えればいいと思います。(その結果として)第1レースでうまくいけばいいですね」。第1レースで2位を守れれば(一貴が勝たない限り)、そこで戴冠決定はしなくとも相当有利になるはずだ。

ロッテラーは「ほぼ、パーフェクトな一日だったと思う。最後にQ3のトップを獲れなかったことは残念だが、マシンの状態も良く、(超スプリント戦の)第1レースのポールを獲得できたことは重要だ。まずまずハッピーといえる状況で、明日が楽しみ」と振り返る。予選で1点は獲ったが、もう1点(Q3のトップ)が獲れなかったことは、朝から絶好調だっただけに、またチャンピオン争いのことを考えても痛いといえば痛いところ。ただ、それはともかくとして、明日の決勝でロッテラーが2連勝に最も近い存在であることは、予選順位的にも戦闘力的にも間違いないだろう。

オリベイラは予選順位を考えると王座争いではかなり苦しくなった。また、予選でもうひとつだった一貴も、彼の場合はロッテラーやオリベイラと違って2連勝すれば自力王座ではあるが、最終戦開戦前より状況的には後退。とにかく彼の両レースにおけるスタートの出来がタイトル争いのカギを握ることになりそうだ。

小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)は第1レースが予選4位で、第2レースが同5位。彼の今季初優勝なるかも決勝日の焦点となるだろう。

明日(8日)の決勝はフォーメーションラップスタート予定10時の第1レースが20周、同15時の第2レースが28周で、第2レースにはドライタイヤでスタートした場合に1回の4輪タイヤ交換義務がある。天候微妙との予報もあり、波乱も予想され得る状況。そんななか、チャンピオン争いはどういった結末を迎えるのか。2015年の日本一速い男が明日、鈴鹿で決まる。

なお、この日は来季からブリヂストンに代わってSFへのワンメイクタイヤ供給を担う横浜ゴムが、東京モーターショーに引き続いて発表会を実施。同社の野地彦旬社長らが、ハイパフォーマンスなトップフォーミュラへと参戦するタイヤメーカーとしての意義を再度、熱く語っている。そして明日の決勝日は、このカテゴリーの足元を長きに渡って支え続けてきたブリヂストンの最終走という節目にもなる。

《遠藤俊幸》

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