フランスのハイエンド・オーディオブランド 『FOCAL』(フォーカル) その魅力と実力に迫る!! #2: “フォーカルディーラーミーティング2015”リポート! | Push on! Mycar-life

フランスのハイエンド・オーディオブランド 『FOCAL』(フォーカル) その魅力と実力に迫る!! #2: “フォーカルディーラーミーティング2015”リポート!

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フランスのハイエンド・オーディオブランド 『FOCAL』(フォーカル) その魅力と実力に迫る!!
  • フランスのハイエンド・オーディオブランド 『FOCAL』(フォーカル) その魅力と実力に迫る!!


フランスが誇る世界的オーディオブランド『FOCAL』(フォーカル)について詳しく知るべく、同ブランドのカーオーディオ製品をディストリビュートするビーウィズ株式会社が主催した、“フォーカルディーラーミーティング2015”(5月22日、三重県・鈴鹿サーキット国際レーシングコース ホスピタリティラウンジにて開催)を取材した。



そこで、来日中のFocal-JMlab社のチーフ セールス & プロダクトマネージャーであるピエール・ペラード氏、セールスマネージャー(アジア担当)であるミッキー・タン氏へのインタビュー取材が叶ったのだが(先週の当記事でリポート)、その中で、『FLAX(フラックス)』シリーズに注目せよとの話が出た。振動板に独自開発のマテリアルを使用している、話題の新製品だ。



今週の当記事では、その『FLAX』シリーズについてさらに詳しく掘り下げながら、名門『FOCAL』の“今”に迫ってみる。




コーン(振動板)素材に“亜麻”(FLAX)を使用





『FLAX』シリーズ





FLAXシリーズ最大の特長は、コーン(振動板)に、フランスの特産品である“亜麻”を使用していることにある。



ところで、コーン型のスピーカーは、今から約90年ほど前に初めて製品化されているのだが、それ以後、基本的な構造は普遍だ。これだけ時間が経過していながらも、誕生当時とメカニズムが同一である工業製品も珍しい。コーン型スピーカーとは、それほどまでに画期的な発明品だったのだ。



その一方で、振動板素材に関しては進化が続けられてきた。スピーカー開発に携わる各社が、振動板として理想な特性を持つ素材を得ようと、時代ごとの先進のテクノロジーをそこに注ぎ込んできたのだ。



ちなみに理想的な振動板素材とは、以下の3要素を満たすものとされている。「軽く、固く、適度な内部損失を持つ」素材である。軽ければ軽いほどレスポンスが良くなる。固ければ固いほど歪みのない音を発生できる。そして内部損失。この言葉はなじみがないかもしれないが、要は音の響きにくさのことだ。素材そのものの響きが音楽に乗ってしまってはいけないので、響きにくい素材が有利、なのである。



ところが上記の3要素は、互いに相反する要素だ。軽くすれば弱くなり、強くすれば重くなり、素材自体の響きも大きくなる傾向がある。その矛盾に抗いながら、各社は少しでも理想に近づこうとたゆまぬ研究を続けている。



その中で『FOCAL』が出した1つの結論が、この“亜麻”を活用した新素材、“FLAXコーン”というわけなのだ。



『FOCAL』は、軽く、固く、適度な内部損失を持つ素材として、“亜麻”に目を付けた。そしてそれをグラスファイバー層でサンドイッチする3層構造の中心に用い、理想形に限りなく近い振動板素材を誕生させたのだ。



ところで、この“亜麻”について、もう少し詳しくご紹介しておきたい。



亜麻は麻と混同されがちだが、麻よりも柔らかくかつ強靭で上等な素材だ。フラックスという、寒い国で青や白の可憐な花を咲かせる1年草の草から採れる繊維である。産地はいろいろあるのだが、フランス産の“亜麻”は特に品質が高いとされている。



肌に優しい素材であり、吸水・発散性にも優れていて下着に使われることも多い。そして耐久性が高いことも特長だ。これらの性質は、高温・多湿な車室内環境においても有利に働く。振動板素材としての理想的な要素を複合的に持っていて、かつ、カー用の素材としても打ってつけなのだ。



さらには“FLAXコーン”にはもう1点、特筆すべき利点がある。それはリーズナブルであること。理想を追求するあまり法外なコストがかかる振動板素材も多いのだが、“FLAXコーン”はそうではないのだ。上質な素材であるので決して安価ではないのだが、スピーカー素材としてはいたって健全な範囲に収まっている。



結果FLAXシリーズは、音質性能に優れ、車室内環境にも適し、その上であくまで手頃なスピーカーとして仕上げられている。多くの音楽愛好家が、気軽に『FOCAL』サウンドを獲得できる名機として、完成されているのである。



実際、FLAXシリーズは2013年に初登場して以来、またたく間に評判を勝ち得た。欧州で権威のある「EISA アワード」(EISA Europian Award)を始め、オーストラリアの「Sound & Image Award」、日本の「Auto Sound Web Grand Prix」を受賞。ユーザー数も着実に増え続けている。



このFLAXシリーズを持ってして、『FOCAL』は今後もさらなる躍進を遂げるに違いない。それだけの実力を、当シリーズは携えていると言っていい。



さて、このように先進のスピーカーとして光を放っている『FLAX』シリーズ。ラインナップは以下のとおりだ。3タイプのコンポーネントスピーカーと、3タイプのサブウーファーユニットを有している。それぞれの特長を、順に、具体的に解説していこう。






PS 165F (税抜価格:4万4000円)





PS 165F





3タイプ中、もっとも身近な存在であるのが当機だ。ちなみに4万円台半ばという価格帯は、市販スピーカーの中ではエントリーグレードの範疇である。“FLAXコーン”を持ちながらその範囲に位置しているわけで、まずはこのリーズナブルさが大きな特長と言っていい。



さらに当製品は、アルミニウム製フレーム、アルミニウムとマグネシウムで加工された逆ドームツイーターなど、その他の点でもワンランク上の構造、素材がおごられている。なかなかの本格派なのだ。そうしてそのサウンドは、『FOCAL』らしくエレガント、かつパワー感がありクリア。価格面、性能面ともに、ユーザーフレンドリーな逸品に仕上げられている。




PS 165FX (税抜価格:6万4000円)



『PS 165F』と振動板素材は同様。大きな違いは2点。振動板中央に配されていたセンターキャップの代わりに、当機ではフェイズプラグが使われていることと、パッシブクロスオーバーネットワーク(箱形のパーツ。ツイーターとミッドウーファーに対して信号の帯域分割を行う)が異なる。当機では“バイアンプ”にも対応する上級仕様に変更されている。ネットワークが上質になったおかげで、システムを構築する際の配線方法の選択肢が増えている。幅広い使い方ができるのだ。より本格的なスピーカーを欲するならば、当機のチョイスをおすすめしたい。




PS 165F3 (税抜価格:8万4000円)





PS 165F3





品番の最後に付いている“3”とは、当機が3ウェイ製品であることを意味している。



通常、2ウェイに対して3ウェイには利得がある。ツイーター、スコーカー、ミッドウーファーという3つのユニットを使い、それぞれの役割分担をより狭めることで、各スピーカーユニットにかかるストレスを軽減できる。それにより、解像度高く音楽を再生可能となるのだ。その3ウェイならではのメリットをこの価格で得られることが、この製品の第一の特長である。



また、スコーカーが比較的に小口径であることもポイント。3ウェイはユニットの数が多い分だけインストールが難しくなりがちだが、スコーカーが小口径であるのでその点においてビハインドが減少している。



もちろん振動板素材は、ミッドウーファーもスコーカーもともに“FLAXコーン”。それぞれにこの優秀素材が採用されていることで、一体感の高い3ウェイサウンドを表現可能。カーオーディオ上級者向きの、それでいてリーズナブルな、手応えある逸品と言える。




P 20 F (税抜価格:3万円)、P 25 F (税抜価格:3万4000円)、P 30 F (税抜価格:3万8000円)





P 30 F





サブウーファーは口径違いで3タイプがある(品番の数字がそれぞれ、口径<cm>を表している)。鉄製の屈強なフレームと、強力な磁気回路(シングル4Ωボイスコイル+デュアルマグネット)を有し、定格出力は、それぞれ、250W、300W、400W。パワフルかつ、レスポンスに優れた優秀機だ。



ちなみに『FOCAL』は、自社の理念に従って製品作りを推し進めるケースと、ニーズにとことん応えようとしながら開発を進めるケースと2通りがあるとのことだ。サブウーファーに関しては、後者のパターンに従って開発が進められたことがあるという。特に北米市場で「振幅が大きく、比較的に小さめのボックスでも良く鳴るもの」という声があり、その声を完全に満たす製品を造ってみせて、以降、『FOCAL』のサブウーファーは世界で確固たる人気を勝ち得るに至った。今回のFLAXシリーズのサブウーファーも、その流れを汲む製品として仕上げられている。



写真を見てもわかるように、細部の造りの確かさはさすが『FOCAL』。リーズナブルかつ、信頼性の高いサブウーファーを望むなら、『FOCAL』を要チェックだ。




《太田祥三》
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