京急グループの京急油壺マリンパークで11月29日より、「子どものダイオウイカ」の一般公開が行われる。過去世界での報告例がわずか3件しかない貴重な個体のアクリル包埋標本を間近で見ることができるほか、一般公開を記念した特別公演も行われる。
展示される子どものダイオウイカは、5月6日に神奈川県横須賀市の大津漁港にて漁業関係者が水面に浮いているところを発見し、捕獲したもの。長い触腕やヒレの形状など特徴はダイオウイカに類似するものの全長1.2メートルほどと発見例のない小型の個体のため、京急油壺マリンパークの飼育員の確認でも種の同定ができなかったという。
その後個体は死亡したものの京急油壺マリンパークに寄贈され、冷凍保存ののち国立科学博物館・筑波研究施設において調査を実施。結果、生後1年未満で人間で例えると小学生くらいの「子どものダイオウイカ」であることが判明したという。ダイオウイカの子どもが見つかることは世界的にも非常に稀で、2013年に初めて鹿児島県沖で発見されて以降過去の報告例はわずか3件しかなく、今回が4件目になるという。
京急油壺マリンパークでは、貴重な子どものダイオウイカの個体を透明なアクリル樹脂に封入するアクリル包埋標本として11月29日より展示するとともに、搬入された経緯や計測結果などの資料を写真を交えて公開する。また、11月29日当日には、国立科学博物館・水産学博士の窪寺恒己氏による特別記念講演「ダイオウイカの子どもたち」も開催される。