サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #79: デモカー・Audi ハイレゾ化への道 #09 番外編 Part.3 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #79: デモカー・Audi ハイレゾ化への道 #09 番外編 Part.3

カーオーディオ 特集記事

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』
  • サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


アンティフォンのデモカー・Audiにおける取り組みに関連して、松居さんの心にとある思いが浮上した…。今回から数回にわたり、それについて綴っていただく。オーディオに関する興味深い話なので、ゆっくりとお読みいただけたら幸いだ。まずは、それについて思いを馳せることとなったきっかけから…。



Audiのハイレゾ化作戦の続きである。



純正オーディオをパーソナル化する試みの中で、iPodやウォークマンをプレーヤーとして活用する方法を思いつき、ハイレゾウォークマン+iFi-Audio『nano iDSD』+ヘリックス『DSP-Pro』を核とするシステムを構築。これがなんと、今まで経験できなかったレベルのカーオーディオに進化したことをお伝えした。



ところでそのハイレゾウォークマン。僕が持っているのは初代『NW-ZX1』で、今は2世代機『NW-ZX2』が発売されている。



ひょんなことから、この2世代機を試す機会が現れた。弊社を担当するソニーのR君が何気に、「これを試してみて下さい」と、『NW-ZX2』を置いていったのだ。





ソニー・ハイレゾ対応ウォークマン


ソニー・ハイレゾ対応ウォークマン





ウォークマンの『1』と『2』の違いを僕は、アナログ部分の進化だと思っていた。Audiで使用する方法は、『nano iDSD』とOTG接続しSPDIFで『DSP-Pro』へとデジタルで信号を送る方法だ。つまりウォークマンのアナログな部分は使用していない。なので、新旧で差が出ることはないだろうと思っていた。



ところがそうではなかったのである。



『NW-ZX2』に同じ楽曲を入れて比較してみると、なんともビックリな世界が出現した。「ハイビジョンが4Kになった!」と言うような、または解像度のレンジが1オクターブ伸びたような、今まではぼやけていた遠くの音がクッキリと見えるようになったのだ。



その差は、OFFマイクで収録されるオーケストラの録音で顕著になる。色域が拡張し鮮やかなオーケストラの音が、よりリアルに近づくのである。



ここまでくると、もうハイエンドな世界と言って良い。そこまでの領域になったのだ。



『NW-ZX1』と『NW-ZX2』がここまで違うとは思わなかった。また『DSP-Pro』がここまでの装置だったことにも驚いている。





アンティフォンデモカー・Audi


アンティフォンデモカー・Audi





ところで…。



思いがけないところで、『ハイエンド』という言葉を意識することとなり、ふと、『ハイエンド』とは何なのか、整理して考え直してみたい気持ちが起こった。



『ハイエンドオーディオ』という言葉には、そう呼ばれることとなったきっかけがある。



先日行われた“ヨーロピアンサウンドコンテスト”の審査を担当された評論家和田博巳先生が、最後の挨拶で話されていたことでもある。月刊誌『HiVi』(ハイヴィ)4月号の“「いい音で聴け!」和田博巳の真・ハイエンドオーディオ宣言”で、このことについて書かれているので、ご興味があれば是非そちらも読んでみてほしい。



音楽にも流行(進化)があるように、オーディオにも同じような流れがある。それは価値観の変化や多様化であったり、それらが複合し新しく創造される世界なのかもしれない。



70年代には、マイルス・デイビスが『ビッチェズ・ブリュー』を発表したのと同じタイミングで、マークレビンソンというオーディオブランドが誕生し、『LNP-2』というプリアンプが発売された。この製品はそれまでのオーディオリスニングの価値観を揺るがす製品であった。



それまでは、マッキントッシュやマランツなどの製品が、そのプロダクトでなくては味わえない特徴ある音質でオーディオファイルを魅了していた。その「特徴ある音質」の“特徴の存在”が、実は再生の弊害なのでは、という価値観の変革が始まるきっかけとなった製品が、この『LNP-2』なのだ。そしてこれをきっかけに、『ザ・アブソリュートサウンド』を創刊したハリー・ピアソンが提唱するオーディオ再生の形(形容・価値観)を、『ハイエンドオーディオ』と呼ぶようにしたのである。



その衝撃の大きさは『ビッチェズ・ブリュー』の登場と同じく、その後のオーディオスタイルに影響を与え続けている…。


(次回へ続く)




《松居邦彦》

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