サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #38: 第4章 ヘッドフォン、ホームオーディオ、カーオーディオ それぞれでの音楽の聴こえ方の違いとは…Part.2 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #38: 第4章 ヘッドフォン、ホームオーディオ、カーオーディオ それぞれでの音楽の聴こえ方の違いとは…Part.2

#38:
第4章 ヘッドフォン、ホームオーディオ、カーオーディオ それぞれでの音楽の聴こえ方の違いとは…Part.2

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#38:
第4章 ヘッドフォン、ホームオーディオ、カーオーディオ それぞれでの音楽の聴こえ方の違いとは…Part.2


今回の当シリーズでは、音楽を聴く環境としてカーにはどのようなメリットやデメリットがあるのかを、改めて掘り下げてみようとしている。前回はまずヘッドフォンとスピーカーとを比べて、そもそもスピーカーとはどのような目的で作られている製品なのかを解説していただいた。さて、今回はどんなお話になるのか…。ゆっくりとお読みいただきたい。


前回はヘッドフォンについてお話しさせていただいた。

ちなみにヘッドフォンは、構造的にはマイクロフィンにとても近く(マイクロフィンをヘッドフォンジャックに接続したらヘッドフォンみたいな音がする)、マイクロフォンメーカーの得意分野でもある。ダイナミックタイプとコンデンサータイプがあり、アナログレコード用の針(カートリッジ)もまた、これらのメーカーの得意範囲である。

SHURE、AKG、オーディオテクニカ、SONY、などが有名所だ。

さて、音楽会で聴く音とは、楽器が振動させた空間の“空気振動”が伝わる状態で、オーディオ技術はそのステージの状態を復元(再現)する技術である。

録音技術+再生装置の技術が50:50で影響し合っていて、グラモフォン、デッカ、フィリップス等が独自のスタイルでHi-Fiを追求し、再生装置も長い時間をかけて進化してきた。

スピーカーの進化が最も分かりやすい。ダイナミック型、コンプレッションドライバー+ホーンから、プレーナータイプ(大型の平面スピーカー)を経て、現代のスピーカーになった。

最初はダイナミック & ワイドレンジであったものが、デジタルレコーディング時代に入り、録音技術が進化し臨場感が一段と向上した。再生装置もそれに合わせ、ダイナミック & ワイドレンジ+時間軸の最適化を求めるようになり、位相整合されたダイナミック・マルチウェイシステムへと発展してきている。

プロジェクターで投影するように、2本のスピーカー後方に立体的なステージが出来上がる(サウンドステージ)。

2次元のはずなのに3次元のようなイメージが目前に現れ(フォログラフィックイメージ)、生演奏のような臨場感を感じる(トランスペアレンシー)ことができるのだ。

装置のレベルは年々向上している(だんだんエスカレートしていて、8Ω1000W級であり、2Ωまでリニア動作するブレーカー6個を占有する重量200kgx2台、3千万円を超える価格のパワーアンプも存在するほどである)。

そしてカーオーディオ。

カーオーディオも例外ではなく、同じ方向で年々進化している。しかし、ホームオーディオと比べ、リスニング環境において大きな違いがある。ドライバーの前方に立体的なステージが出来上がるべきなのだが、それを難しくさせる要因が存在するのだ。それは、スピーカーが振動させる空気の量の違い、である。

ホームオーディオでも同じで、例えば4畳半の部屋では部屋の中の空気の量が少ない。その中でオーケストラのサイズをリアルに感じることは難しい。

デジタルプロセッサーを利用し位相整合ができても、狭い空間では低域が飽和してしまい、低音楽器の臨場感が得にくい。

これを何とか「根性」で克服出来ないか…。そう日々取り組んでいるのだが…。

(続く)

《松居邦彦》

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