カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #78: DAIHATSU・TanTo CUSTOM(オーナー・和田 咲子さん)by Garage A 後編 | Push on! Mycar-life

カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #78: DAIHATSU・TanTo CUSTOM(オーナー・和田 咲子さん)by Garage A 後編

先週に引き続き、群馬県の実力ショップ・Garage A製作のタントカスタムをご紹介していく。今週は、オーディオシステムとフロントのカスタムの詳細をお伝えする。それぞれにはどのようなコダワリが込められているのか…。今週も見どころテンコ盛りでお届け♪

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カスタム・オーディオマシン Special Feature !!


先週に引き続き、群馬県の実力ショップ・Garage A製作のタントカスタムをご紹介していく。今週は、オーディオシステムとフロントのカスタムの詳細をお伝えする。それぞれにはどのようなコダワリが込められているのか…。今週も見どころテンコ盛りでお届け♪


室内 & 外向きのWシステムを緻密に構築!
できることすべてが盛り込まれたパーフェクトマシン!

早速、システムレイアウトの詳細をご紹介していこう。まずは室内のシステムから。

ヘッドユニットは、カロッツェリア・サイバーナビと、iPod touchのWヘッド仕様だ。普段聴きにおいてはiPod touchがメインのヘッドユニットだ。ナビは、CDで審査されるサウンドコンペ出場時に活躍する。また、両機とも映像出力機としてもそれぞれ独自の役割を果たす。ナビはDVD & 地デジの映像出力を受け持ち、iPod touchはYouTubeなどアプリの映像出力を担当する(iPod touchの映像を取り入れるためには、デジタル出力されたHDMI信号を2分配し、ナビにはHDMIで接続、もう一方をオーディオテクニカのデジタルトランスポート・AT-DL5HDに接続しアナログ変換してからモニターに繋ぐ、という仕掛けを盛り込んでいる)。



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コクピットのカスタムはストック調に仕上げられている。とは言っても、それはあくまでも“純正を思わせる”という意味であり、純正とは各所がガラリと作り変えられている。カラーはリアセクションと同様に、パープル & ブラックで統一。

それ以外の使用ユニットは以下のとおり。プロセッサーはロックフォード・3SIXTY.3。パワーアンプにはグラウンドゼロ・GZPA Reference 4XSと、サブウーファー用としてロックフォード・T1500-1bdCPを採用。スピーカー群はすべてグラウンドゼロ。ツイーターがGZPT 28SX、ミッドウーファーがGZPK 16SQ、サブウーファーがGZHW 30X×2発。

外向きシステムは以下のようなシステムレイアウト。ヘッドユニットがiPad。こちらにもオーディオテクニカのデジタルトランスポート(AT-DL3i)が用意されていて、それを介して3SIXTY.3にデジタルで信号が伝送される。パワーアンプは、ロックフォード・T600-2。そして外向き用スピーカーのツイーターが、グラウンドゼロ・GZCM 8-4PPX、ミッドウーファーが同・GZCT 3500X-S、という内訳だ。



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完成形はあくまで自然だが、内部の状況を左右でイコールコンディションにするという困難を乗り越えた上でのこの完成度。ちなみに、各種ロゴが入れられた化粧プレートには、パワーアンプの“銅色”のボディとイメージを合わせるために、そのカラーと近いヘアライン調の“メタリックミラー”シートが使用されている。

かくしてこのタントカスタム、3SIXTY.3の1台に対して2系統のオーディオシステムが組まれているのだが、ここに1つ、ガレージAならではのひと工夫が。なんと、2つのシステムの切り換え & アンプの電源オン/オフを、“連動”で行えるようにしてあるのだ。

どのように実現しているかと言うと…。実を言うと、フロント用のデジタルトランスポート・AT-DL5HDからのデジタル出力は、3SIXTY.3に送られる前に一旦、外向き用のデジタルトランスポート・AT-DL3iのデジタル入力に接続されている。

AT-DL3iには、マイナス信号で入力を切り替えできるという機構が備わっている。この機構を利用し、リレー機を配線して外向き用アンプの電源オン/オフと連動して、フロントシステム用のiPod touchと外向き用のiPadを切り替える、という仕組みなのだ。

また、外向き用にあえてAT-DL3iをチョイスしたのにも“ワケ”がある。AT-DL3iに別売りのリモコンアイを追加することで、デバイス側(iPad)のボリュームコントロールが使えるようになるのだ。こうすることで外向きの音量調整がトランク側で可能になる。

システムが複雑になるほどに、それをシステマチックに運用したくなるのは、ガレージAの“性”。このクルマにもそれが反映された格好だ。



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センタークラスターには大きく手を加えて、10.2型の4分割モニターをin!(しかし仕上がりはあくまで自然!)。ナビは、視認性が高い位置に入れたいと考え、この場所(ステアリングの奥側)に入れられている。iPod touchも操作のしやすい場所にセット。ピラーはパープルのスエードでフィニッシュ。ステアリングの下側には電圧を管理する為のメーターを収めている。そしてなんと、天井には“桜吹雪”のエアブラシが!

さて次は、フロントの音作りについて解説していこう。

フロントシステムにおいてのオーディオのテーマは、とにもかくにもHi-Fiの追求だ。こだわりのポイントは2点。

1点目はツイーターの取り付け位置。耳の高さに合わせて高い位置に装着したいと考え、さらに、奥まった場所に付けたいとも考えた。そうすることで、音像の高さ、そしてステージに広がり & 奥行きが得られるからだ。

実は…。それらを実現するために、このタントカスタムがベース車として選ばれている。つまり、クルマを選ぶところからHi-Fiの追求がスタートされていたのである。

ちなみに言うと、タントカスタムの助手席側にはBピラーがない。ドアをオープンすると、室内を広々と魅せられギャラリーアピール時に有利に働く。この点もタントカスタムがベース車に選ばれた一因となっている。

ところが…。

構造的な部分で有利な要因が多いタントカスタムなのだが、実は1点だけ、大きな問題点があった。それは助手席側と運転席側で、ドア内部の形状が大きく異なっていること。これはオーディオ的には大問題なのだ。“左右で同じスピーカーを使う”のは、ステレオ再生における基本中の基本、絶対的なセオリーだ。しかし、ドアの内部構造が違ったままスピーカーを取り付けたら、左右で違う箱のスピーカーを使っているのも同然となってしまう。

しかしオーナーとガレージAはそのことも承知してタントカスタムをベース車に選定。左右ドアの内部構造を限界まで同じにする加工が必要となるが、それについては潔しと受け入れ、その他の部分での利点の大きさを尊重したのだ。それもこれも、“究極の1台”を作り上げるための心意気なのである。というわけで、左右のドア内部を徹底的にイコールコンディションに作り替えてあることが、Hi-Fi追求のための2点目のコダワリなのである。

いかがだったろうか。Hi-Fiにおいても、外向きシステムにおいても、システムレイアウトにも、システム制御にも、そしてカスタムにも、すべてにおいて妥協なく、“できることはやり切って”完成されているこのタントカスタム。まさに“胸熱”な1台なのだ。

多くのイベントに出場するであろうこのクルマ。イベント会場で出会ったら、その詳細をご自身の目でじっくりと確かめよう。その“熱さ”から、大いに刺激を受けるベシ!

《太田祥三》
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