サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #26: 「DIATONE SOUND.NAVI」Part.4 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #26: 「DIATONE SOUND.NAVI」Part.4

#26:
「DIATONE SOUND.NAVI」Part.4

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#26:
「DIATONE SOUND.NAVI」Part.4


「DIATONE SOUND.NAVI」について語っていただいてきたシリーズも、今回が最終回。今回は、このナビに搭載されているダイヤトーンならではの機能、「マルチウェイタイムアライメント」について解説していただきながら、「DIATONE SOUND.NAVI」の可能性について総括していただいた。じっくりとお読みいただきたい。


「DIATONE SOUND.NAVI」について続きをお話しする。このセットに搭載されている他にはない機能、「マルチウェイタイムアライメント」について書いてみたい。

ところでこの「マルチウェイタイムアライメント」という機能。これはダイヤトーンのデジタルプロセスセンター・DA-PX1で開発されたプログラムで、音楽信号を任意に設定したポイント(ほとんどの場合クロスオーバーポイント)から上下に分離し、DSP処理を行う機能。仮想マルチアンプシステムといった感じで、アナログのパッシブクロスオーバーネットワークを使用した状態でタイムアライメント調整が行える、というものだ。

「DIATONE SOUND.NAVI」においてこの機能を使えば、純正スピーカーのまま、ある程度の時間軸の補正も可能になる。また、ネットワークを含めたスピーカーシステムの個性を楽しむ、というようなシステムレイアウトを構築できる。また、マルチアンプシステムとマルチウェイタイムアライメントを組み合わせることで、3Way+サブウーファーのシステムまでを構築可能となる。省スペースでありながら欲張りなプランも可能になるのだ。


「DIATONE SOUND.NAVI」Part.4


僕はダイヤトーンスピーカーのフラッグシップモデルDS-SA1と、DA-PX1を組み合わせたシステムで、この機能を使用した経験がある。この機能と本当のマルチアンプとの違いは、スピーカーコンポーネントの距離差をある程度補正する機能か、位相整合をクリイティブに行うシステムかの違いである。

「マルチウェイタイムアライメント」を使う場合、僕は補正する距離の差を、ある程度の範囲に留めて使うようにしている。これはなぜかというと…。

2ウェイスピーカーを使っているとき、仮にマルチウェイタイムアライメントで4kHzを境目にして、下の音に対して遅延をかけたとしよう。そしてネットワークのクロスポイントも4kHzだったとする。しかしクロスオーバーポイント付近の音は、ツイーターからもミッドベースから発せられている。ネットワークは、音楽信号をスパッと上と下に分けるものではないからだ。ツイーターで考えたとき4kHzより下の音は、周波数が下がるほどに減衰はしていくが、4kHzより下の音もツイーターから発せられているわけなのだ。


「DIATONE SOUND.NAVI」Part.4


結果、マルチウェイタイムアライメントを使った場合、ツイーターとミッドベースの両方から発せられるクロスポイント付近の音は、リスナーの耳に届くタイミングがずれることになる。これが気にならない範囲に、補正する距離の範囲を大きく取らないようにしているのだ。

上下の音にかけるタイムアライメントの数値の差の目安は、僕の中では20msc以内と考えている。人の聴覚はこの時間差を超えると2つの音と認識するらしい。もちろんこれ以上に設定しても違和感がなければOKである。

さて、この「DIATONE SOUND.NAVI」。メモリースロットも充実していてUSB入力に加えてSDカードのスロットもあり2DINサイズのモニターとも相まって、沢山の楽曲を管理できて便利だ。これだけ便利なのだから、どうせなら楽曲、アーティスト、ジャンル、での検索が可能になるなど、Appleを大いに見習っていただいて、将来的にはさらに充実してほしいと思っている。

FLACファイルや、ハイレゾ音源にも対応してほしいと切望する。そこまで使えるようになってほしいと思わせるほど、音の素性が素晴らしいからだ。

クルマをオーディオレスで購入して、プロショップでこのサウンドナビプレミアムモデルを購入! そういうチョイスをみなさんに(是非、自信を持って)おすすめする。

《松居邦彦》

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