カーオーディオの音をもっと良くするためには…。いつかは、やっぱり、パワーアンプ! Part.4「DSPと組み合わせて使う方法」 | Push on! Mycar-life

カーオーディオの音をもっと良くするためには…。いつかは、やっぱり、パワーアンプ! Part.4「DSPと組み合わせて使う方法」

クルマの中で、濃厚で骨太なサウンドを楽しみたいと思うなら、“外部パワーアンプ”を組み込もう。“外部パワーアンプ”には、カーオーディオのサウンドクオリティを、ガラリ一変させる力が備わっているのだ。その具体的な活用方法を、シリーズでじっくりと解説している。

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rainbow・『DSP1.8 + WiFi Module』

クルマの中で、濃厚で骨太なサウンドを楽しみたいと思うなら、“外部パワーアンプ”を組み込もう。“外部パワーアンプ”には、カーオーディオのサウンドクオリティを、ガラリ一変させる力が備わっているのだ。その具体的な活用方法を、シリーズでじっくりと解説している。

第4回目となる今回は、“DSP”と組み合わる、本格的な運用方法をレクチャーする。

■“DSP”を組み合わせるシステムは、“マルチアンプシステム”と呼ばれている…。

純正スピーカーから市販スピーカーに換装したなら、いつかは“外部パワーアンプ”も導入したい。そうすることで、カーオーディオのサウンドは1ランク、確実に上昇する。

その具体的な導入方法としてこれまで、「2chパワーアンプ1台でフロントスピーカーを鳴らすシステム」、「4chアンプ1台で、フロントスピーカー+サブウーファーを鳴らすシステム」、「4chパワーアンプの4chすぺてを使って、フロントスピーカーを鳴らすシステム」、以上の3スタイルをご紹介してきた。

今回は、そこからさらに発展させる、本格的な運用方法をご紹介する。それは、“DSP”(デジタル・シグナル・プロセッサー)と組み合わせる、という運用方法だ。

“DSP”とは、さまざまなサウンドチューニング機能を搭載するコントロールユニットである。これに搭載されている主な機能は、「クロスオーバー」、「タイムアライメント」、「イコライザー」だ。これらを駆使してサウンドを詳細にコントロールし、音質向上を狙っていこうとするのである。

これにより得られる効果は絶大だ。場合によっては、“外部パワーアンプ”を導入したとき以上の感動が味わえる。

ところで、前回に解説した「4chパワーアンプの4chすぺてを使って、フロントスピーカーを鳴らすシステム」においては、簡易的な「タイムアライメント」機能を高度に運用できるようになるところがキモだった。それを実現すべく、“バイアンプ対応パッシブ”を活用してシステムを構築したのだが、“DSP”を用いれば、“バイアンプ対応パッシブ”は必要なくなる。

というか、“パッシブクロスオーバーネットワーク”自体が必要なくなるのだ。“DSP”内の「クロスオーバー」機能を使って、パワーアンプの前段で音楽信号の帯域分割を行うので、“パッシブクロースオーバーネットワーク”はなくていいのだ。

“DSP”内部の「クロスオーバー」で、スピーカーユニットの数に合わせて信号を帯域分割し、その上で「タイムアライメント」、「イコライザー」をかけてサウンドを整える。その後にそれぞれの信号を個別にパワーアンプの各chで増幅し、それぞれを1つ1つのスピーカーユニットに送り届ける。

というわけなので、“DSP”を用いるシステムを構築する場合には、スピーカーユニットの数と同数のパワーアンプのch数が必要となる。なお、このようにスピーカーの数と同数のパワーアンプのch数が必要となるシステムのことは、“マルチアンプシステム”と呼ばれている。

■“マルチアンプシステム”は音に効くが、デメリットもある…。

さて、“マルチアンプシステム”で得られるメリットを整理しておきたい。メリットは2つある。1つ目が、「スピーカーユニットごとに詳細な調整が行えること」。

スピーカーユニットごとにサウンドチューニング機能をかけられることは、前回に解説したとおり、音質向上に相当に効く。特に効くのが「タイムアライメント」機能である。すべてのスピーカーから同距離の位置にリスニングポジションを取れないことは、ステレオ効果を味わうためには絶望的な状況なのだが、個々のスピーカーに対して「タイムアライメント」をかけることで、全スピーカーから等距離に場所に身を置いたような状況を作り出せる。これが可能になることで、ステレオの恩恵を額面どおり受け取れるようになるのだ。サウンドステージは立体的になり、音がスピーカーから聴こえてくるのではなく、目の前から聴こえてくるようになるのである。

そして2つ目のメリットとは、「パワーアンプがダイレクトにスピーカーを操れること」である。パワーアンプとスピーカーの間にあった回路が無くなることで、パワーアンプからの指示が、ロスなくスピーカーに伝えられるのだ。振動板を“止める”“動かす”といった動作を、効率的に行えるようになる。

しかしながら、デメリットもある。それは「システムが大がかりになること」だ。フロントスピーカーがセパレート2ウェイであれば、スピーカーは合計4個なので、4chパワーアンプ1台(あるいは2chパワーアンプ×2台)が必要だ。そこにサブウーファーを足すならば、さらに1chパワーアンプがもう1台、フロントスピーカーをセパレート3ウェイにするのであれば、さらに2chパワーアンプがもう1台必要になる。

つまり、“マルチアンプシステム”は、贅沢なシステムなのである。贅沢であるゆえに音質向上幅は大きいが、その分、予算と搭載スペースが余分に必要となる。ハードルはそれなりに高くなる。

さて次回は、ここまでの説明を踏まえた上で、より具体的に“マルチアンプシステム”の構築方法を解説していこうと思う。乞うご期待。

《太田祥三》

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