【シネマ羅針盤】2015年10月21日、ロバート・ゼメキス監督が語った映画の“未来” | Push on! Mycar-life

【シネマ羅針盤】2015年10月21日、ロバート・ゼメキス監督が語った映画の“未来”

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来日したロバート・ゼメキス監督
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代表作『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の舞台となった2015年10月21日(水)、監督のロバート・ゼメキスは日本にいた。最新作『ザ・ウォーク』を引っさげ、プロモーション来日を果たしたのだ。同日、都内で会見を行い、映画が進むべき“未来”について語った。

「今後、ますますデジタル技術が本領を発揮し、より効率的かつ経済的…つまり製作費を抑えた映画製作が可能になるはず。私自身、最新のテクノロジーを駆使するのは大好きです。ただし、あくまで伝えたいストーリー、描きたいキャラクターあっての話であり、『この技術を使いたいから、こんな映画を作ろう』という発想は本末転倒。アートの領域において、デジタル技術はより良い作品づくりを手助けしてくれるツールだと思っている」

その言葉通り、ゼメキス監督は先端技術を武器に、映画の可能性を切り開く“開拓者”である。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作はもちろん、実写とアニメが見事に融合した『ロジャー・ラビット』(1988)や当時のVFW技術を駆使し、メリル・ストリープをイジり倒したコメディ作品『永遠に美しく…』(1992)。巧みな語り手としても評価が高く、『フォレスト・ガンプ/一期一会』『コンタクト』『キャスト・アウェイ』と秀作を連打する。

21世紀に入ると、モーションキャプチャに執心し『ポーラー・エクスプレス』『ベオウルフ/呪われし勇者』といった3DCG長編アニメーションを発表した。久々の実写復帰作となった、デンゼル・ワシントン主演の『フライト』(2012)は依存症というシリアスな題材を扱ったヒューマンドラマ。重厚かつスリリングな演出が、熱心な映画ファンの支持を集めたのは記憶に新しい。第85回アカデミー賞では、脚本賞と主演男優賞にノミネートされた。

最新作『ザ・ウォーク』は1974年、フランス人の大道芸人、フィリップ・プティが、当時世界一の高さを誇ったニューヨークのワールドトレードセンターのツインタワー間で、命綱なしの“綱渡り”に挑んだ実話を映画した。意外にも実在の人物が主人公になるのは、ゼメキス作品では初めて。見どころは思わず足がすくむ驚異の3D映像だが、プティの数奇な人生を描くファンタジックな語り口は、『フォレスト・ガンプ/一期一会』を連想させる。

ちなみに来日会見で、ゼメキス監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの新作やリブートに関して「すでに完結しているから、作る予定はない」と断言。常に“未来”を見続けるゼメキス監督にとっては、当然の見解であると同時に、過去のヒット作を資産運用するフランチャイズ映画だらけのハリウッドへの警鐘にも受け取れる。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』第1作から30年。次の30年は映画にどんな未来をもたらすのか?

『ザ・ウォーク』は2016年1月23日(土)より公開される。
《photo / text:Ryo Uchida》

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