2014年、最大級の話題を集めたニューユニット『DIATONE SOUND.NAVI』“NR-MZ90シリーズ”。当特集では、その実力・魅力をより深く探るべく全国の実力ショップに取材し、インプレッションをご紹介している。今回は大阪の人気店、カーオーディオスタジアムの桑野さんにご登場願った。さて、桑野さんの“NR-MZ90PREMI”評や、いかに…。
まずは、“NR-MZ90PREMI”の音の印象についてお聞きした。
「“60”から“80”に進化した時よりも、“90”に進化した今回のほうが、音質性能の向上幅は大きいですね。“60”も“80”も音がいいのは間違いないのですが、まだダイヤトーン的な音だったと思うんです。それに対し“90”はダイヤトーンらしさが影を潜め、より無色・透明な音になっています。原音をそのまま出してくる、というイメージです。よりHi-Fi方向へと進化したと感じています。
DACをはじめとした内部の各パーツ、各回路が進化していることと、そしてやはり新しくなった“電源・スピーカーハーネス”が、相当に効いていますね。以前のモデルを使っている方で、“電源・スピーカーハーネス”だけを新しくされた方が何人もいらっしゃいますが、それだけでぐっと“90”の音に近づきますから。“電源・スピーカーハーネス”の交換は強くおすすめしたいですね」
そして今週も、話題の新機能、“マルチ & パッシブ設定の3ウェイ/L”＝“仮想3ウェイ調整”についても聞いてみた。
「この機能も大きな進化ポイントですよね。思うにこれは、スピーカーの取り付け工賃をあまりかけられない方に対して用意された機能だと捉えています。実際は、アウター化するなど取り付けに手が掛けられているクルマにも大きな効果を発揮しますが、メーカーの狙いとしては、そこまで手が掛けられない場合でもより高音質が得られるように、というコンセプトだと思うんです。インナーで取り付ける等、インストール費用が掛けられない場合でも、“NR-MZ90PREMI”の力でもう1段上の音に仕上げることができる、ということなんですね。
特に、ツイーターとミッドウーファーの取り付け位置が離れているクルマで効果を発揮します。つながりが良くなります。
ただ、使いこなすのは簡単ではないですね。タイムアライメントをかけるために、ミッドウーファー帯域を分割するのですが、通常のクロスオーバーには“スロープ”という概念がありますよね。しかしここではそれは存在しません。上か下か、真っ二つに分割してそれぞれを個別に取り扱おうとするものなんですね。なので、失敗すると変な凹凸が出てしまいます。スムーズさがなくなってしまうんですよ。丁寧に運用すべき機能ですね」
最後に総括していただいた。
「これまでに当店で『DIATONE SOUND.NAVI』を取り付けたお客様のほとんどが、カーオーディオに初挑戦される方でした。そして皆さん、スピーカー交換も一緒にされていきました。つまり『DIATONE SOUND.NAVI』は、カーオーディオ・ファンの拡大に多大な貢献をしてくれているんです。
そして、そういった方々の期待に十二分に応えてくれています。その証拠に、装着した半分以上の方々が、さらなるシステムアップにも取り組んでくださっています。最初の感動が大きければ大きいほど、もっとやったらどうなるんだろう、という気持ちになるものですよね。そう思わせてくれるユニットなんです。そして手を掛けていけばいくほどに、どんどん良くなっていきます。長く深く楽しめます。『DIATONE SOUND.NAVI』をきっかけに、カーオーディオの楽しさを存分に味わっていただきたいですね」
さて、桑野さんのお話のポイントは以下だ。
『“90”になりよりHi-Fi方向に音が進化した。“電源・スピーカーハーネス”の効果も高く、以前のモデルの方には、ハーネス交換がおすすめ。ライトなシステムでも高音質を楽しめ、発展させていっても手応え十二分なユニット』、ということなる。
いい音に興味はあるけれど、カーオーディオは難しそうだ…、と思っている貴方は、『DIATONE SOUND.NAVI』を、ぜひ。期待を裏切ることはないはずだ。
