【カーオーディオ深層探究】トゥイーターのインストール学 Section.1 「高さ」について 取材協力/エモーション | Push on! Mycar-life

【カーオーディオ深層探究】トゥイーターのインストール学 Section.1 「高さ」について 取材協力/エモーション

カーオーディオ 特集記事

ダイヤトーン・DS-G500
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カーオーディオの奥深き世界を探究せんとするスペシャル連載をお届けする。今回のテーマは“トゥイーターのインストール学”。実力プロショップに取材し、毎回テーマを絞りながら、トゥイーターの取り付けにまつわる“奥義”の数々を明らかにしていこうと思う。

カーオーディオには、さまざまなノウハウやセオリーがある。車種や使用ユニット、さらにはもろもろの都合で、条件が都度異なるので絶対的な公式はないものの、指針となる理論は存在し、普遍的なセオリーも多々ある。今特集では、そういった核心的な部分に深く切り込みながら、カーオーディオの奥深さ、面白さをも浮き彫りにしていこうと思う。

さて、今回取材にご協力いただいたのは、『エモーション』(福岡県)の橋本さんだ。業界きっての理論派として知られる、実力インストーラーである。

当回は、トゥイーター取り付けにおける“高さ”についてご教授いただいた。以下、一気にお話をご紹介する。じっくりとお読みいただきたい。

「“高さ”がどうあるべきかを考える前に、どういう状態を目指すべきか、からお話させてください。最終的にはスピーカーの存在が消えることが1つの目標となりますが、それを成し得るためにもまず、『左右のスピーカーそれぞれが、“点音源”となること』を目指さなければなりません。

片側のトゥイーターとミッドウーファーだけを鳴らしたときに、トゥイーター、ミッドウーファーそれぞれから音が聴こえてくるのではなく、2つのユニットを結ぶ線上の1点に、あたかも12cm口径のフルレンジスピーカーがあるかのように聴こえてくる。このような状態を目指すべきなんです。

左右のスピーカーそれぞれを“点音源”とするためには、位相の管理が重要です。そしてそれを正しく行うためには、高さだけが問題ではなく、取り付け位置や角度、さらにはクロスオーバーやタイムアライメント等々、もろもろを正しくコントロールする必要あります。

なお、“点音源”を実現させるにあたって、それがどこに位置するか、も考慮しなければなりません。適度な高さがあると考えています。適度な高さとは、エアコン吹き出し口あたり、です。

“点音源”の高さについては、トゥイーターの高さが影響を与えます。トゥイーターの取り付け高さが低くなれば“点音源”の位置も低くなる傾向にあり、高い位置に付ければ“点音源”の位置も高くなる傾向にあります。

これについては、1つの目安があります。『トゥイーターとミッドウーファーを結ぶ線上のミッドから見て70%くらいの位置にエアコン吹き出し口がくるように、トゥイータの高さを設定する』ことですね。

しかし、それありきではない、ということも頭に入れておいてください。条件や都合によって、状況は変わっていきます。目指すべきは“点音源”で、それに向かって高さも含めてさまざまな要件を勘案して位相を管理することが大事です。高さがこうあるべき、ということは、前提にはならないんです。

それを踏まえた上で、トゥイーターの高さを決める上での傾向と対策がもう1つありますので、それもご紹介してみましょう。

結論から先に言いますね。『軽自動車等の車幅が狭いクルマではトゥイーターは低めに、車幅が広いクルマではトゥイーターは高めに取り付けると良い』、というものです。

理由は以下です。まずはレコーディングの現場をイメージしてください。レコーディングにおいてエンジニアの方は、コントロールルームでニアフィールドにあるスピーカーの音を聴きながら、ミキシングをしていきます。大抵、左右のスピーカーとエンジニアとの距離関係は、正三角形になっているはずです。

話をカーオーディオに戻します。今度は、タイムアライメントを取った後のリスナーとトゥイーターの位置関係をイメージしてください。そのときの三角形において、底辺(左右のトゥイーターを結んだ線)が正三角形より短くなったとします。そうすると、左右に5:5の比率で録音されていたセンターの音情報が、レコーディングスタジオでエンジニアが聴いていた状態よりも厚くなります。

このように左右の重なりが大きくなると、音像は上がります。逆に、底辺が長くなると、センターの音情報が薄まり、音像が下がっていきます。

トゥイーターの高さを変えることで、これに対処することが可能となります。左右のトゥイーターの距離が短くなる場合は、取り付け位置を低めにすることで、音像が上がるのを抑制でき、左右の距離が長くなる場合は逆をすれば音像が下がるのを抑制できます。

とりあえずはこんなところでしょうか。今回は敢えて、“高さ”についてお話したわけですが、“高さ”だけが問題ではありません。最終的に目指すべきサウンドがあり、それに向かって総合的にもろもろをコントロールしていく必要がありますから、今回の話は参考として聞いていただけたらうれしいですね」

今回お訊きした内容は以上だ。橋本さんならではの、検証に裏付けされた説得力あるお話だった。実に興味深く聞かせていただいた。

しかし…。

高さについてだけでも、これだけのノウハウが存在するのである。カーオーディオの面白さも改めて感じたところなのだが、いかがだったろうか。

さて次回は、“位置”についてのあれこれを、また別のプロショップへのインタビューでご紹介していく。次回は明日の更新となる。お読み逃しなく。
《太田祥三》

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