実践的“サブウーファー攻略法”完全ガイド! 第7回 “箱載せ”? “埋め込み”? | Push on! Mycar-life

実践的“サブウーファー攻略法”完全ガイド! 第7回 “箱載せ”? “埋め込み”?

カーオーディオでは“低音”が不足しがちだ。なぜならば、ドアに取り付けられるスピーカーには口径(サイズ)的な制約があり、低音再生能力に限界があるからだ。というわけで当特集では、その“低音”を強化する方法論を多角的に考察している。

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ユニットサブウーファーの一例(DLS)。
  • ユニットサブウーファーの一例(DLS)。
  • ユニットサブウーファーの一例(ダイヤトーン)。

カーオーディオでは“低音”が不足しがちだ。なぜならば、ドアに取り付けられるスピーカーには口径(サイズ)的な制約があり、低音再生能力に限界があるからだ。というわけで当特集では、その“低音”を強化する方法論を多角的に考察している。

第7回目となる当回では、「 “箱載せ”or“埋め込み”」をテーマにお贈りする。なお当特集は毎回、全国の実力カーオーディオプロショップに協力を仰ぎ記事を製作している。今回は、青森県の人気店、“イングラフ”の代表を務める木村さんに話を訊いた。参考になる話をたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

“箱載せ”は導入のハードルが低く、しかも音的にも有利!?

本格的な低音を得ようとするならば“ユニットサブウーファーの導入”が最善策となるのだが、それをしようとするときには、 “箱載せ”か“埋め込み”かも悩みどころの1つとなる。今回はそこのところを掘り下げていく。

さて、まずは木村さんに“箱載せ”の利点から教えてもらった。

「お客様が何を求めるかで変わってきますが、当店では基本的に、“箱載せ”をおすすめすることの方が多いです。“箱載せ”は導入のハードルが低いですから。気軽に“低音強化”を楽しんでいただきたいと思うんです。

ちなみに当店では、ボックス自体の製作代は“箱載せ”も“埋め込み”も基本的に同一です。しかし埋め込む場合には、それ以外にもいろいろと作業が必要になりますので、当然ながら費用も掛かります。

なお“箱載せ”は、音的にもメリットがあります。特に見逃せないのは、向きや置き場所をいろいろと変えられることです。向きを変えるだけでも鳴り方が変わりますし、置き場所によってもフロントスピーカーとの繋がり方が変わったりします。“箱載せ”の場合は、物理的なチューニングも行えるんです。

一方デメリットとなるのは、トランクの積載性に影響が出ることですが、これはそれほど気にする必要はないと思うんです。たくさんの荷物を積みたいときには降ろせますから。トータルに考えて、“箱載せ”は悪くありません。おすすめです」

“トランクフロア”はデッドスペース!? 有効活用しない手はない!

続いては、“埋め込み”について訊いた。まずは、“トランクフロア”に埋め込む場合の実情を教えてもらった。

「“トランクフロア”は、サブウーファーボックスの埋め込み場所として人気が高いです。埋め込みたいと考える方の多くはトランクの積載性のことを考えられていて、そうであれば“トランクフロア”がベストです。積載性はほとんど犠牲になりませんから。

ちなみに言うと、“トランクフロア”はデッドスペースになっている場合が多いです。スペアタイヤスペースが備わっていながらも、そこにスペアタイヤが置かれていないことの方が多いように思います。万が一のパンクは、“補修セット”で対応されるケースが増えていますから。空いているのなら、そこは有効に活用すべきだと思います。

なお、ボックスの設置場所としてスペース不足になることはほとんどありません。25cmクラスのサブウーファーであれば、十分なボックス容量を確保できると思います。容量を稼ぎたい場合には、スペースの凹凸に追従させるような形状で組み上げれば良いですし。とはいえ、通常はそのようにする必要はないでしょうね。シンプルな形で仕上げても、容量不足にはならないはずです。

また“トランクフロア”は、音的なアドバンテージも発揮します。“バッフル効果”が得られるからです。取り付け面を広く取れますので、音の“1次反射”の状況がシンプルです。ゆえに、位相も合わせやすい。ただ、サブウーファーが担当する帯域の音は波長が長いので、狭い車内ではそもそもコントロールが難しいわけですが。

でも“トランクフロア”にサブウーファーボックスを設置して、音が作りにくいと感じたことはほとんどありません。少なくとも不利はないと思っています」

サウンドチューニングがしやすいのは、“シートバック”!?

サブウーファーボックスが埋め込まれる場合、“シートバック”(リアシートの後方)に設置されることも多い。さて、“シートバック”に設置するメリットとは…。

「“シートバック”に設置するメリットはズバリ、サウンドチューニングがしやすいことです。トランクスルーが備わっている車種であれば、低音をダイレクトに車室内に放出できますから。音的なメリットは、“トランクフロア”以上に大きいと思います。

なお、“トランクフロア”にせよ“シートバック”にせよ、設置の際には固定をしっかりと行うことになりますので、その点でも“箱載せ”より有利です。強固に固定させた方がロスなく鳴らせますし、振動を逃がすような工夫を盛り込めたりもしますから。

ちなみに音にこだわろうとするときには、“容量”と“強度”の確保がとにもかくにも重要です。設置場所や設置の仕方以上に、まずはボックス自体のクオリティが問題となってきます。逆に言うと、しっかりした箱が作れれば、その他のことにはナーバスになる必要はないと思います。あとはチューニングを抜かりなく行えば、良い音が作れるはずです。

ところで、見た目にもこだわりたいと思ったときには、“トランクフロア”がおすすめです。パワーアンプも含めてカッコ良くフロアに配置させれば、満足度がさらに上がります。

サブウーファーボックスの仕様の決定は、音以外のことも加味して、総合的に判断されると良いと思います。ショップと相談の上で、ご自分にとってのベストな作戦を練っていただきたいですね」

ユニットサブウーファーを用いて低音強化をしようとする際には、“箱載せ”にするか“埋め込み”にするかも、じっくりと検討しよう。優先させたいポイントを見極めながら、そして楽しみながら、ベストな答えを導き出そう♪

《太田祥三》

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