ドイツの実力ブランド「rainbow」の製品群が、いよいよ日本に、大挙しての再上陸を果たそうとしている。当サイトではこれから4週にわたり、その全容を解説するとともに、主要モデルのインプレッション・リポートをお伝えしていく。
今週はまず、「rainbow」とはどのようなブランドなのかを、改めてじっくりとご紹介する。
スピーカー開発に強みを持つ、ワールドワイドに展開する人気ブランド
「rainbow」は、ドイツの南西部に位置するハーデン=ヴュルテンベルク州の、 “ハイルブロン”という都市に本拠地を構えている。設立は、1989年だ。
ブランドとしてのスタートは1989年なのだが、ルーツはその5年前まで遡る。「rainbow」には、「ATT」という母体があるのだ。「ATT」は、車両音響とエレクトロニクスの専門家によって、1984年に設立され、以来、自動車用のスピーカーの開発、供給を行っていた。その活動が「rainbow」ブランドの立ち上げへとつながったのだ。
そのようなルーツを持つがゆえに、「rainbow」は、“スピーカーに強いブランド”という道を歩んだわけだ。スピーカー以外のユニット、例えば、パワーアンプやDSPまでを擁し、総合カーオーディオメーカーとしての確固たる地位を築いているものの、ジャンルごとの製品数を比べると、スピーカーが圧倒的に多い。現行モデルを見ると、スピーカーは計12シリーズ、サブウーファーは計5シリーズがある。それに対してパワーアンプは3シリーズ、そしてDSPは1機種のみ。スピーカーが、群を抜いて多いのだ。
人とは違う、新しいサウンドを手にしたいと思うなら、「rainbow」を要チェック!
さて、1989年以降の「rainbow」の社史における、主なトピックスをご紹介しておこう。
最初にラインナップが拡充されたのは1991年。この年には4ウェイコンポーネントを発表し、また翌年には音響測定のためのコンピューター支援システムを開発している。そして同年に、ドイツでのカーハイファイ協会の創設メンバーとなり、さらに1995年には“IASCAドイツ”の共同創設者にもなった。
2001年の「CES」では、1999年に発表したスピーカー『Reference CS260.30』が、もっとも革新的な製品の1つとして認められ、技術賞を受賞。同シリーズは現在でも、「rainbow」のトップエンドラインであり続けている。
2007年には防水コアキシャルスピーカーを開発し、船用の製品をリリースするマリーン部門もスタートさせた。また近年は、BMW、VW、Mercedes-Benzに向けたカスタムフィットタイプの専用スピーカーキットの開発にも力を注いでいる。
さて、今後の日本での展開である。初夏よりいよいよ、本格的なデリバリーが開始となるのだが、そこで登場するのは、スピーカーが4ライン+BMW専用キット1ライン、サブウーファーが2ライン、そしてパワーアンプが2ライン、という顔ぶれだ。
それぞれについてのラインナップの詳細は、次週以降でお伝えしていく。
今回の「rainbow」の本格日本再上陸により、ヨーロピアンサウンドファンにとっての、また、Hi-Fi志向のカーオーディオフリークにとっての、そしてこれからカーオーディオを始めようとするエントリーユーザーにとっての、魅力的な選択肢が、また1つ新たに加わることとなった。
「rainbow」によって、カーオーディオ市場がさらに活気づくことは必至だ。人とは違う、新しいサウンドを車室内に取り込みたいと考える方は、「rainbow」に要注目だ。