【シネマ羅針盤】ついに完結『ハンガー・ゲーム』現象がもたらした“革命”とは? | Push on! Mycar-life

【シネマ羅針盤】ついに完結『ハンガー・ゲーム』現象がもたらした“革命”とは?

全世界興収が23億ドルを突破する人気シリーズの完結編『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』が公開中だ。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した『ハンガー・ゲーム』現象が映画業界にもたらした“革命”とは?

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『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』TM&(C)2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.
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  • 『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』TM&(C)2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』(C)2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.

全世界興収が23億ドルを突破する人気シリーズの完結編『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』が公開中だ。スーザン・コリンズのベストセラー小説を全4部作で映画化した『ハンガー・ゲーム』現象が映画業界にもたらした“革命”とは?

独裁国家が支配する近未来を舞台に、妹の身代わりにハンガー・ゲームと呼ばれる若者同士の死闘に身を投じた主人公・カットニスが、やがて反乱軍のシンボルとして立ち上がる姿を描く本シリーズ。原作は2008年に発表されており、いわゆるYA(ヤングアダルト)文学のジャンルに位置付けられている。『トワイライト』シリーズの成功を機に、ハリウッドはこぞってYA文学を映画化したが、いまやその代表格は『ハンガー・ゲーム』となった。

世界各国で旋風を巻き起こした最大の要因は、主演を務めるジェニファー・ローレンスの存在にほかならない。当初は「原作に比べて、年齢が高すぎる」という声もあったと聞くが、持ち前の優れた演技力を武器に、傷つきながらも自らの生き方を模索し、愛する者のために奮闘する複雑な内面を表現。男社会であるハリウッドが生み出す都合のいい“戦うヒロイン”像を一蹴し、若者が自己投影できる等身大のキャラクターを誕生させたのだ。

劇中のカットニス同様、ジェニファー本人も男女間のギャラ格差に声を上げるなど、社会的なメッセージを発信し、注目を集めている。オスカー女優であり、2014年には「最も興収を稼いだ俳優」にも輝いた名実ともにトップスター。加えて、SNSの普及という時代の流れも味方し、現在25歳の彼女の影響力は増すばかりだ。音楽業界に目を向けると、同い年のテイラー・スウィフト(もうすぐ26歳)が圧倒的な存在感を放っており、興味深い。

大げさかもしれないが、ジェニファー・ローレンスという女優をいまの地位に押し上げたことこそが『ハンガー・ゲーム』がもたらした革命ではないだろうか。シリーズは完結したが、女優として風穴を開け続ける彼女の戦いは始まったばかり…。そんな視点で『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』を見れば、たとえ前3作を知らなくとも十分に楽しめるはずだ。シリーズを貫く姉妹愛が『アナと雪の女王』に底通している点も現代的。

『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』は全国にて公開中。

《text:Ryo Uchida》
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