カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #110: TOYOTA・CROWN HYBRID by SOUND WAVE 後編 | Push on! Mycar-life

カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #110: TOYOTA・CROWN HYBRID by SOUND WAVE 後編

サウンドとカスタムの両面をとことん磨き込んだ1台をご紹介している当連載。先週と今週の2週にわたっては、茨城県の名店・SOUND WAVE製作のクラウン ハイブリッドをスペシャル・フィーチャーしている。今週はオーディオシステムについて詳細にリポート。グッドサウンドのために何が行われているのかを、じっくりと解説していく。

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カスタム・オーディオマシン Special Feature !!


サウンドとカスタムの両面をとことん磨き込んだ1台をご紹介している当連載。先週と今週の2週にわたっては、茨城県の名店・SOUND WAVE製作のクラウン ハイブリッドをスペシャル・フィーチャーしている。今週はオーディオシステムについて詳細にリポート。グッドサウンドのために何が行われているのかを、じっくりと解説していく。


すべてを緻密 & 厳密にコントロールして
“勝つこと”と“Hi-Fi”を徹底追求!

まずはオーディオシステムの全容をご紹介していこう。

ヘッドユニットにはカロッツェリアX・RS-D7XIIIを、プロセッサーには同・RS-P99Xを使っている。その他のアイテムは、すべてハーモテック製だ。パワーアンプには4chモデルであるH4を1台と、2chモデルであるH2を2台採用。フロントスピーカーにはは、3ウェイコンポーネント、H7-3を使用し、サブウーファーには10インチモデルであるH10を2発使っている。

パワーアンプの使い方は以下のとおり。2台の2chモデルそれぞれで、サブウーファーとミッドベースをドライブしている。土台となる低域再生にパワーをかける、という作戦が取られているのだ。ちなみに、サブウーファーもステレオ使い。2発を使うにしてもモノラルで鳴らすという選択肢もあるのだが、より深みを出すことを狙って、このドライブ方法が選ばれている。タイムアライメントを中心にしたサウンドチューニングをシビアに追い込むことが絶対条件となるが、厳密なチューニングの結果、リアルな重低音の獲得に成功している。



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インテリアのカスタムは、ブラックのアルカンターラを要所に配してシックに仕上げられている。センタークラスターではヘッド用に1DINスペースが増設され、周辺パネルをシルバーにペイントした。

ところで、このハーモテックというブランドについて、少々説明しておきたい。2015年に日本初上陸を果たしたばかりのブランドなので、耳に馴染みのない人も多いだろう。

このブランドは、タイの実力カーオーディオプロショップ『UDC』が、2005年に設立したハイエンドブランドである。同ショップは、タイ国内はもとより、アジア、ヨーロッパのEMMAやIASCAでも優勝を重ねていて、サウンドコンペティターとしても世界的に有名だ。その同ショップが、“コンペに勝つため”のブランドとして立ち上げたのが、このハーモテックだ。現在は、日本をはじめとするアジア各国、さらには一部ヨーロッパでも販売されている。世界のコンペティター御用達のブランドなのである。

サウンドウェーブのクラウン ハイブリッドは、先週の記事でもお伝えしたとおり、EMMAを闘うコンペカーだ。まさしく、“勝つために”、“勝つための”ブランドをチョイスした、というわけだ。

さて、この気鋭のブランドのユニットを使って、クラウン ハイブリッドはどのような音を目指したのかと言うと…。

それは言うまでもなく、“勝つための音”であり、つまりは“究極のHi-Fiサウンド“、である。ただただひたすらに“理想的な音”が追求されているのだ。



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純正然としたドアだが、パネルはほぼ全体が作り替えられている。ミッドレンジを上部に入れるにあたっては、ドアノブの位置も変更した。装飾パーツもさりげなく配して、高級感をブーストアップ♪

そのために何がされているのかを具体的にご紹介していこう。

1つ目のこだわりポイントは、フロントスピーカーの位置 & 角度決め。まずはツイーターとミッドレンジについて。サウンドウェーブとしては、両スピーカーを“同一面上に”取り付ける、つまりはタテに真っ直ぐ並べる、というセオリーを持っているが、それは車種によってケースバイケース。運転視界の確保、ミッドレンジのエンクロージャー容量を鑑みながら、仮取り付けして音を聴きながら場所と角度を選んでいく。今回はエンクロージャー容量の確保を優先して、ミッドレンジをドア上部にセットする選択を取った。その上で反射の影響を受けにくい角度を探る。こうして、現状の場所と角度が決定された。まさしくプロの仕事である。

ミッドウーファーも、直接音を少しでも多くリスナーに届けられるように、できる限りの角度を付けた。背圧の処理等、インストールに高度なテクニックを要する方法論だが、サウンドウェーブとしてはいつもの作戦。これに関しても相当にノウハウを持っているので、メリットだけを確実に引き出すことに成功。

クライマックスはサブウーファーボックス。今回は強度を最優先して、アルミでボックスを作製している。オール・アルミだ。そして内部には同店だけのスペシャルパーツを敷いてある。これは、ボックス内での定在波発生を抑制するための部材。内部で周波数特性の乱れが出れば、外に放出される音にも同様の乱れが出る。ボックス内部の特性をコントロールすることは、非常に重要なテーマなのである。

このように細部にこだわった取り付けを施した後、サウンドチューニングにおいても緻密に追い込む。物理的にも機械的にもノウハウがフル注入され、クラウン ハイブリッドの音は完成されているのだ。



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タイからやってきたハイエンドブランド『ハーモテック』の3ウェイコンポーネントスピーカーを採用。ツイーターはソフトドーム(シルクドーム)、ミッドレンジとミッドウーファーの振動板は、特許コーティングが施されたファイバーグラスコーンだ。

勝負に徹し、かつHi-Fiに徹し、徹底的に音が磨き込まれているこのクラウン ハイブリッド。

お近くの方は時間を作ってサウンドウェーブまで足を運んでみてほしい。また、イベントでこのクルマを見かけることがあれば、コンペの審査前を除き、ぜひとも試聴してみてほしい。百聞は一見にしかず。貴方の耳でこの至極のサウンドを、要体験!

《太田祥三》
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