「MTX Audio」からトップエンド & ベーシック、2グレードの新作パワーアンプが堂々登場! その実力を最速リポート! Part.2 『RFLシリーズ』編 | Push on! Mycar-life

「MTX Audio」からトップエンド & ベーシック、2グレードの新作パワーアンプが堂々登場! その実力を最速リポート! Part.2 『RFLシリーズ』編

幅広い製品ラインナップを誇る実力アメリカンブランド、「MTX Audio」から、パワーアンプのニューラインが2つ、新登場した。

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MTX Audio・RFL4120
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幅広い製品ラインナップを誇る実力アメリカンブランド、「MTX Audio」から、パワーアンプのニューラインが2つ、新登場した。

それらの実力を確かめるべく、同ブランドの正規輸入代理店であるイース・コーポレーションのもとへ急行し、詳細なテストを実行した。

そのインプレッション・リポートを2週連続でお届けしている。先週は、フルモデルチェンジを果たしたベーシックグレード、『THUNDER(サンダー)シリーズ』についての試聴記をお伝えした。今週は新たなトップエンドグレードとなる『RFLシリーズ』についてリポートしていく。
MTX Audio・RFL4120

ヨーロッパのオーディオ・ファイルに向け、音質最優先で開発。


最初に、概要からご紹介していこう。シリーズはシンプルに、以下の2機で構成される。
『RFL4120』(税抜価格:13万9000円)
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ ●定格出力:120W×4(4Ω)、125W×4(2Ω)、400W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz~90kHz ●S/N比:98dB ●サイズ(幅×奥行×高さ):525mm×204mm×59mm
『RFL4001D』(税抜価格:32万3000円)
●仕様:1chパワーアンプ ●定格出力:1500W×1(4Ω)、2400W×1(2Ω)、4000W×1(1Ω) ●周波数特性:10Hz~150Hz ●S/N比:95dB ●サイズ(幅×奥行×高さ):626mm×204mm×59mmm

ところで「MTX Audio」のパワーアンプといえば、ブラック基調のモデルが多かったのだが、今作はヘアラインフィニッシュされたダークシルバー調のアルミボディ製である。なんともリリカルで、かつクール。個性的なルックスだ。

また、トッププレート中央には、基板の一部が見えるように窓が設けられていて、電源がONになるとレッドのLEDがほのかに光る。マシニングされたブランドロゴも独特の風合いで、高級感を絶妙に演出している。どこをみても、これまでの「MTX Audio」のアンプとはイメージが異なっている。

訊けばそれもそのはず。当シリーズは、「MTX Audio・ヨーロッパ」で、企画・開発されたモデル、とのことなのだ。

「MTX Audio」はアメリカン・ブランドであるのだが、グローバルに展開する上で、北米以外にも、「ヨーロッパ」、そして「アジア」と、計3つの拠点を持っているという。

カーオーディオ製品に対するニーズも、国や地域によって違いがある。北米では高額な製品の人気は高くないのだが、ヨーロッパでは、どちらかといえばハイエンド志向が強い。そういった傾向を背景にして当モデルは、「MTX Audio・ヨーロッパ」によって、主に欧州のハイエンドカーオーディオ・フリークに向けて作られた製品なのだ。

外観のテイストはまさに、ヨーロッパのセンス、というわけなのだ。
MTX Audio・RFL4120
そして設計思想は、音質最優先。ヨーロッパのオーディオファイルの求めに応えるべく、最高の「MTX Audio」サウンドを実現しようと、同社のテクノロジーがフル注入されている。素子類の選定においても妥協なく優良パーツを厳選。サンケン電子製のトランジスターや高品位なバッファキャパシターなど、ハイクオリティな音響用パーツが惜しみなく投入されている。電源部の強化も抜かりない。

さて、実際のサウンドは、コンセプトどおりの仕上がりとなっているのだろうか。イース・コーポレーションの試聴室において、『RFL4120』をじっくりと聴かせていただいた。

“エレガント”な充実感ある音色が、至って耳に心地良い…。


まずは、試聴システムからご紹介しておこう。PCをソースユニットとして使用し、その中の音楽データを、USB DACを介してパワーアンプへと送り込む、というシステムレイアウトが取られていて、リファレンススピーカーは同じく「MTX Audio」の新機軸3ウェイコンポーネント『IMAGE PROシリーズ・IP663』(税抜価格:7万5000円)。クロスオーバーは、同機に付属のパッシブクロスオーバーネットワークを使用した。

なお試聴は、アンプに備わっている4chのうちのフロントchのみを使用して実行した。ケーブル類はすべて「モンスターカーオーディオ」で統一されている。

厳密なゲイン調整を施していただいた後、10分ほどの暖機運転を経て、本格的な試聴へと移っていった。
MTX Audio・RFL4120
テスト音源を適度なボリュームで鳴らし、まず感じたのは…。音色の深みと温かみだった。質感が上品で、かつ充実感に溢れている。“エレガント”という言葉がもっとも似合っているだろうか、聴き応えのある濃厚なサウンドが堪能できた。

細部に注目してみると、このパワーアンプの性能がHi-Fiの範疇にあることを、改めて実感した。解像度、S/N、情報量といった、アンプの基本スペックが、価格的なレベルを十二分にクリアしている。高域は至ってスムーズ。細やかで密度が濃く、その上で音の輪郭がシャープ。微細な音量の楽器の音も埋もれることなくはっきりと表現できている。

ボーカルのリアリティも良好だ。中域に厚みがあり解像度も高いので、声質の雰囲気を正しく表現し、さらには余韻も美しく描き出す。低域のレスポンスもなかなかに素早くビート感は軽やかだ。しかしながら量感はほど良くあり、重心は低い。

総合力の高いパワーアンプだと感じた。さまざまなタイプの音源をそつなく再現し、かつ、それぞれの特長を(美味しいところを)、しっかりと描き切っていた。

また、アメリカンブランドらしいパワー感と、ヨーロッパ製品らしい上品さを併せ持っているとも思った。このあたりも当モデルならではの魅力だろう。

聴き疲れのしない、いや、長く聴いていたくなる耳あたりの良いサウンドがお好みならば、当機は格好のターゲットになり得るはずだ。ミドルグレードの安心して使えるパワーアンプを探しているのならば、当モデルも候補に入れるべきだ。

「MTX Audio」の新たな一面が見られた気がする。良質なパワーアンプがまた1つ、日本市場に登場した。要注目。

《太田祥三》

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