ロングセラーを続けている、ロックフォード・フォズゲートのパワーアンプ、『Powerシリーズ』。このシリーズの実力は、多くのプロショップ、そしてユーザーが認めるところだ。ピュアサウンドファンからパワーサウンドファンまで、幅広い層に支持されていることも、『Powerシリーズ』の素性の確かさを証明していると言える。
その人気シリーズから、コンパクトタイプの新機種が登場するというニュースが流れたのは、今年の春。大きな注目を集め話題にもなり、デリバリー開始が今か今かと待たれていた。そして遂に7月中旬、待望の日本上陸が果たされた。
マイカーライフでも、早速取材を申し込んだ。『Power』という名前に相応しい音が聴けるのか否か、それを確認する機会を得るために。
音についての詳細なインプレッション記事は、来週からお伝えしていく。今週はまず、このシリーズの概要を解説しておこうと思う。予習の意味で、じっくりとお読みいただきたい。
まずは、ラインナップを整理しておこう。登場するのは以下の3モデルだ。
T400X2ad(税抜き価格:7万3000円)
サイズmm(幅×奥行×高さ):178×108×41
定格出力:200W×2(4Ω)、200W×2(2Ω)、400W×1(4Ωブリッジ)
T400X4ad(税抜き価格:7万3000円)
サイズmm(幅×奥行×高さ):211×108×41
定格出力:100W×4(4Ω)、100W×4(2Ω)、200W×2(4Ωブリッジ)
T500X1br(税抜き価格:9万円)
サイズmm(幅×奥行×高さ):211×108×41
定格出力:175W×1(4Ω)、300W×1(2Ω)、500W×1(1Ω)
ちなみに、通常の『Powerシリーズ』の4chモデルは4種類あり、その中でもっともお手頃なのが、『T400-4』。このモデルで定格出力が60W×4(4Ω)(税抜き価格:7万8000円)なので、今回の『Powerコンパクトシリーズ』の4chモデル『T400X4ad』は、それよりハイパワー。2chモデルの『T400X2ad』では、4Ω接続で200W×2。それぞれスペック的に十分なパワーを有している。
そして注目すべきはそのサイズ。相当に小さい。写真は『Powerシリーズ・T1000-4ad』と『Powerコンパクトシリーズ・T400X4ad』の比較だが、表面積的には半分以下だ(『T1000-4ad』は、横幅×奥行きが379mm×207mm。ちなみに4Ω接続時の定格出力が100W×4chの『T600-4』も同じ大きさ)。
ここまでの小型化を実現できた主たる要因は、高音質ClassAと高効率ClassD、双方の良さを併せ持つ次世代増幅回路「ClassAD」が採用されているから。この「ClassAD」は、『Powerシリーズ』のハイグレードモデルにすでに採用されている回路だ。すなわちその性能は実証済み。この回路のメリットがそのままに生かされているならば、『Powerコンパクトシリーズ』の性能は約束されているも同然だが、果たして…。
ほかにも、従来の『Powerシリーズ』に搭載されていた技術がフル投入されているという。例えば、特許技術の「コンスタント・パワー」。これは、インピーダンス全域において従来のアンプよりも25%以上出力をアップさせる技術だ。こちらももちろん採用されている。
スペック的にパワーは十分、テクノロジー的にもいいとこ取り。しかしサイズは半分以下。さて、音は…。
もし期待どおりの音だとするならば、これからのカーオーディオに新たな可能性をもたらすことになるだろう。
このサイズなら、シート下への取り付けが可能なクルマも多いはずだ。ハイグレードなHi-Fiシステムを搭載しようしたとき、インストールも大がかりになるのは致し方のないところだったのだが、この『Powerコンパクトシリーズ』なら、合理的なインストールスタイルも選択肢として選べるケースが増える。必ずしも、ハイグレードシステム=大がかりなインストール、とはならなくなるのだ。
取材陣もまだ、この記事を書いている今の段階では『Powerコンパクトシリーズ』を未体験だ。どんな音が聴けるのか興味津々。試聴取材が楽しみで仕方がない。
次週からのインプレッション記事を、期待してお待ちいただきたい。