今さら訊けない“カーオーディオ”の素朴な疑問 Part2「プロセッサー編」その3「イコライザー」の扱い方とは? | Push on! Mycar-life

今さら訊けない“カーオーディオ”の素朴な疑問 Part2「プロセッサー編」その3「イコライザー」の扱い方とは?

カーオーディオに興味を持ちつつも「なんとなく分かりづらい」、そう感じている方々の“?”を解消していただこうと当特集を展開している。今回は「プロセッサー編」の第3回目として簡易的な「イコライザー」の扱い方について詳しく解説していく。

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5バンドタイプの「イコライザー」が搭載されたメインユニットの一例(カロッツェリア・FH-3100)。

カーオーディオに興味を持ちつつも「なんとなく分かりづらい」、そう感じている方々の“?”を解消していただこうと当特集を展開している。今回は「プロセッサー編」の第3回目として簡易的な「イコライザー」の扱い方について詳しく解説していく。

「イコライザー」とは「周波数特性の乱れを補正する機能」なのだが…。

「プロセッサー」とはサウンドチューニングを司るユニットのことを指すのだが、それに搭載されている主な機能のうちの1つである「イコライザー」について解説していく。なお「イコライザー」は、一般的なAV一体型ナビやメインユニットにも何らか簡易的なものが搭載されていることが多い。しかし、それをどのように扱えば良いのかがよく分からない、というドライバーは少なくないはずだ。

というわけで今回は、簡易的なタイプの「イコライザー」の使い方を解説していく。そしてこの記事を参考に、ぜひ愛車のナビやメインユニットに搭載されている「イコライザー」を触ってみてほしい。そうすることで、カーオーディオの面白さの一端に触れられるはずだ。まずはそこから始めてみる、というのもアリだ。

さてその前に、「イコライザー」とは何なのかをおさらいしておきたい。前々回の記事で触れたように、「イコライザー」とは本来「周波数特性の乱れを整えるための機能」だ。車室内は空間が狭く形状も複雑なので、音がさまざまに反射し周波数特性が乱れがちとなる。なので「イコライザー」が活躍するのだ。

しかし…。バンド数の少ない「イコライザー」では、周波数特性の乱れを緻密には補正できない。

その理由は以下のとおりだ。人間の可聴範囲は20Hzから20kHzまでなのだが、これは音階で言うと10オクターブもの広さだ。ということは、もしも「イコライザー」のバンド数が「5」だったとすると、各バンドは2オクターブ間隔で並んでいるということになる。ここまでバンド間の隔たりがあると、周波数特性が乱れている部分にピンポイントでアプローチし難く、乱れを的確に補正するのは難しい。

バンド数の少ない「イコライザー」は、サウンドの“味付け”に活用!

では、バンド数の少ない「イコライザー」はどのように使えば良いのかというと…。

もちろん、周波数特性の乱れを正すという使い方がまったくできないわけではない。例えば、低音が聴き取りにくいから上げるとか、高音がきついから下げるというようなざっくりとした補正は行える。そしてそれに加えて以下のような使い方も可能となる。それは、「サウンドに味付けを加える」というものだ。料理で言うところの「塩味を効かせる」とか「薬味を加える」というような使い方ができるのだ。

なお味付けは好みの問題であるので、基本的にはどのように設定してもOKだ。なので、ぜひぜひいろいろといじってみてほしい。そうして操作によって音がどう変わるかを体験しておくと、だんだんとカーオーディオに対する興味もわいてくる。そしてその体験は、高度な「プロセッサー」を手にしたときにも活きてくる。言わば、「イコライザー」操作技術の下地ができる、というわけなのだ。

例えば、低音を上げてパンチを効かせてみたり、高音をブーストしてきらびやかさを強調してみたりしてみよう。より気持ち良いと思えるサウンドを、自由に作り出してみてほしい。

ただし、やりすぎには注意が必要だ。極端に操作すると、元々の音との乖離が大きくなる。好みの問題なので絶対的な決まりはないが、素材自体の味わいはできれば残しておきたいところだ。参考にしてほしい。

「下げる」操作に妙味アリ! さらには「プリセットデータ」も活用すベシ!

なお操作のコツは案外、「下げる」ことにあったりもする。「イコライザー」の操作というと、強調したい部分を「上げる」という方向に片寄りがちだが、あまり強調したくないところを「下げ」てみても変化が現れる。

ポイントとなるのは、「下げた」バンド以外のところがどのように聴こえるか、だ。例えばもっとも低音域のバンドを下げたとき、ボーカル帯域の聴こえ方がどう変わったかとか、高音域の聴こえ方がどう変わったかに注目してみよう。このように他がどう影響されるかに着目すると、「イコライザー」操作がさらに面白くなるはずだ。

そしてもう1つ、実用的な使い方を紹介しておきたい。それは「プリセットデータから変更を加える」というものだ。バンド数の少ない「イコライザー」には大概、何種類かの設定済みのデータが収録されているはずだ。それを元にして操作してみると、コツが会得できたりする。

ちなみにプリセットデータを変更できない機種もあるので、その場合にはプリセットされている状況を携帯等で写真に撮るかメモをして、そしてフラットデータを呼び出し写真を参考にしながらまずはプリセットの状態を復元してみる。そしてそこから、大きくプラス側に振られているバンドを少し下げてみたり、またはプラスマイナスゼロのところまで戻してみたりしてみよう。そして聴こえ方がどのように変わるのかを確認してみる。そうすろと、その大きく上げてあった操作がどんな効果を発揮していたのかが見えてくるはずだ。

そしてさらには、その他のところにもいろいろと変更を加えて、さらに自分好みのサウンドになるかどうかを試してみよう。フラットの状態を元にして操作するのとは、またひと味違った楽しさが味わえるはずだ。

さて次回も、「プロセッサー」に関する解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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