【RS Audio】フラッグシップシリーズ『マスターシリーズ』を徹底分析 #1: 概要編 | Push on! Mycar-life

【RS Audio】フラッグシップシリーズ『マスターシリーズ』を徹底分析 #1: 概要編

ドイツからやってきた気鋭ブランド『RS Audio』。

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【RS Audio】フラッグシップシリーズ『マスターシリーズ』を徹底分析

ドイツからやってきた気鋭ブランド『RS Audio』。

マイカーライフでは5月16日付けの記事で、来日中の同社社長、ロベルト・スカラブリーノ氏へのインタビューを掲載し、このブランドがどのようなコンセプトに立脚しているのかを解説した。そして今月は、同ブランドのフラッグシップモデルについて、2週にわたり詳しくご紹介していこうと思う。


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日本初上陸のジャーマン・ブランド『RS Audio』フラッグシップモデル「マスターシリーズ」を徹底分析! #1: <span>概要編</span>#1

日本初上陸のジャーマン・ブランド『RS Audio』フラッグシップモデル「マスターシリーズ」を徹底分析! #1: <span>概要編</span>#2

まずはおさらいから。

『RS Audio』の設立は1999年。ハンドメイドで生産しているスピーカー専門メーカーだ。スカラブリーノ氏いわく、「クルマに取り付けることを十二分に考慮して開発し、音にクセがないこと」が、同社の製品の大きな特長であるとのことだった。そして、このたび日本でリリースされる製品は2モデル。3ウェイコンポーネント(パッシブクロスオーバーネットワーク無し・価格/98万7000円)の『マスター3』と、2ウェイコンポーネント(価格/68万2500円)の『マスター2』である。

では早速、『RS Audio』マスターシリーズの特長を解説していこう。各所に音質性能を向上させるためのこだわりや、「カー用スピーカー」として真価を発揮させるための多くのノウハウが注入されていて、その徹底ぶりに驚かされる。


日本初上陸のジャーマン・ブランド『RS Audio』フラッグシップモデル「マスターシリーズ」を徹底分析! #1: <span>概要編</span>

まずはバスケット。なんと、ムクのアルミの塊をカットし、それを手作業で削り出して製作されているという。20kgもあるアルミを丹念に削り、完全なるワンピース構造でバスケットを創出する。接合部分が及ぼすレスポンスの低下を未然に防ぎ、かつ超低共振を実現しつつ優れたリニアリティを得るために、このような贅沢な製造方法がとられているというのだ。また、磁気回路を的確にシールドし、外部からの影響を遮断するという目的も達成。そうして完成したフォルムは、空気の整流さえも十分に考慮されている。


日本初上陸のジャーマン・ブランド『RS Audio』フラッグシップモデル「マスターシリーズ」を徹底分析! #1: <span>概要編</span>

ミッドウーファーとミッドレンジの振動板においては、さまざまな素材を吟味した上でカーボンファイバーを採用。それを自社でプレス加工し、エッジ部分には折り返し処理も施して、究極的な軽さと高い剛性を実現しているという。クリアでレスポンスの良いサウンドを奏でるためのポテンシャルを徹底追求し、温度変化や湿度差の激しい車室内で使用したときの耐久性も十分に配慮されている。


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ツィーターは上質なシルクドーム。ワイドな周波数特性にも注力し、700Hzまでの再生が可能とのことだ。ちなみに低い周波数帯域まで再生しようとすると、どうしても内部温度が高温になってしまう傾向が現れる。これに対応するため冷却性も追求し、内部構造やデザインを改善。さらにリードワイヤーを的確に延長することで、過度な大入力時にツィーターが焼け切れることを未然に防止している。また、ケースには人工石を採用している。これにより全体の共振を巧みに抑え、スピード感のある極めてスムーズな高域再生を目指している。なお、温度や湿度の変化がもたらす接着剤の劣化や変質が音に微小な影響を及ぼすと考え、もっとも音に影響が出ないタイプを厳選採用。ほんの少量使用する接着剤選びにも、『RS Audio』ならではの思いが注入されているのだ。

ところで、3ウェイのモデルには特にネットワークが用意されていないのだが、最後にその理由を簡単にご紹介しておこう。「スピーカーの位置や取り付け手法は車種やインストールの都合上さまざまなので、1種類のネットワークですべてに対応するのは無理がある。また、3ウェイではネットワークの構成部品点数が増えるため、そのことが音質に影響を及ぼす可能性も懸念される。従って、総合的に考慮すると3ウェイはマルチアンプで鳴らしたほうが有利」という結論に達したため。このことからも、『RS Audio』がいかにクルマの中で使用するスピーカーの開発に真摯に取り組んでいるのか、そして、いかに多くのこだわりを持つメーカーなのか容易に見て取れる。

細部にわたり、多くのこだわりが光る『RS Audio』のマスターシリーズ。そして、気になるその音色は…。次週は試聴インプレッションをお届けする。乞うご期待。

《太田祥三》

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