【Rockford Fosgate】ついにヴェールを脱いだニューコンポーネント“T4”の魅力 #3: T3との比較試聴 | Push on! Mycar-life

【Rockford Fosgate】ついにヴェールを脱いだニューコンポーネント“T4”の魅力 #3: T3との比較試聴

ついに日本上陸を果たした、ロックフォード・フォズゲートのニュー2ウェイコンポーネント、“T4”。その実力、性能を検証している当企画。

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【Rockford Fosgate】ついにヴェールを脱いだニューコンポーネント“T4”の魅力

ついに日本上陸を果たした、ロックフォード・フォズゲートのニュー2ウェイコンポーネント、“T4”。その実力、性能を検証している当企画。

今週からはいよいよ、“T3”, “T5”との比較試聴のリポートをお贈りする。比べて聴くことで何が見えてきたのか。じっくりとお読みいただきたい。

先週の当記事では、“T4”の絶対試聴のインプレッションをリポートした。“T4”が、音楽を生き生きと聴かせてくれる優秀機であると書かせていただいた。

良いスピーカーであることはわかったのだが、気になるのはシリーズの中での立ち位置。“T3”が税抜き価格/9万6000円、“T5”が同/24万円。“T3”と“T5”の間が随分と開いていたわけだが、“T4”(税抜き価格/17万円)はどのような形で間に収まるのか。“T3”と比べた時の満足度、そして“T5”にどこまで迫っているのか…。

“T4”の絶対試聴を終えたあと、早速、スピーカーを“T3”に変更していただき、まずは“T3”との違いから確認してみた。

結論に進む前に、試聴環境をざっとおさらいしておく。PC→USBオーディオインターフェース→パワーアンプ(グラウンドゼロ・GZPA Referece2 税別価格/36万円)→“T3”のパッシブクロスオーバーネットワーク→“T3”というシステム。使用ケーブルは、ラインがチェルノフケーブルのセカンドグレード「CLASSIC IC RCA」、スピーカーケーブルも同じくチェルノフケーブルの「CLASSIC MKII SC」だ。もちろんすべて“T4”を聴いた時とイコールコンディションだ。


ついにヴェールを脱いだロックフォード・フォズゲートニュー・コンポーネント“T4”::その魅力・実力を大解剖! #3: <span>T3との比較試聴</span><br />

さて、“T3”。なるほど、ロックフォードらしい音だ。ドライで、しかしグイグイくるパワー感。期待どおりのサウンドが聴けた。

ところで10万円を切る価格帯にある製品は、一般的にはミドルグレードと捉えられる。数万円のエントリーモデルがあり、それより1ステップ上が5~6万円前後、そのもう1ステップ上、という価格帯だ。ミドルとは言え、エントリーモデルと比べると2ステップ上の製品である。相応のポテンシャルがあってしかるべきだ。

“T3”の音は、価格に相応しいレベルにあると感じられた。好みによっては、それ以上の魅力を感じる人もいるだろう。

低域はタイトでリズミック、中域もはっきりとした音色。高域も十分に伸びやかだ。全体的にメリハリが効いていて、帯域バランスは自然。音色ももちろん正確だ。しっかり、きっちりと音楽を聴かせてくれる。楽しく音楽が聴けるスピーカーだ。

さて、これと比べて“T4”はどうだったのか。

さすがは“T4”だと、改めて感じることができた。“T3”と比べて優れていると感じたのは、まずは低域の質。タイトでリズミックという傾向は両者共通ながら、“T4”のほうがローエンドまで伸びていて、重たい。低域が豊かに鳴ると、それが中・高域の倍音に影響してくるのだろう、全体的な情報量、きめの細やかさも、レベルが違った。

ちなみに、“T4”のミッドベースの材質や構造は、“T5”よりむしろ“T3”に近い。ツイーターは逆で、“T3”より“T5”に近い。実を言うと、そのイメージから中・低域は“T3”と似た音なのだろうと予想していたのだが、そんなことはなかった。むしろ中・低域の違いのほうが顕著。材質や構造に共通項は多くとも、当然ながら中身は違っていた。

“T3”に対する“T4”の立ち位置は、素晴らしく絶妙だと感じた。“T3”よりワングレード上の音を目指したいと思って“T4”を試聴した時、価格差以上の価値を見い出せるはずだ。予算さえ許せば、納得して“T4”を選べる。多少無理をしてでも、この音を欲しいと思う人も多いだろう。確かな満足を得られるスピーカーに仕上がっている。

“T3”との比較試聴を終え、ますます“T4”の素晴らしさを確認できた。変な言い方かもしれないが、これは売れそうだ。多くのロックフォードファンを惹き付ける製品であることは間違いない。

さて、次週は“T5”との比較試聴の結果をお伝えしたい。上と比べたとき“T4”の音をどう感じるのか…。これはこれで大いに興味深いところ。次週を楽しみに待っていてほしい。


編集部 藤澤の独り言…

数多くあるRockford Fosgateのスピーカーの中で、Hi-Fiサウンドの入り口となるT3は軽快なスピード感とアタック感が多くのユーザーの心を掴み大人気製品となっている。ではそのT3に比べて今回発売になったT4との違いはどうなのかじっくりと聴き比べてみた。まず気付くのがT3の特徴であげた軽快さの違いで、T4はT3に比べて音の輪郭が更にくっきりとした表現になっていて音の密度もかなり増しているので根本的な出音のクォリティーが違ってくる。音の密度が増すということは表現力も変わるわけで、立体感や細部の再現能力の向上もT3に比べると大きく上がる。繊細さの向上の効果で、音が重なる部分も緻密に厚みを維持しながら再生されるのでメリハリのある見晴らしの良い音楽再生が非常に心地よく感じるスピーカーだ。音の高級感や満足感がT3との価格差を考えても確実に得られるスピーカーである。

《太田祥三》
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