『サウンドシステム構築論』Part2 ハイエンドナビで「内蔵パワーアンプシステム」を楽しむ! | Push on! Mycar-life

『サウンドシステム構築論』Part2 ハイエンドナビで「内蔵パワーアンプシステム」を楽しむ!

カーオーディオでは、システム構築の形がさまざまある。ライト仕様、ヘビー仕様、さらにはマニアックなアプローチまで、いろいろな楽しみ方が存在している。当特集では、その1つ1つについて利点やコツ等々を明らかにしていこうと試みている。

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三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ
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カーオーディオでは、システム構築の形がさまざまある。ライト仕様、ヘビー仕様、さらにはマニアックなアプローチまで、いろいろな楽しみ方が存在している。当特集では、その1つ1つについて利点やコツ等々を明らかにしていこうと試みている。

第2回目となる当回では、“ハイエンドナビ”を用いて作り上げる「内蔵パワーアンプシステム」について考察する。

“ハイエンドナビ”なら「フロント2ウェイ+サブウーファー」を緻密に制御するシステムが組める!

最初に、“ハイエンドナビ”とはどのようなものなのかを説明しておこう。ここで言う“ハイエンドナビ”とは、カーオーディオメインユニットとして“最上級”なナビのことを指している。具体的には2モデルがある。1つが三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』、もう1つがカロッツェリアの『サイバーナビXシリーズ』だ。

これらがカーオーディオメインユニットとして“ハイエンド”たるポイントは2点ある。1つは「音響パーツ選定と回路設計等にこだわりが満載されていること」、2点目は「内蔵DSPが高性能であること」、以上だ。

これらにより素の音質が良く、そして緻密なサウンドコントロールが可能となる。結果、通常のAV一体型ナビとは一線を画す、より本格的な「内蔵パワーアンプシステム」の構築が可能となるのだ。

さて、どのような楽しみ方ができるのだろうか。両機に共通した様式から紹介していく。

まず両機ならば、「フロント2ウェイ+サブウーファー」というスピーカーレイアウトの各ユニットを緻密にコントロールできる「内蔵パワーアンプシステム」を構築できる(サブウーファーには専用のパワーアンプを使用する)。

“緻密”たるポイントは主に2点ある。1つはフロント2ウェイのツイーターとミッドウーファーとを個別に制御できること、もう1つは“イコライザー”を詳細に設定できること。

“ハイエンドナビ”は内蔵DSPが高性能なので、ツイーターとミッドウーファー間にも“クロスオーバー”が掛けられる。音楽信号を、ツイーター帯域とミッドウーファー帯域とに分割できるのだ。そしてそれが可能となることで、それぞれに対して個別にサウンドチューニングを施せる。

また、“ハイエンドナビ”に搭載されている“イコライザー”のバンド数は「31」。しかも左右chを個別に調整可能だ(『サイバーナビXシリーズ』ではサブウーファー帯域も個別に調整できる)。車内の周波数特性の乱れに対してピンポイントな補正が可能となるのだ。

『ダイヤトーンサウンドナビ』なら「フロント2ウェイ+リアスピーカー」システムも構築可能!?

なお、『ダイヤトーンサウンドナビ』なら、「ナビを換えただけ」でも、「フロント2ウェイ」を緻密に制御するシステムを構築できる。スピーカーが純正のままでしかも配線がそのままであっても、ツイーターとミッドウーファーの個別制御が可能となるのだ。

それができる理由は、“マルチウェイ・タイムアライメント”という機能が搭載されているから、だ。当機能を活用すると、ツイーターとミッドウーファーが発する音のそれぞれに個別に“タイムアライメント”を適用させておきながら、それぞれの信号を同一回線で伝送できる。ゆえに配線が純正のままでも大丈夫なのだ。

ちなみに『サイバーナビXシリーズ』でも、純正スピーカーのツイーターとミッドウーファーの個別制御が可能だが、それをするためにはスピーカーケーブルの配線変更が必要となる。ナビからツイーターまで、そしてミッドウーファーまで個別にケーブルを引き直さなければならない。

なお、そうするとリアスピーカーは鳴らせなくなる。内蔵パワーアンプのフロント出力をミッドウーファー用のchとして使い、リア出力をツイーター用のchとして使うこととなるからだ。つまり、「内蔵パワーアンプ」の全chをフロントスピーカーのために使うこととなる。運転席で音楽を楽しもうとするときにはそもそもリアスピーカーはなくても良いし、こうすることでより良いコンディションでフロントスピーカーを鳴らせるのでOKなのだが、リアスピーカーも使いたい場合には、このシステムレイアウトは向かない。

しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』の場合は、フロントスピーカー用の2ch分の出力だけでツイーターとミッドウーファーを個別にコントロールできるので、リアスピーカーを残しておける。もしも後部座席に乗車する人のためにリアスピーカーも残したいと考えるならば、『ダイヤトーンサウンドナビ』がお薦めとなる。

『ダイヤトーンサウンドナビ』では、その他のシステムも構築可能!

ところで『ダイヤトーンサウンドナビ』では、「フロント3ウェイ+サブウーファー」を緻密にコントロールする「内蔵パワーアンプシステム」の構築も可能だ。そしてその場合にも、「内蔵パワーアンプ」のフロント出力のみで3ウェイスピーカーをドライブできる。つまり「フロント3ウェイ+リアスピーカー+サブウーファー」というスピーカーレイアウトを取っても、それぞれを詳細にコントロールするシステムを構築できるのだ。

それが可能となる理由もまた、“マルチウェイ・タイムアライメント”が搭載されているから、だ。3ウェイスピーカーのそれぞれ(ツイーター、ミッドレンジ、ミッドウーファー)を個別に制御してもそれらの信号を同一回線で伝送できるので、フロント3ウェイスピーカーを鳴らすのにも「内蔵パワーアンプ」の2chだけでまかなえるのだ。

というわけで『ダイヤトーンサウンドナビ』では、フロントスピーカーが2ウェイであっても3ウェイであってもリアスピーカーは活かしたままにしておける。なのでもしも当機を使う場合にはそれを活用し、“5.1chサラウンドソース”も積極的に楽しみたい。当機には“DIATONE SURROUND”なる機能も搭載されていて、これをオンにすると、通常の“5.1chサラウンド再生”と比べて音像が水平+高さ方向に一層広がる。サラウンド感をよりダイナミックに表現可能となるというわけだ。これを満喫しない手はない。

なお、『ダイヤトーンサウンドナビ』でも『サイバーナビXシリーズ』と同じように、「内蔵パワーアンプ」の4chすべてを使ってフロントスピーカーをドライブすることも可能だ。この鳴らし方を選ぶとリアスピーカーは鳴らせなくなるが、「内蔵パワーアンプ」の全能力をフロントスピーカーに注ぎ込める。結果、よりトルクフルにスピーカーを駆動できる。リアスピーカーを活かしたままにするか、フロントスピーカーを鳴らすことに注力するかは好みで選ぼう。どちらを選んでもそれぞれで良さが味わえる。

今回はここまでとさせていただく。次回は、“パワーアンプ内蔵DSP”を用いての「内蔵パワーアンプシステム」をクローズアップする。お楽しみに。

《太田祥三》

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