【シネマモード】映画『キャロル』が誘う…“大人の世界”を堪能 | Push on! Mycar-life

【シネマモード】映画『キャロル』が誘う…“大人の世界”を堪能

先生、先輩、友達、恋人…。自分の近くにいる年上の女性は、知らなかった世界にいざなってくれる存在でもあります。自分だけでは一段も登ることができない大人へ…

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『キャロル』(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014  ALL RIGHTS RESERVED
  • 『キャロル』(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014  ALL RIGHTS RESERVED
  • 『キャロル』(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014  ALL RIGHTS RESERVED
  • 『キャロル』×ウェスティンホテル東京(ディナーコース)
  • 『キャロル』×ウェスティンホテル東京(カクテル)
  • 『キャロル』×ウェスティンホテル東京(ステイプラン)
  • 『キャロル』(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014  ALL RIGHTS RESERVED
  • 『キャロル』(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014  ALL RIGHTS RESERVED
  • 『キャロル』(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014  ALL RIGHTS RESERVED

先生、先輩、友達、恋人…。自分の近くにいる年上の女性は、知らなかった世界にいざなってくれる存在でもあります。自分だけでは一段も登ることができない大人への階段も、憧れや尊敬の念を抱くその人が手をとってくれれば、登りやすいから。

テレーズにとってのキャロルは、まさにそんな年上の存在でした。百貨店で働く、地味で大人しいテレーズの心に、キャロルはいとも簡単に入り込んできます。クリスマスも近いある日、テレーズが担当するおもちゃ売り場に、金髪の巻き毛を美しくまとめ、髪の色とマッチした上品な毛皮をまとい、完璧な姿で店に現れた彼女に、瞬時にテレーズの目は釘付けになりました。自分を見つめる視線に気づいたかのように、近づいてくるその女性こそキャロル。子どもへのプレゼントを買った彼女はさっそうと帰っていきますが、後には手袋が残されていました。そして、贈り物の配送先だと渡された自宅住所に、テレーズが手袋を送ったことから、二人は急接近するのです。

裕福な家庭に嫁いだ人妻であり、母であるキャロルは、振る舞いもファッションも超一流。そんな彼女に、まだまだ初々しいテレーズが憧れるのも頷けます。彼女の周囲にいた大人は、いじわるな先輩店員や、結婚をせかすちょっと自分勝手な婚約者。映画では特に描かれていませんが、テレーズは天真爛漫というわけではなく、もしかしたらこれまで人間関係に恵まれていなかったのかも、とも思わせる節があるのです。そんな彼女の前に突然現れたキャロルは、きっといままでに出会ったこともない、憧れることのできる大人だったのでしょう。とまどいの表情を見せながらも自分についてくるテレーズに、優雅で余裕のある笑みを浮かべ、「大人の世界ではこうふるまうのよ」とでも言うように自ら手本を見せるキャロル。手袋のお礼にとランチを共にしたレストランでは、「ポーチドエッグとスピナッチ。それとドライマティーニね」と大人の女らしいオーダーを。テレーズも、「私も同じものを」と注文。これで、テレーズはドライマティーニの味を覚えたのかもしれません。こんな風にして、キャロルはテレーズに新しい世界への扉を開き、ごく自然に年下の女に影響を与えていくのです。

二人は互いに友情以上の感情を抱くわけですが、もしかすると年上の女性に憧れる気持ちは、恋心に近いものなのかもしれません。一緒にいるとどきどきしながら、彼女のすることを真似し、自分なりの方法を見つけ、大人に近づいていく。キャロルとテレーズのように恋愛に発展はしなくても、良い恋愛相手と同様に、年上の同性は成長のための良い刺激となってくれるのです。

テレーズが誘われたキャロルの住む大人の世界。ちょっと覗いてみたい方に、ぴったりの場所が東京にあります。ウェスティンホテル東京では、映画からインスピレーションを受け、その世界観を様々な形で表現しているのです。実は、『キャロル』とウェスティンの繋がりは密接。実は映画が、ニューヨークのウェスティンで撮影されているのです。そんな縁もあり今回のコラボレーションが実現したそう。

「美しさ・優雅さ・気高さ」をコンセプトにしたステイプランも気になりますが、イチオシは野菜を使ったお料理に定評のあるフレンチレストラン「ビクターズ」での『キャロル』ディナーコース(1,2000円)。映画を5~6回は観たというシェフが、ひと皿ごとに二人の物語を追っていくフルコースを考案。「ふたりの出逢い」と題されたアミューズ・ブーシュにはじまり、テレーズからキャロルへの「美しき憧れ」を表現したスモークサーモン サラダ仕立て、「止められぬ想い」として2つの違った調理法で2人の女性の想いを表現したイトヨリ鯛など、フルコース全6種は美味しいのはもちろんのこと、重すぎず軽すぎず、女性でも最後のひと口まで楽しめる適度なボリュームも嬉しい限り。さらには、ひと口ごとに、『キャロル』の美しき世界を追体験できるので、映画の世界観が気に入った人にぴったりなのです。

さらに、お隣のバー「コンパスローズ」、1階の「ザ・バー」では、二人をイメージしたカクテルも。ジンベースながら、ハイビスカスティー、クレーム・ド・フランボワーズなどを使ったアルコール低めで初々しい味わいのスイートな「テレーズ」、“完全なる愛”と呼ばれるスミレの香りのリキュール、パルフェタムールを使いビター感と華やかさを持つ大人味の「キャロル」(各1,250円)で、二人の恋に思いを馳せるのもきっと楽しい! できれば、映画を観た後に、カクテルやディナーをいただきながら、映画の感想を交わして思い切り盛り上がりたいもの。お料理をきっかけに、映画談議に華が咲くこと間違いなしです。

もし、憧れの女性、それも映画好きの先輩がいるなら、一緒にいかがですかと映画&ディナーに誘ってみるのもおすすめ。映画が進むにつれてテレーズが見せる美しい脱皮は、キャロルあってこそ。憧れの先輩が素敵な理由を探ってみれば、魅力的な大人の女になるためのヒントが見つかるかもしれませんよ。

《text:June Makiguchi》
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