サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #69: 2014年の終わりと2015年の始まりに寄せて… 前編 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #69: 2014年の終わりと2015年の始まりに寄せて… 前編

いよいよ今年も残りわずか…。皆さんにとっての2014年はどのような年だっただろうか。さて、当コーナーもこれが今年最後の更新となる。最後を締めるべく、2014年のオーディオ界を松居さん流に振り返っていただこうと思う。そして次回は、それを受けての2015年の展望などを綴っていただく予定だ。まずは2014年の振り返りから…。

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


いよいよ今年も残りわずか…。皆さんにとっての2014年はどのような年だっただろうか。さて、当コーナーもこれが今年最後の更新となる。最後を締めるべく、2014年のオーディオ界を松居さん流に振り返っていただこうと思う。そして次回は、それを受けての2015年の展望などを綴っていただく予定だ。まずは2014年の振り返りから…。

当回が本年最後の回だ。締めくくりとして今年1年のオーディオ界を振り返ってみたい。

今年のトピックとしてまず挙げたいのは、“ハイレゾ”だ。当コーナーでも話題にさせていただいた。

ハイレゾとは何なのか、簡単におさらいしておこう。ひと言で言うなら“CDを超えるハイレゾリューションなフォーマット”、を指す。リニアPCMで比較すると、時間軸をCDフォーマット(44.1Khz/16bit)の2倍もしくは3倍のサンプリングレイトで記録、ダイナミックレンジは256倍の細かさ(16bitに対して24bit)で記録されている音声ファイルである。

これは7年前の、スコットランドのオーディオプロダクツが始めたストリーミングプレーヤーと音楽配信を組み合わせた音楽サービスが起源ではある。そして今年になりソニーが、ウォークマン用音楽配信サイト『mora』でハイレゾ音源の配信サービスをスタート。ソニーは同時に、ハイレゾ対応のハードを、家庭用プレーヤーからウオークマンまで幅広くラインナップし、ハイレゾを一気に一般化させようとした。いわば、ハイレゾ元年として広く啓蒙活動を始めたのだ。

映像においては、フルハイビジョンの200万画素から、人間の動画認知度の限界(動いている物を見る時の目が認知出来る限界)800万画素で映像を記録できる映像フォーマット“4K”の試験放送が始まった。

広くオーディオ業界では、大きな変化が起きた年であったのだ。

ところで、私事で恐縮ではあるが、今月弊社にてとあるスペシャルなイベントを開催した。今年に催したイベントの中でも、もっとも面白いものになったと自負している。それは、『スーパーアナログ対ハイレゾデジタル』の比較試聴会、というものだ。


『スーパーアナログ対ハイレゾデジタル』の比較試聴会


実は、アナログレコードを再生する装置は2000年頃から目を見張る進化を遂げていて、それに比例してレコードの売り上げも伸びている、とのことである。ニッチな世界ではあるが、音楽を再生する装置として確実に成長しているのである。

それぞれ最新で今最も注目されているアナログシステムとハイレゾプレーヤーで、同じタイトル(レコードと配信されたハイレゾ音源)を聴き比べる、というイベントを行ったのだ。

結果は…。

5.6メガDSDを持ってしても、アナログディスクの持つ生命感にはわずかに及ばなかった。臨場感、解像度、ステージングにおいてはほぼ同じレベルなのだが、生き生きとしたというか、生演奏を聴きに行った時に感じるドキドキする感じがデジタルにはない。

デジタルに比べ、アナログ再生では脈拍が早くなってしまうのだ。僕自身もアナログの凄さは解っていたつもりだったが、5.6メガDSD再生の音を聴いて、これでついに追いついたと思っていたのだが…。それだけに衝撃が大きかった。

現在使用している2000年製のターンテーブルを更新しようなどと考え初めている。

とは言え、2つの装置の価格差は30倍もある。コストパフォーマンス的にはデジタルに軍配が上がるのだが、今の僕の頭の中は、あのターンテーブルの事で埋め尽くされている。


『スーパーアナログ対ハイレゾデジタル』の比較試聴会『スーパーアナログ対ハイレゾデジタル』の比較試聴会


新発見は、そのスーパーアナログをSONYのリニアPCMレコーダーでハイレゾ録音し、そのファイルをハイレゾプレーヤーに移して再生した音の素晴らしさだった。その昔ターンテーブルの音をナカミチDRAGONで録音してモービルサウンドで聴いていた頃を思い出した。

ソースを配信のみに頼るのではなく、自分のアナログのコレクションをハイレゾ音源に出来る事に気がついてしまった。

諭吉が僕から離れてゆく…。ヤバい事になってきた…。

というわけで、今年、最後の最後になって、スーパーアナログの凄さを知ってしまうことになったのだが、ともかく、今年は“ハイレゾ”と“4K”が、オーディオ界でのキーワードだったと思う。

さて、来年はどんな年になるのか…。次回、新年の最初の回では、2015年を僕なりに占ってみたいと思っている。

《松居邦彦》

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