【THE SPIKE】2016年プロ野球、若きスターたちが刻む5つの「史上初」 | Push on! Mycar-life

【THE SPIKE】2016年プロ野球、若きスターたちが刻む5つの「史上初」

2016年、プロ野球のペナントレースは残り20試合を切り、大詰めを迎えている(9月4日終了時点。以降の数字も同様)。今季も若きスターたちの躍動により、“プロ野球史上初”を冠とした偉大な記録がいくつか生まれそうだ。

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ヤクルトスワローズの山田哲人内野手(2016年6月25日)
  • ヤクルトスワローズの山田哲人内野手(2016年6月25日)
  • 山田哲人 参考画像(2015年11月21日)
  • 筒香嘉智 参考画像(2015年11月21日)
  • 筒香嘉智 参考画像(2015年11月19日)
  • 坂本勇人 参考画像(2015年11月8日)
  • 大谷翔平 参考画像(2015年3月21日)
  • 横浜DeNAベイスターズの山崎康晃投手 参考画像

2016年、プロ野球のペナントレースは残り20試合を切り、大詰めを迎えている(9月4日終了時点。以降の数字も同様)。今季も若きスターたちの躍動により、“プロ野球史上初”を冠とした偉大な記録がいくつか生まれそうだ。

現時点ですでに達成されている記録も含めて、5つの記録をクローズアップする。

■前人未踏の2年連続トリプルスリー…山田哲人

最も注目されている記録が、ヤクルト・山田哲人の2年連続トリプルスリーだろう。117試合を消化した時点で打率.323、本塁打33、盗塁29を記録しており、残り試合数は16。本塁打はすでに達成しており、盗塁もあとひとつ。打率は懸念点でもあるが、よほどのスランプに陥らない限りクリアできそうだ。

7月30日の巨人戦で背中に受けた死球の影響により、8月10日に出場選手登録を抹消されていたが10試合後には復帰。以降、盗塁が29となった時点で足踏みしている感は否めないが、「一番得意なのは盗塁」と公言する山田。成功率も高く、今季31回の盗塁を試みて失敗はわずか2回だけ。記録達成が期待される。

■史上初、月間6度のマルチ本塁打…筒香嘉智

昨シーズン好成績を記録し、昨秋のプレミア12では侍ジャパンの4番も務めたDeNAの若き大砲・筒香嘉智。プレミア12終了直後、ドミニカのウインターリーグに参加するなど武者修行を敢行し、今季のさらなる飛躍が期待されていたが、期待に違わぬ成績を残している。

特筆すべきは、プロ野球史上初となる月間6度のマルチ本塁打(1試合2本塁打)の達成だ。7月9日のヤクルト戦からは3試合連続でマルチ本塁打を放っており、こちらは史上初の快挙。また、現在38本塁打を放ち、2位の山田に5本差をつけて本塁打王争いのトップに立っている。もし本塁打王となれば、横浜の左打者として史上初のタイトルともなる。
■セ・リーグ初、遊撃手の首位打者を狙う…坂本勇人

巨人の坂本勇人がハイアベレージを維持している。現在、打率.347。2位の広島・鈴木誠也が.336と猛追しているが、以前として安定した調子を見せている。プロ入り過去9年間で打率3割以上を打ったのが2回。最も高打率を残したのは2012年の.311であることを考えれば、飛躍的な向上といえる。

過去には、一度調子を落とすと長いスランプに陥る傾向が見られたが、それも今年はほとんど見られない。本塁打も現在20本と、2010年以来の20本に乗せた。

2リーグ制移行、パ・リーグでは1956年に豊田泰光(西鉄)、2010年には西岡剛(ロッテ)が遊撃手として首位打者を獲得しているが、セ・リーグの遊撃手がこれまでに首位打者を獲得したことはない。今季はセ・リーグ初となる遊撃手の首位打者が誕生するかもしれない。

【次ページ 日本ハム・大谷翔平、DeNA・山崎康晃】

■史上初、投手で先発し初回先頭打者ホームラン…大谷翔平

昨季は勝利数、防御率、勝率の3部門でリーグトップとなり、投手として三冠に輝いた日本ハムの大谷翔平。今季も8勝4敗、防御率2.02と好成績を残しながら、打者としての数字の伸びが歴然だ。

それだけ多くの打席に立っているということもあるが、326打席(274打数)で89安打を記録し、打率.325。打席数が少ないながらも20本塁打を記録し、56打点を挙げている。これまでは2014年に放った58安打、10本塁打が最高だった。

7月3日のソフトバンク戦では、1番・投手で先発。プロ野球史上初の偉業となる、投手としての初回先頭打者本塁打を放った。今季、ここまでは二刀流としての本当の意味での進化を見せつける形となっている。
■新人から2年連続20セーブは史上初…山崎康晃

昨季37セーブを挙げ、新人のセーブ記録を塗り替えたDeNAの山崎康晃。「小さな大魔神」と称され、2年目を迎えた今シーズン。途中、救援にことごとく失敗する挫折を味わったものの、アレックス・ラミレス監督をはじめとしたチームからの揺るぎない信頼が、再び山崎を奮い立たせた。

現在、チームがクライマックスシリーズ出場圏内の3位に位置。4位ヤクルトとは2ゲーム差で争いを繰り広げるなか、この男の存在は絶対不可欠だ。現在、28セーブ。残り16試合のため、本人が掲げる目標「40セーブ」は難しい状況と言わざるを得ないが、2年連続30セーブの可能性は高い。ちなみに元祖・大魔神の佐々木主浩は、1年目は主に先発で起用されていたため、セーブ数は2。2年目に配置転換し、17セーブを記録している。

■逸材がひしめく若き世代

長いプロ野球の歴史を塗り替える若きスターたちの台頭。下の世代に目を向ければ、侍ジャパンU-18は9月4日に「第11回BFA U-18アジア選手権」で優勝を飾った。“高校BIG3”と呼ばれる寺島成輝(履正社)、藤平尚真(横浜)、高橋昂也(花咲徳栄)の3投手の他、今夏の甲子園で優勝投手となり、台湾との決勝戦で先発し好投した今井達也(作新学院)、同試合で完璧なリリーフを見せた堀瑞輝(広島新庄)ら逸材がひしめいている。

また、今秋のドラフト最大の目玉とされている創価大の右腕・田中正義からも目が離せない。9月3日の秋季リーグ戦前最後の実戦登板に8球団のスカウトが集まった。

新たなる世代の台頭、プロ野球の歴史を塗り替えていく活躍に今後も期待したい。

《浜田哲男》
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