世界的ミックスエンジニア・Goh Hotoda氏が、愛車のシステムに“FOCAL”をチョイス! セットアップの過程に完全密着! Part.1 フロントスピーカー編 | Push on! Mycar-life

世界的ミックスエンジニア・Goh Hotoda氏が、愛車のシステムに“FOCAL”をチョイス! セットアップの過程に完全密着! Part.1 フロントスピーカー編

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01_Goh Hotoda氏
  • 01_Goh Hotoda氏
  • 02_FOCAL・IS 690TOY
  • 03_FOCAL・IC 165TOY
  • 04_右が純正スピーカー、左が「FOCAL・IS 690TOY」。
  • 05_右が純正スピーカー、左が「IC 165TOY」。
  • 06_スピーカーを装着する前に、アウターパネルに“吸音材”が貼られた。スピーカーの裏側から発せられるエネルギーを受け止めるためだ。
  • 07_FOCAL・IS 690TOY(ミッドウーファー)
  • 08_FOCAL・IS 690TOY(トゥイーター)
全世界での通算セールスが3千万枚を超えているマドンナのベストアルバム、『The Immaculate Collection』を始め、多数の一流アーティストの作品においてミックスエンジニアリングを務めてきた、Goh Hotoda氏。

他では、ジャネット・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストン、シンディ・ローパー、坂本龍一、レベッカ、宇多田ヒカルまで、氏が関わったアーティストは枚挙にいとまがない。世に送り出した作品の総数は5800万枚以上。デヴィッド・サンボーン、チャカ・カーンのグラミー賞受賞アルバムにおいてもミックスを担当している。押しも押されもせぬ、世界のトップ・ミックスエンジニア/プロデューサーの1人である。

そのGoh Hotoda氏が、愛車のTOYOTA・TACOMAへのオーディオのセットアップを検討し、そしてそのブランドとしてフランスの世界的スピーカーメーカー“FOCAL”をチョイスした、というニュースが編集部に飛び込んできたのは2016年の新春早々。さらにはなんと、氏が見守る中で行われるセットアップの過程の密着取材が叶うと言う。

なんたる光栄な話であろうか。音源製作における一流のプロフェッショナルが、カーオーディオに何を求め、カーオーディオ・カスタマイズに何を感じ、そして“FOCAL”の音をどのように評価するのか…。それらを知ることができる貴重な機会を得られたのである。

これから2週にわたり、この模様を、つぶさにリポートしてく。


■「簡単に取り付けられる、カー用の“FOCAL”がある」。これがすべての出発点。

ところで今回、Hotoda氏がカーオーディオをセットアップすることとなったいきさつとは、どのようなものなのであろうか。

「スタジオで仕事をしていると、気分転換にクルマでも確認してみたくなることが往々にしてあるんですね。しかし現状の音では、気分転換になるどころか、こんな音ではない、とむしろストレスに感じることのほうが多いんです(笑)。一番の問題は、音が混濁してしまうことですね。それによりキャンセリングが起こり、あるはずの音が聴こえてこないんですよ。

それで、カー用のスピーカーをあれこれと探していたところ、簡単に取り付けられる“FOCAL”スピーカーがあることを知ったんです。それがどれほどのものなのか非常に興味が沸いて。

“FOCAL”が一流ブランドであることは知っていました。2年間パリに住んでいたことがあり、その当時は仕事場でもそれ以外でも“FOCAL”の音を耳にする機会が多々あって、その実力の高さを実感していました。

実は最近、フランス人アーティストの作品を手掛ける機会が増えているんですね。フランス語の再生に向いたスピーカーが欲しいとも思っていて。それもあって、“FOCAL”という名前にピンと来たんですよ」

Hotoda氏が“FOCAL”を選んだ理由は以上だ。ポイントの1つは、“簡単に取り付けられること”。

ゆえに今回は敢えて、ベーシックグレードのモデルが選ばれている。Hotoda氏が選んだスピーカーとは、“FOCAL”の「車種別専用キット」シリーズ。フロントスピーカーが『IS 690TOY』(税抜価格:4万円)、リアスピーカーが『IC 165TOY』(税抜価格:3万6000円)、である。

果たして、“FOCAL”の「車種別専用キット」シリーズの音は、Hotoda氏の耳に合うのだろうか…。

取り付けは、茨城県の名店、『クァンタム』で行われた。まずは、純正スピーカーを取り外すことから作業がスタートすると…。

取り外したスピーカーを見たHotoda氏が驚愕した。純正スピーカーの磁気回路が、あまりに脆弱だったからだ。写真を参照いただければ一目瞭然だろう。純正スピーカーのマグネットは500円硬貨ほどの直径しかない。対する“FOCAL”スピーカーのマグネットの直径は、その3、4倍はあるだろうか。純正スピーカーに多くを望むべくもないという現実に表情を曇らせたHotoda氏だったが、逆に、“FOCAL”に対する期待感は一層高まったご様子だ。これで音が変わらないはずがない、と。


■Hotoda氏がミックスを手掛けたメガヒットチューンの数々で、“FOCAL”スピーカーが試されていく…。

取り付けは、『クァンタム』の手によってあっという間に終了した。早速Hotoda氏にドライバーズ・シートに乗り込んでいただき、試聴していただくと…。

最初にかけられた曲は、マドンナの『The Immaculate Collection』の1stトラック、「Holiday」。

氏の表情が一気に明るくなった。

「全然違いますね。大きな音で聴いていても、こうして会話ができますよね。音楽がちゃんと鳴っている証拠です。前は、うるさいだけだった。よって会話も成り立たなかったのですが、今は違う」

次々とディスクが入れ替えられ、チェックが進んでいった。次にかけられたトラックは、NOKKOによるレベッカのセルフカヴァーアルバム『NOKKO sings REBECCA tunes 2015』の4曲目、「76th STAR」。ちなみにNOKKOはHotoda氏の愛妻である。

次には、宇多田ヒカルのデビュー作『First Love』から「Automatic」が。引き続いて、今井美樹のベスト盤『Blooming Ivory』のエンディングトラック「PIECE OF MY WISH」がかけられた。もちろんすべて、Hotoda氏のミックスによるナンバーだ。

「実に良い音ですね。各楽器の音がしっかりと分離している。意図したとおりの音色になっています。入れた音が、小さい音までしっかりと存在している。

ただ、スピーカーのパワーが増大した分、ドアパネルが鳴ってしまっていますね…。ちょっと、イコライザーを触らせてください。パネルが鳴っている分、中域がうるさく感じられます。そしてその影響からか、高域が伸びていない。さらには最低域もうるさく感じます」

そうして氏が操作したイコライザーカーブが写真<10>である。まずは中域を減衰させ、次に最低域を下げ、その上を少し上げ、さらには最高域を若干上げるというオペレーションが実行された。

「とはいえ、音は良いですね。さすがは“FOCAL”です。やっとスタートラインに立ちましたね(笑)」

Hotoda氏の表情はあくまでも明るかった。一音楽好きとして、クオリティの向上したサウンドに喜々とされている。同時に、現状のサウンドの欠点も的確に見抜いた。さすがとしか言いようがない。

それに対して、『クァンタム』の土屋氏がこう言った。

「Hotodaさんが気になっているところを、物理的なチューニングを施して取り除こうと思います。その作業もそれほど時間はかかりません。少々お待ちいただけますか?」

土屋氏も、Hotoda氏と同様に、現状の欠点を見抜いているようだ。イコライザーカーブを見て、気になっている部分が共通していることも確認できたようである。

早速、インナーパネルと、内張りパネルに対する制振材の施工が行われていった。それは、ガチガチなデッドニングではなく、部分的なライトな仕様であった。当システムにおいては、これで十分、とのことだ。効率的に、合理的に、チューニングが施されていった。

この作業も、30分ほど終了し、試聴が再開され…。


■ドアへの制振材の施工で、思いどおりにサウンドが整えられた。

マドンナの「Holiday」のイントロが流れるやいなや、Hotoda氏の右手がイコライザー画面に伸びた。

「ハイを上げる必要はないですね。ここも要らないかもしれない。ここも…」

先ほど操作したイコライザーカーブがなんと、すべてフラットに戻されたのだ。問題点がたちまちにして改善されていたのである。

「いいですね。上も伸びています。エフェクターの効果もしっかり表現できている。ドアパネルも随分と静かになりました。まったく鳴っていないわけではないですが、ある程度はむしろ鳴っていたほうがいいのかもしれない。現状少なくとも、サウンドの邪魔にはなっていません。トゥイーターとミッドウーファーの距離も縮まりましたね。先ほどはそれぞれのユニットから個別に音が出ているイメージだったのですが、今は、1つのスピーカーになった。チューニングをするというのは、“スピーカーを作る”ということなんですね。スピーカーが出来上がりつつあります」

次にHotoda氏は、クルマのエンジンをかけた。

「エンジンをかけても大丈夫ですね。ちゃんと音楽が聴こえる。純正の状態だったらここまで楽しめなかった。今は楽しめる(笑)」

Hotoda氏の表情は、先ほど以上に明るくなっている。さらに、さまざまなディスクがコクピットに持ち込まれ、入念な確認が続けられた。いや、確認作業というよりむしろ、単に音楽を楽しまれている時間帯だったと言って良い。

さて、ここまでは大成功だ。Hotoda氏をもってしても“楽しめる”サウンドを、“FOCAL”は具現化して見せたのだ。

次には、パワードサブウーファーの追加に進んでいった。その模様は次週にお届けする。低域を強化することで、サウンドはどう変わるのか。それに対してHotoda氏は何を思われるのか…。

次週のこのコーナーを、お読み逃しなきように。


<取材協力/go and nokko、ビーウィズ、クァンタム(茨城県)>
《太田祥三》

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