国産実力カーオーディオブランド「DIATONE」から、新旗艦スピーカー『DS-SA1000』が鮮烈デビュー! その音を緊急レビュー! | Push on! Mycar-life

国産実力カーオーディオブランド「DIATONE」から、新旗艦スピーカー『DS-SA1000』が鮮烈デビュー! その音を緊急レビュー!

1946年に誕生し、今年で70周年を迎えた国産実力オーディオブランド「DIATONE」。ハイエンドカーオーディオ市場には2006年から参入し、この度そこから10周年の節目を迎えた。その同社から、新たな車載用フラッグシップスピーカーが発表された。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • 『DIATONE・DS-SA1000』デモカー。

1946年に誕生し、今年で70周年を迎えた国産実力オーディオブランド「DIATONE」。ハイエンドカーオーディオ市場には2006年から参入し、この度そこから10周年の節目を迎えた。その同社から、新たな車載用フラッグシップスピーカーが発表された。

製品名は、『DS-SA1000』(発売開始予定日は11月15日)。フルセットでの税抜価格はなんと、67万円…。気軽に手を出せる価格帯にある製品ではなく、正真正銘のハイエンド・スピーカーであり、国産車載用スピーカーとしての最高額レベルのスピーカーである。

これが何を目指し、何を実現できているのか、このようなハイグレードスピーカーが奏でる音世界とはどのようなものなのか、カーオーディオに馴染みがない方にもご理解いただけるよう、噛み砕いて解説してみたい。

■超理想的な、しかし加工が困難な“B4Cプレミアムボロン”を、最適な形状に成形!

スピーカーとは、そのメカニズムだけを見ると、ある意味ローテクな工業製品である。当機のような“ダイナミック型スピーカー”は、1920年代に発明されて以来、すでに100年が経過しようとしている現在においても、その基本的構造を変えていないのだ。

しかしながら、各パーツの素材や各所の細かな設計には、現代科学の最先端技術が注入されている。あちらを立てればこちらが立たないという矛盾の中で、音楽ソースに格納されている情報をいかにロスなく再現できるかに、各社が英知を注ぎ込んでいる。

この『DS-SA1000』は、その世界に生きる「DIATONE」が、ハイエンドカーオディオブランドとしてのプライドを、音に対するこだわりを示すために作り出した製品と言っていい。いかに売るか、ではなく、「DIATONE」が何をできるかを表現するために、真摯なトライが重ねられた製品だ。ロマンの塊のようなひと品なのだ。

こだわりのポイントは多々あるが、特に注目すべきは、高音の再生を担当するトゥイーターと、中低音の再生を担当するミッドウーファーそれぞに採用されている振動板素材だ。

ちなみに、振動板素材に求められる性質とは、強度、軽さ、そして適度な内部損失(物質そのものの固有音がしない)、この3つとされている。しかしながら、これら3要素は相反する性質である。軽くすれば強度が失われ、強くすれば重くなる。それをある程度両立できても、素材自体が響きを発生しがちであったらNGだ。

なお、より理想的な素材とされているものが3つある。それは、ダイヤモンドとベリリウム、そしてボロンだ。ただしこれらはいずれも素材そのものが希少で高額、さらには加工に困難を極めるタイプだ。なのでおいそれとこれを用いることはできないのだが…。

しかし「DIATONE」はこれに挑んだ。当機の前型機である『DS-SA1』(2007年発売)で、“B4Cピュアボロン”を「プラズマ溶射法」により成形してスピーカーに採用することに成功。そして今回の新製品では、新たに開発した「新常圧焼結セラミックス製法」により“B4Cプレミアムボロン”を、より理想的な形状に加工できてた、とのことだ。

一方、ミッドウーファーの振動板には、三菱電機が独自開発した新素材「NCV」の進化版、「NCV-R」が使われている。カーボンナノチューブと数種類の樹脂の最適な配合・成形によって生み出されているこのスペシャル素材の最適合条件を見直して、スペック的な自己ベストをマーク。さらには形状も突き詰めることで正確かつ効率的に空気を振動させることができ、結果、微細な音楽表現をも可能にしているということだ。

その上でじっくりと、各ユニットの磁気回路や各部の設計においても最新の理論と技術をフルに注入し、遂に完成へと辿り付いた、というわけなのだ。

■微細な音量の音符からも、力強さを感じ取れる。リアルで実在感の高いサウンドを堪能。

10月11日に開催された新製品説明会の会場に展示されていたデモカーで、そのサウンドを確認した。同日に発表された『DIATONE SOUND.NAVI』の2016年モデル、『NR-MZ200PREMI』と組み合わせたデモカーを聴き、この性能をチェックした。

三菱電機のオーディオ製品には、“何も足さない、何も引かない”というコンセプトが込められているが、このスピーカーの音は、その究極だと感じ取れた。目の前に広がるサウンドステージの中で、各楽器の音が混濁することが一切なく、音と音がない空間さえもはっきりと存在している。そして1音1音の輪郭がシャープで、実在感が高い。そこにあることをすんなりとイメージできるのだ。さらには、音量の微細な音符についても、その有り様をはっきりとイメージできる。ボリュームは小さくても、力を感じ取れるのだ。

もしも今後、これを搭載したデモカー等に出会ったら、この音をぜひともご確認していただきたい。人生における貴重な体験となるはずだ。この記事が、その日のための予習となれば幸いだ。

なお同シリーズの製品として、パッシブクロスオーバーネットワークを付属しないセットも用意されている。そちらは税抜価格が60万円。さらには各ユニットが単品(ペア)でも購入可能だ。

また1つ、カーオーディオの歴史が進化した。そう感じさせるスピーカーが、堂々誕生した。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top