アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.85 デモカー・Audi ハイレゾ化への道 15 番外編 Part.9 | Push on! Mycar-life

アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.85 デモカー・Audi ハイレゾ化への道 15 番外編 Part.9

カーオーディオ 特集記事

アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.85 デモカー・Audi ハイレゾ化への道 15 番外編 Part.9
  • アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.85 デモカー・Audi ハイレゾ化への道 15 番外編 Part.9
  • 二科展の1次審査を通過した、松居さんの作品『紅の静寂』。
アンティフォンのデモカー・Audiのハイレゾ化をきっかけとして、ハイエンドのなんたるか、そして、カーオーディオコンテストの楽しみ方についてへと、話は膨らんできた。今回は、コンテストを楽しむための“攻略法”の続編を、ディープにお届けする。


『パイオニア・カーサウンドコンテスト』から始まった『パイコン』スタイルのカーオーディオコンテストにおいて、「良い結果を得るための鍵は課題曲にある」と前回、結ばさせていただいた。今回はそのことについて綴らせていただこうと思う。

さてその課題曲だが、近年は、装置の完成度を浮き彫りにするようなスペシャルな音源ではなく、普通の音楽CDを使うことが定着してきている。

ちなみに、『パイコン』スタイルのコンテストよりも前からあったIASCA(アイアスカ)などでは、エントリー車両ごとの小さな差を浮かび上がらせ、その差を聴き分けられるような特別な音源が用意され、コンペティションが行われてきた。コンテストに出ようと思うほどのシステムはどれも研ぎ澄まされていて、中途半端な完成度の車両はまずない。だからこそ、コンテスト用のスペシャルな音源が必要だったのだ。

それに対して『パイコン』スタイルのコンテストでは、いたって普通のCDが課題曲として使われているのである。

なぜ『パイコン』スタイルのコンペが普通のCDで審査されているのだろうか。それは、審査内容が装置の性能を競うだけではなく、「再生状態を作品として評価する」コンテストとして進化してきたから、に他ならない。テクニカル、またはメカニカルな差異を表現できるかどうかよりも、「音楽性」が重視された結果なのである。

ここで一旦、話を脇道にそれさせていただく。

以前にも少々書かせていただいたことがあるのだが、私は最近、写真の世界にハマっている。それが少しずつエスカレートしてしまい、とうとう二科展にエントリーするまでに至った。それがどうしたことか、なんとビギナーズラックが的中し、1次審査を通過してしまったのである。

写真の世界もオーディオに負けず劣らず、好奇心を刺激する世界だ。また、よく似た世界でもあると、常々感じている、改めて考えてみると、再生音を形容する言葉には、解像度、色彩感、コントラスト、フォーカス、など、写真の世界から来ている言葉が多い。求めていることも同じような気さえする。

しかし、写真とオーディオには、大きな違いもある。それは、写真では撮影と現像の両方を行い作品を仕上げるのに対し、オーディオでは現像(音響調整)を行うのみ。ここが、大きく異なっているポイントだ。

というわけで、『パイコン』スタイルのサウンドコンテストでは、別の人たちが録った作品を、心に残る演奏として聴いてもらえるよう調整を行い、それに臨む。そしてコンテストでは、その日聴いた中で一番「心に残る演奏として」聴けたクルマが、チャンピオンになる。Hi-Fiの度合いもここでは1つの要素でしかない。

しかし実を言うと、自分で行えることは調整だけではない。作品を製作(録音)できずとも、その作品を研究することはできる。現像だけで勝負に臨むのではなく、撮影の部分にも踏み込むべきだと思うのだ。

まずは課題CDを、いろいろな装置やシチュエーションで聴いてみることをおすすめしたい。さらには、なぜこのCDが選ばれたのだろうかといったことを、慮(おもんばか)るのも良いだろう。

そのような作業を重ね、再生音が心地よく、刺激的な再生ができてきたら、勝利は近い。そしてそれを友達に聴いてもらって、印象を聞いてみることもお忘れなきように。人に聴いてもらうこともトレーニングとなるからだ。

今年のコンテストで印象に残った課題CDは、“ボズ・スキャッグス”、“マヤ”などだ。ボズ・スキャッグスのカントリーにはジェネレーションを感じ、誰がどんな思い出からこの曲を選んだのだろうかと思った。興味深かった。

「第1回 ハイエンドカーオーディオコンテスト」では、“マヤ”の雰囲気を味わうために、出演中のライブハウスへ出向き、聴いたイメージを調整に反映させたクルマが優勝を収めていた。その再生音は「びっくりポン」で、Hi-Fiの範疇にありながらもギリギリを攻め、上手にリマスターしたように整っていてゴージャス。メジャーレーベルのCDのように聴こえていた。

来年はどんな課題CDが選ばれ、どんな音の世界が繰り広げられるのだろうか。コンペティションを楽しむ神髄は、掘り下げていくことにあると思う。そうしながらチャレンジしていくことで、上達していくのではないだろか。
《松居邦彦》

特集

page top