カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part5 サブウーファー編 l | Push on! Mycar-life

カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part5 サブウーファー編 l

「カーオーディオには興味があるけれどなんとなく敷居が高い…」、そんな印象をお持ちではないだろうか。そうさせてしまう要因の1つが、「用語が難解だから」。専門用語の意味が分からないために親近感がわかない、そう感じている方も少なくないようだ。

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パワードサブウーファーの例(フォーカル Ibus 20)。
  • パワードサブウーファーの例(フォーカル Ibus 20)。
  • コンプリートウーファーボックスの例(ロックフォード・フォズゲート R1-1X10)。
  • 単体ユニットサブウーファーの例(クラリオン・Z25W)。

「カーオーディオには興味があるけれどなんとなく敷居が高い…」、そんな印象をお持ちではないだろうか。そうさせてしまう要因の1つが、「用語が難解だから」。専門用語の意味が分からないために親近感がわかない、そう感じている方も少なくないようだ。

そんなネガティブな印象をできる限り取り除いていただこうと、当短期集中連載をお届けしている。今回からは“サブウーファー”に関する、わかりづらくも重要なワードをピックアップし、それぞれの意味を端的に解説していく。

01・“パワードサブウーファー”とは?

今回は、基本的なワードにスポットを当てていく。まずはこれ、“パワードサブウーファー”から。

結論から入りたい。“パワードサブウーファー”とは、“サブウーファーユニット”、“ボックス”、“パワーアンプ”が一体化した製品である。

ところでスピーカーユニットは通常、何らかの“ボックス”に取り付けなければスピーカーとして成り立たない。スピーカーユニットの裏側から発せられる音を閉じ込める必要があるからだ。スピーカーは振動板を前後に動かして空気を震わせ音を伝える。その営みはスピーカーの裏側でも行われていて、スピーカーユニットは後方にも音を発している。

そして、前後の音は耳には同じ音として聴こえるのだが、音波としては真逆の関係にある。なのでそれが空気中で交わると、打ち消し合いが生じてしまう。それを防ぐために“ボックス”が必要となるのだ。

さらに、スピーカーをドライブするためには、CD等から読み取った音楽信号を、スピーカーを動かせるレベルにまで増幅する必要がある。特に、低音を再生する“サブウーファーユニット”は口径が大きいので、メインユニットの内蔵パワーアンプでは力不足。ゆえに必ず“外部パワーアンプ”が必要となる。

というわけで“サブウーファー”を鳴らすためには、“サブウーファーユニット”、“ボックス”、“パワーアンプ”それぞれが必要となるのだが、“パワードサブウーファー”は最初からそれらを持ち合わせている。配線さえ行えば音が出せる状態に仕上げられているのだ。なので、“低音強化”を比較的に簡単に実行できる。この点を最大の利点としている製品、というわけなのだ。

02・“コンプリートウーファーボックス”とは?

続いては、“コンプリートウーファーボックス”について解説する。またもや結論から入りたい。“コンプリートウーファーボックス”とは、“ユニットサブウーファー”と“ボックス”が一体化したユニットである。つまり、“パワードサブウーファー”から“パワーアンプ”を取り除いた状態で完成品となっている。

ちなみに、“パワードサブウーファー”は、“薄型・小型”をアイデンティティとするタイプが主流だ。「すべてが揃っているから導入しやすい」と説明したが、導入しやすいというそのメリットをさらに伸長させるべく、「省スペース」という利点も加えられている、というわけだ。

対して“コンプリートウーファーボックス”は、ある程度の“小型化”や“薄型化”が図られている場合はあるけれど、シート下に収められるほどの“小型化”は成し遂げられてはいない。

つまり、導入のハードルを下げるために“サブウーファーユニット”と“ボックス”を一体化させてはいるものの、サウンド的にはあくまでも“本格”が目指されている。ボックスを薄くしたり小型にすると実は、豊かな低音を再生するにはビハインドとなるのだが、“コンプリートウーファーボックス”はそれを嫌い、しっかりと“鳴らせる”ことに重きが置かれ仕上げられている。つまり、「“本格的”な低音を、より手軽に手にできる」ところが最大の特長となっている、というわけなのだ。

03・“単体ユニットサブウーファー”とは?

続いては、“単体ユニットサブウーファー”について解説する。ここでも結論から入ろうと思う。“単体ユニットサブウーファー”とは読んで字の如く、「“ユニットサブウーファー”が単体で売られているタイプの製品」である。

ちなみに、“低音強化”をしようと考えたときの、もっとも“本格的”なチョイスとなるのがこの“単体ユニットサブウーファー”だ。これを選ぶときには“ボックス”を用意しなくてはならず、さらには“パワーアンプ”を購入する必要も生じる。結果、導入のハードルはもっとも高くなる。しかし、好きな“サブウーファーユニット”と“パワーアンプ”が選び放題で、かつ“ボックス”を自由に設計できるので、音の方向性や取り付け性、そして見た目をいかようにも自分好みにプロデュースできる。この“自由度の高さ”が最大のメリットとなるのだ。

ところでよくよく考えてみると、ホームオーディオのスピーカーのように、カー用の“サブウーファー”もボックスと一体化した形で売られているものが主流となってもいいはずなのだが(つまり“コンプリートウーファーボックス”が主流となっていても良さそうなのだが)、実際はそうではない。さて、半完成品状態の“単体サブウーファーユニット”がもっとも好まれているのはなぜなのだろうか。

その理由として考えられるのは、「カーオーディオとは“創意工夫”を発揮することを楽しもうとする文化だから」だ。カーオーディオでは、クリエイティブに、能動的に音作りをしていくところも楽しみどころとなる。なので“単体ユニットサブウーファー”が好まれているのだ。なんとも奥深い趣味なのである。

今回はここまでとさせていただく。次回も“サブウーファー”に関連した『用語解説』を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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