ポータブル DJ デバイス『MONSTER・GO-DJ』って何なのさっ!! #2: スペシャルインタビュー「開発の背景とコンセプト」を訊く | Push on! Mycar-life

ポータブル DJ デバイス『MONSTER・GO-DJ』って何なのさっ!! #2: スペシャルインタビュー「開発の背景とコンセプト」を訊く

カーオーディオの新たなエンターテインメントアイテムとして注目度が高まっているこの『MONSTER・GO-DJ』。当特集では計5回にわたって、このユニットが持つ可能性を掘り下げていこうと思う。まず先週は、製品の概要をお伝えした。今週からは、さらに深くこの機器の実力と魅力に迫っていく。お読み逃しなく。

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ポータブル DJ デバイス『MONSTER・GO-DJ』って何なのさっ!!

カーオーディオの新たなエンターテインメントアイテムとして注目度が高まっているこの『MONSTER・GO-DJ』。当特集では計5回にわたって、このユニットが持つ可能性を掘り下げていこうと思う。まず先週は、製品の概要をお伝えした。今週からは、さらに深くこの機器の実力と魅力に迫っていく。お読み逃しなく。


MONSTER・GO-DJ


今週は、この『MONSTER・GO-DJ』が開発された背景とそもそものコンセプトに迫ってみたいと思う。開発者の方にそれらをお聞きする機会を得られた。

開発者はなんと日本人だった。『MONSTER・GO-DJ』は、日本の企業によって開発された製品だったのだ。日本人の発想で生まれ、そして日本人らしい心配りが行き届いた製品になっているのである。

開発したのは、宮城県仙台市に本社を構える「株式会社ファウディオ」。そして今回、インタビュー取材に応じてくださったのは、この製品の開発者の1人であり、同社の代表取締役でもある、宮﨑晃一郎さんだ。

まずは、“ポータブルDJデバイス”を作ろうと考えたきっかけから教えていただいた。

「我々はもともと、音響機器に入れる電子部品の開発を手掛けていました。本格オーディオ機器ではなくて、もっと大衆的な機械なのですが、その経験で培ったノウハウを何かに応用できないかと、さまざまな製品を企画しました。例えば、ソーラーバッテリーで駆動するポータブルオーディオプレーヤーとか、本当にいろいろなものを考えました。その中で、持ち運びのできるDJ機器ってないよね、という話が持ち上がったんです。

普通のDJ機器は、クラブのDJブースの中にあって、そこからは1歩も移動することができない。フロアにすら出られないんですね。でもポータブルタイプのものがあれば、例えば友人とのホームパーティだったり、キャンプだったり、どこにでも持っていけます。それを作ることができたら面白いのでないか、そう考えたんです。

ちょうどその頃、スマホが台頭してきていて、それに合わせてポータブルのスピーカーが売り上げを伸ばしていました。バッテリー駆動で動く性能の高いスピーカーがたくさん登場していて。その流れに、ポータブルDJ機器が乗れる、とも考えたんです」

独自の音響技術を活かすべく柔軟に発想し、そして社会情勢も分析しながら『MONSTER・GO-DJ』の開発はスタートしたのだ。


株式会社ファウディオ代表取締役宮﨑さん株式会社ファウディオ代表取締役宮﨑さん


そうして『MONSTER・GO-DJ』の初期型モデル『P-DJ』という製品が完成する。しかし、ノンブランドのこの製品は苦戦を強いられた…。そこで宮﨑さん達は、有名ブランドとのコラボレーションを画策する。候補としてリストアップしていたのは、インターナショナルなブランド。そしてオーディオアクセサリー、特に、ヘッドフォンを扱うブランドにターゲットを絞っていた。「モンスター社」はそのリストの上位に位置していたという。

チャンスがやってきたのは2012年末。アメリカのテキサス州で行われていたとある音楽イベント内での展示会に出展したところ、その斜め向かいのブースにモンスター社が入っていた。その会場内で、同社へのプレゼンを行おうと宮﨑さんたちは考えた。

そしてファウディオのブースにモンスター社の社長が視察にやってきた時、宮﨑さんたちは思いを行動に移す。社長に、自分たちの話を聞いてほしいと懇願したのだ。

するとモンスター社の社長はこう言った。

「なぜキミ達が『P-DJ』を持っているんだ」と。

社長は『P-DJ』のことをそれ以前から知っていたのだ。そして、自社製品に組み入れたいと考えていた…。

ヘッドフォンやケーブルの売り上げを伸ばすためには、それらを必要とする新しいハードがないとダメだ、と考えていたのである。それを実現させるものとして『P-DJ』の存在をつかみ、それを自社から出す機会をうかがっていた、というわけだ。

こうして「モンスター社」と「ファウディオ」は運命的な出会いをし、ライセンス契約はトントン拍子に進んでいったのだ。

『MONSTER・GO-DJ』はこのようにして生まれ、そして「ファウディオ」と「モンスター社」のコラボはこのようにして実現したのである。


MONSTER・GO-DJ


ところでこの記事の冒頭で、『MONSTER・GO-DJ』が日本人らしい心配りが行き届いた製品になっている、と書いた。今回の記事の最後で、それが何かをご紹介しておこう。

この機械は、内部のソフトウェアをアップデートすることで、どんどん機能が高まっていく、という特長を持っている。今も、さらなる機能向上を目指して、新たなソフトの開発が次々と進んでいるという。

そういった新しいソフトウェアは、初期型モデルである『P-DJ』にもインストールが可能だというのだ。すべてのユーザーに対して、最新の使い心地を提供しようとしているのである。

進化とともに、古いユーザーを切り捨てたり、古い機器を切り捨てて新しいハードを買わせようとするメーカーは多い。しかし「ファウディオ」はそれと真逆なのだ。この部分はまさに、日本人らしい心配りだと思うのだが、いかがだろうか。

さて、次週はこの『MONSTER・GO-DJ』がDJ機器としてどれだけ優秀なのかに深く迫ってみる。そしてその先には、カーオーディオユニットとしていかに使える製品であるかについても迫っていく。お楽しみに♪

《太田祥三》
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