【THE INSIDE】高校野球、秋季東京都大会が始まった…課題は山積み | Push on! Mycar-life

【THE INSIDE】高校野球、秋季東京都大会が始まった…課題は山積み

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市営立川球場はファウルグラウンドも広いのでノッカーも打ち甲斐がある
  • 市営立川球場はファウルグラウンドも広いのでノッカーも打ち甲斐がある
  • ローカル球場だが、東京都には意外と少ない
  • 市立立川球場での試合(昭和vs武蔵丘)
  • グラウンド整備は再起の人たちと高野連役員との共同作業
  • 東京郊外、多摩一本杉球場
  • 試合前のシートノック(専修大附)
  • 試合前のシートノック(清瀬)
  • 高校野球は朝が早い
雨で全会場の足並みはそろわなかったものの、10月8日から来春の選抜高等学校野球大会(センバツ)の選考に影響を与える秋季東京都大会が始まった。

周知のように、春のセンバツは夏の選手権のようにトーナメントの勝ち上がりで代表が決まっていくシステムとは異なる。

各都道府県の高等学校野球連盟(高野連)から推薦を受けている学校から、選考委員がそれぞれの地域的なことも考慮しながら代表校を選んでいく。その原点は、招待試合というところにもある。

とはいえ、選考されるのは秋季地区大会で上位に進出している学校がほとんどだ。明治神宮大会にも出場する北海道、東北、関東、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州の各地区大会の優勝校と、東京都大会の優勝校は実質センバツ出場確定といっていいだろう。

高校野球は朝が早い
ここで注目されるのが東京都大会である。春季大会では、東京都大会の上位2校がその後の関東大会に東京都代表として出場しているが、センバツのかかる秋季大会は単独大会で完結しているということだ。

これは首都で人口の多い東京都からは毎年代表校を出場させたいという主催者側の意向があることは否定できない。また、その恩恵にあずかりながらも東京代表は、実績を上げてきている。

1957(昭和32)年の早稲田実業の優勝に始まり、1962年の日大三、1969年の堀越と準優勝が相次ぐ。1971年と1972年は日大三、日大桜丘が連続優勝を果たしている。1972年は日大桜丘と日大三とで史上初の東京勢決勝を戦った。1960~1970年代は春は東京代表が強いと言われていた。

【次ページ 東京都の高校野球が抱える大きな問題】

こうした勢いは1980年代にも引き継がれていく。1980年に帝京が準優勝、2年後の1982年は二松学舎がそれぞれ準優勝を果たす。さらに1984年は岩倉が全盛期を誇ったPL学園を下して初出場初優勝。翌年も帝京が準優勝し、1987年は関東一が準優勝。1992年も帝京が決勝で東海大相模との首都圏決戦を制して二度目の優勝を果たしている。準優勝で言えば、2010(平成22)年にも日大三が果たしている。

こうして、東京都代表は単独選出されるだけの実績は挙げてきた。しかし、100校以上の加盟校がある神奈川県や千葉県、埼玉県勢からは、秋季大会も東京勢は関東大会で対等の場で戦ってしいという思いもある。とはいえ、それは日程的にもかなりハードなことになりそうだ。こうしてみると、東京都が単独で代表校を送り出していかれるというシステムにも納得がいく。

グラウンド整備は再起の人たちと高野連役員との共同作業
ただ、東京都の高校野球が抱える大きな問題としては、大会会場の球場確保ということがある。東京都は施設に恵まれているという印象もあるが、高校野球に限って言えば決してそうではない。

明治神宮外苑球場は東京六大学野球や東都大学野球の兼ね合いでほぼ使用できない。また、大田スタジアムや昭島球場も他の大学野球や社会人野球で日程が詰まっている。今年は府中市民球場も使えない。ただでさえ硬式可能な球場が多くない上に、さまざま大学のリーグ戦や大会が重なっており、実は飽和状態なのである。

【次ページ 早稲田実業の試合は大きな球場にしたい】

そんな中で週末を中心として日程をやりくりしていくのは、それはそれで大変だ。今年のように週末に雨で試合中止となると、予備の会場手配がまた一苦労になる。

それに、これまで東京都大会の春秋のメイン会場として使用してきた神宮第二球場は、老朽化の問題も出てきている。しかも、2020年の東京オリンピックに伴う改修工事などで、やがて使用不可になる可能性も高い。神宮球場も改修となれば、その間の会場をどうするのかも大きなテーマとなる。

さらに早稲田実業に清宮幸太郎選手がいることで、いやがうえにも注目度が上がってきている。都高野連としては混乱と事故防止のために、早稲田実業の試合は極力キャパシティーの大きな球場にしたいと配慮している。高校野球の運営には、つねに本音と建て前が入り乱れていくことも多い。

東京郊外、多摩一本杉球場
監督や理事を務めている現場の教員の本音を聞き出しながら、どのような運営をしていくのがいいのか試行錯誤しているようだ。それでも、毎年訪れる大会を楽しみにしている多くの高校野球ファンがいる。選手たちの戦いを見守りたい保護者たちもいる。こうした周囲の人々がいて高校野球の繁栄もあるのだから、そんな人たちへの配慮も欠かせないことだ。

さまざまな問題を山積みにしながらも、この秋も東京都の高校野球が始まった。今年から本大会の出場枠が広がり、64校でのトーナメントとなった。これも運営上は、また新たな問題も生み出しているかもしれない。

しかし、秋はすべてがノーシードという中で、トーナメントの原則としてすべての試合数を平等にしていくことで、32の倍数の64校というところに落ち着いたと聞いている。

いずれにしても、全63試合がスムーズに運営され、好試合が続くことを期待してやまない。
《手束仁》

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