年末やお正月は、家族そろって遊ぶ絶好の機会。そこで今回はボードゲーム専門店の「すごろくや」に、子どもから大人、祖父母まで3世代で楽しめるボードゲームやカードゲームを聞いてみた。「すごろくや」オーナーの丸田康司氏のオススメポイントも紹介する。また、最後には楽しくゲームを遊ぶコツも聞いた。
2人から遊べるお手軽ゲーム
「イチゴリラ」すごろくや
対象:3才~大人
人数:2~6人用
価格:1,500円(税込)
1枚から最大5枚までの同じ絵のカードをそろえるメモリーゲーム。「ゴリラ」と「ゴクウ」といった名前も絵もそっくりなカードが混ざっているため、そろったかと思うと違っているもどかしさがクセになる。パッケージも小さいので、旅行などに持っていきやすい。
「キャプテン・リノ」HABA
対象:5才~大人
人数:2~5人用
価格:1,720円(税込)
トランプサイズの折り曲げたカードと床のカードを交互に積んで、ビルを高く築いていくゲーム。積んでいる途中でビルを崩してしまった人が負け。カードだけでなく、“リノ”というコマを床に置く要素もあり、いつ崩れるかの緊張感が楽しめる。
「ファイアドラゴン」HABA
対象:5才~大人
人数:2~4人用
価格:5,940円(税込)
竜使いとして火山の周囲のマス目を飛び回りながら、火口の噴火で飛び散るルビーを集めていくゲーム。2個のサイコロを振り、1個の出目では自分のドラゴンを進めつつ、2個目の出目の数だけルビーを火口に入れていく。火山が噴火すると、溜まったルビーが周囲に落ちるので、ルビーが落ちたマスを狙って移動し、たくさんのルビーを集めた人が勝利となる。
「カルカソンヌ」ハンス・イム・グリュック
対象:6才~大人
人数:2~5人用
価格:3,200円(税込)
地形タイルを1枚ずつつ置いていき、都市や道路などを作っていく。タイル上に自分の駒を置き、完成した道や都市によって点数が獲得できる。タイルの置き方を考え、自分の駒を置いた施設をより大きくしていく一方で、ライバルの施設を邪魔していく。
「おばけ屋敷の宝石ハンター」Mattel
対象:8才~大人
人数:2~4人用
価格:7,400円(税込)
ボードゲームの盛んなドイツで2014年のキッズゲーム大賞を受賞したほか、すごろくやのゲーム大賞にもなった名作。屋敷の中を探索し、増えたり合体したりするおばけを排除しつつ、各部屋に散らばる宝石を集めて脱出する協力型のゲーム。おばけが合体して悪霊になる前に、サイコロバトルで除去していかなければならない。プレイヤーがいかに協力して動くかがカギとなる。
◆大人数でワイワイ楽しむならこの3本
「犯人は踊る」すごろくや
対象:8才~大人
人数:3~8人用
価格:1,290円(税込)
探偵や犯人、うわさ、情報操作といったカードをそれぞれ手札にもち、たった1枚の犯人カードを持っている人を当てる推理カードゲーム。犯人カードは「取り引き」や「情報交換」カードなどでほかの人にどんどん渡っていくため、なかなか犯人を捜すのが難しい。犯人が最後まで逃げ切ったら、犯人の勝利になる。
「ディクシット」Libellud
対象:8才~大人
人数:3~6人用
価格:4,860円(税込)
さまざまな不思議な情景が描かれたカードを見て、語り部役の人が連想した言葉の元になっているカードを推理していく。語り部は自分の手札から1枚選び、そのカードからイメージする言葉を全員に伝える。語り部以外の人は、それぞれ手札からその言葉に近いカードを選び、全部のカードを混ぜてどれが元のカードだった当てていく。当たった人は、自分の「うさぎコマ」を進めていき、いちばんウサギが進んだ人の勝ちとなる。
「インカの黄金」Gryphon Games
対象:8才~大人
人数:3~8人用
価格:2,590円(税込)
神殿遺跡の中を探検し、その先にある財宝を集めていくゲーム。行く手には、毒ヘビや落石などの危険カードもあり、危険にあうと集めた財宝をすべてなくしてしまうため、進むべきか、脱出すべきかの判断が迫られる。ハラハラドキドキの緊張感が楽しい。
◆おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に楽しめる
「ハゲタカのえじき」kodkod
対象:8才~大人
人数:2~6人用
価格:1,500円
プレイヤー全員が自分の手札から数のかいてあるカードを出し合い、一番大きい数字の人が「獲物カード」を獲得し、高得点を目指していく。獲物カードがなくなった際に、合計点がもっとも高い人が勝利となる。
「ベストフレンドS」すごろくや
対象:7才~大人
人数:4~6人用(増員可)
価格:4,860円(税込)
毎回1人が出題者となり、「出題者が一番だと思う、無人島に持っていきたいもの」などのお題について、全員が回答するゲーム。ポイントは、「出題者に一番喜んでもらえる」こたえを考えること。お題は、子ども用から大人用まで全100問用意されている。別売の専用筆記ツール(1組700円)を購入すれば、何人でもプレイ可能。
以上、すごろくやオススメの10本だが、今回はさらにゲームを遊ぶうえでの注意点も聞いてみた。
(1)口出しをしない
「ボードゲームは、正解をもとめて遊んでいるのではありません。自発的にこうするんだ と気付くのが、子どもにとって一番です。もしゲーム中の状況判断が自発的にどうしてもできないと感じたら、まだそのゲームは子どもには早いということだと思います。」
(2)説明書をみんなで確認しよう
「説明書をきちんと読まず思い込みでゲームを始めてしまうと、ゲームがわからず、どうしていいかわからなくなってしまうことが多々あります。ただし、ゲームの説明は親が全部背負い込むのも大変です。ルールの把握からゲームだと思って、最初に全員で確認し、わからないルールはみんなの力で解決していきましょう。」
(3)最初は短いゲームを繰り返してゲームに慣れよう
「子どもはゲームに負けると、『自分はダメなんだ』と激しく落ち込んだり、かんしゃくを起こしたりしてしまう場合があります。そういった場合は、まず短いゲームを繰り返して遊んでみましょう。負けたり勝ったりする体験をたくさん蓄積することで、ゲーム遊びで負けることは自分が否定されているわけではないと思えるようになります。『イチゴリラ』や『キャプテン・リノ』『ハゲタカのえじき』などは比較的短時間で遊べるゲームです。また、『カルカソンヌ』は親が子どもに口出しをしても、嫌がられないゲームのひとつです。」
「ボードゲームには、国語や算数など学校での5科目以上の要素が詰まっています。仕事や家事で忙しい合間でも、ぜひ家族で遊ぶ時間をつくって遊んでみてください。」(すごろくやオーナー、丸田氏)。この冬休みは、ぜひ家族や友達と一緒に、ボードゲームを楽しんでみてほしい。
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◆ボードゲーム店「すごろくや」
東京・高円寺駅前にあるボードゲームやカードゲームの専門店。ドイツをはじめとした海外や、日本国内の優れたボードゲームが多数そろう。店内では、ゲームの体験ができるほか、スタッフがオススメのゲームを詳しく解説してくれる。すごろくやWebサイトでのネット通信販売も行っており、今回紹介したゲームもすべて購入可能。在庫は店舗、またはWebサイトで確認が必要。
「すごろくや」オーナーの丸田康司氏は、「MOTHER2」をはじめとしたゲーム開発を経て、2006年4月にボードゲームやカードゲーム普及のため、現「すごろくや」を開店。以降は、オリジナルのボードゲームの開発や、ボードゲームに関する書籍も手掛けている。