超ハイエンドスピーカー『DIATONE・DS-SA1000』の、凄さのすべてを徹底リポート!! | Push on! Mycar-life

超ハイエンドスピーカー『DIATONE・DS-SA1000』の、凄さのすべてを徹底リポート!!

2007年に発売開始された車載スピーカーの名機『DIATONE・DS-SA1』の後継機が、満を持して新登場する。その名は『DIATONE・DS-SA1000』。概要は速報でご紹介したが、今ここで改めて、当機の凄さのすべてを詳細にリポートする。

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DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000のトゥイーター
  • 「ドーム&コーン型」振動板
  • 「ドーム&コーン型」振動板の特長
  • 「ECCT」低歪磁気回路
  • DIATONE・DS-SA1000のミッドウーファー
  • DIATONE・DS-SA1000のミッドウーファー
  • 「NCV-R振動板」

2007年に発売開始された車載スピーカーの名機『DIATONE・DS-SA1』の後継機が、満を持して新登場する。その名は『DIATONE・DS-SA1000』。概要は速報でご紹介したが、今ここで改めて、当機の凄さのすべてを詳細にリポートする。

『DS-SA1』で達成した“リスニングルームクオリティ”よりもさらなる高みを目指し、持てる技術を惜しみなく投入して生まれたというこの、『DS-SA1000』。いかなる思想が、テクノロジーが注ぎ込まれているのかを、じっくりと解き明かしていく。

■世界で唯一、“分割共振”の排除を達成!

早速、もっとも注目すべき進化点から解説していく。それはズバリ、「可聴周波数帯域(20Hzから20kHz)で“分割共振”のない音作り」が達成されていることである。

通常、2ウェイスピーカーではミッドウーファーの担当周波数帯域が広いことなどにより、どうしても分割共振が起こり得る。振動板がきれいなピストンモーション(ゆがみのない動き)をせずに、波打ったような動きをしてしまうことがあるのだ。しかし『DS-SA1000』ではそれが起こらない、というのである。

これは相当に画期的なことだ。世界中のどのカー用2ウェイスピーカーも、それを克服することができていなかった。2ウェイスピーカーが宿命的に背負っている最大のウィークポイントだったのだ。

しかしながら『DS-SA1000』は遂に、“分割共振”を排除できた。そうして、そのことや他のテクノロジーの投入で、以下の3点を達成できている。

1・高S/N感
○ノイズを徹底的に排除し、外来ノイズにも打たれ強く、微細な音源も正確に描き出す。

2・圧倒的なエネルギー感(ハイエナジー)
○正確性と音の厚みを両立。

3・リアリティの追求
○「本物の感動と癒し」を味わえる。

■トゥイーターに投入された特長的新技術は主に3つ。

それでは、上記のような特長を得るために何がなされているのかを、具体的に解説していこう。まずはトゥイーターについてから。

1・新製法「B4Cプレミアムボロン」

これについては、速報記事でも触れているのだが、ここでも改めて解説したい。『DS-SA1000』のトゥイーターには、もっとも理想的な振動板素材の1つ、“ボロン”が使われている。そして今回、その製法を進化させ、さらなる理想的なスペックを得るに至った。

その新製法とは「新常圧焼結セラミックス製法」(従来の製法名は「プラズマ溶射法」)。さらには、高度な機械シミュレーションによって、形状の最適化もなされた。

これらにより、B4Cスピーカー振動板として世界最速の“伝搬速度”(毎秒12700m/s)と、金属では実現不可能な紙に近い“適度な内部損失”(物質そのものの固有音がしないこと)を得ている。つまり、通常では両立し難い、反応の速さと固有音がしないことの両立を、最高レベルで実現している。理想的な振動板素材を、さらに理想的に活用できている、というわけなのだ。

2・大型化が実現された「ドーム&コーン型」振動板

トゥイーターの振動板の形状を、ドーム型(超高域までリニアな再生が可能)と、コーン型(高音域のワイドレンジ再生が可能)、それぞれの長所を併せ持つ「ドーム&コーン」形状としている。『DS-SA1000』ではそれを、30mmから、36mmへと大口径化させ、“高エネルギー密度”を実現できた。

3・「ECCT」低歪磁気回路

磁気回路のプレートを、内周から外周にかけて大胆にカット。これにより、プレートの中を流れる右回りと左回りの渦電流を同一化することに成功している。結果、渦電流が交流歪に与える影響を効果的にキャンセリングさせて歪みを低減。さらに、マグネットに高性能ネオジウムマグネットを採用し、磁気回路の高性能化と小型化を達成している。

■ミッドウーファーには、主に4つの新テクノロジーを注入!

続いては、ミッドウーファーについて検証していく。こちらについても、テクノロジーの1つ1つを解説していこう。

1・驚異的に進化した「NCV-R振動板」

「DIATONE」が独自に開発した振動板素材「NCV」を、さらに進化させることに成功している。カップ積層型カーボンナノチューブを採用しその他の樹脂との最適合条件を見直すことで、6300m/s(実測値)という“伝搬速度”を達成できた。これにより、低音域から中音域までの再生周波数帯域全域で、かつてないハイスピード化、高いレスポンス性能、リアルな再現力が実現できている。

2・「ソリッドライン構造」により振動板形状を最適化

「NCV-R振動板」の背面に5本の細いリブの補強を施した、「ソリッドライン構造」が採用されている。これにより、振動板の剛性が格段に向上し、振動板の外周部と内周部の剛性の変化量を極小に抑制できているという。結果、ボイスコイルの動きに対して振動板外周部もほとんどたわむことがなく、正確かつ効率良く空気を振動させ、微細な音楽表現をも可能としている。

3・磁気歪みの低減を考慮した、「MLCT&ECCT低歪磁気回路」

ポールを大口径化したダブルネオジウム磁気回路を採用。強力な磁束密度のネオジウムマグネットでポールを挟み込み、かつ、最適に配置することで、高磁束密度を維持しながら磁気歪みの低減に成功している。結果、交流磁気歪みをキャンセリングし、低音域歪みのエネルギー成分を約1/10にまで低減できているという。また、トゥイーターと同様に、スリットを設けた「ECCT」も採用されている。

4・スピーカーの反作用による影響・不要共振を考慮した、「G-DMM構造」

フレームにも、さまざまな工夫が盛り込まれている。まずは、磁気回路の“ヨーク”の重量化(超重量級)により、スピーカーの反作用による影響を低減。また、メインフレームにはアルミダイキャストを、新形状DMフレームには亜鉛ダイキャストをそれぞれ採用し、異種金属により双方の共振を抑制。さらには、新形状DMフレームに最適なスリットを入れることで、不要共振を効果的に抑え込む。その上で、メインフレーム、磁気回路のプレートとヨークを一体固定して、剛性も大幅にアップさせている。

■デザインにも注目! フラッグシップ機らしい深みと高級感を漂わす。

その他にも注目点はいくつかある。まずはパッシブクロスオーバーネットワーク。今モデルでは「独立筐体設計」(トゥイーター用とミッドウーファー用のネットワークの別体化)がなされていて、ネットワーク間の干渉を絶ち、クリアな音楽再生が実現されている。

デザインにも注目したい。カラーは、「プレミアムワインブラウン」。これにより、ダイレクターやG-DMMマグネットカバーに深みと高級感が与えられている。また、磁気回路のヨークをクローム鏡面仕上げとして、インパクトあるコントラストを実現。フラッグシップ機らしい、重厚感と斬新さが両立されている。

注目すべき改良点をすべてご紹介した。それぞれ、文字だけではイメージしずらいと思われるので、できる限り画像も添付した。それらも合わせて、じっくりとご覧いただきたい。

なお、ネットワークも含めたコンプリートセット(『DS-SA1000』税抜価格:67万円)と、ネットワークレスのセット(『DS-SA1000NL』税抜価格:60万円)の両方が用意されることに加え、さらに、トゥイーター、ミッドウーファー、各ネットワークの単品発売、ペア発売も行われる。システム構成の自由度が高くなっていることも、今モデルの特長だ。

10月11日の発表以降(発売開始予定日は11月15日)、これを搭載したデモカーが早速、各地の試聴会やイベント会場に登場している。今後も、各デモカーは全国を飛び回るとのことなので、「DIATONE」のホームページ中の「イベント情報一覧」をチェックしていただいて、お近くで聴けそうなタイミングがあれば、ぜひぜひそれをお見逃しなきように。

「DIATONE」が全霊を注いで開発したこの超高級スピーカーの音を、一聴する価値はすこぶる大きい。

《太田祥三》

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