【東京モーターショー15】「RX-VISION は夢の北極星」マツダのキーマンがクルマ作り語る | Push on! Mycar-life

【東京モーターショー15】「RX-VISION は夢の北極星」マツダのキーマンがクルマ作り語る

自動車 ニュース

「RX-VISION は夢の北極星」マツダのキーマンがクルマ作り語る(東京モーターショー15)
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  • マツダ RX-VISION コンセプト
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自動運転や新エネルギーなどの技術展示が注目を集める一方で、フューチャーデザインコンセプトの提案に乏しいとも言える東京モーターショー2015。その中で大いに気を吐いているのは、2ドアスポーツカー『RX-VISION』だろう。10月29日の夕刻、そのRX-VISIONの前で、マツダのクルマづくりをつかさどるキーマン3人によるミニトークショーが行われ、会場は多くのファンで黒山の人だかりとなった。

「私がデザイナーになったのは、スポーツカーを作りたい、その思いだけでした。こういう(RX-VISION)ような真剣なスポーツカーを作るのは僕のライフワーク。死ぬまでには絶対作り上げたいし、そもそもこのクルマのターゲットユーザーは私。夢で終わらせるつもりはありません」

デザイン担当執行役員の前田育男氏が思いをこう語ると、聴衆から拍手が巻き起こった。

ロータリーエンジンは普通に作っていたのでは構造上、ピストンエンジンに比べて熱効率が悪い。その差は詰まることはあっても熱効率で並ぶ、あるいは超えるということは考えられない。が、お話にならないほど悪いという現状が改善され、やや劣るというレベルに到達すれば、ピストンエンジンと同じ出力をはるかに小さい容積のパワープラントで出せるという特性を生かしてボンネット高の低い流麗なデザインや低重心化という別の魅力でネガティブ要素を補完できる目が出てくる。デザイナーサイドは今、技術進化を待っている状況で、前田氏の言葉からはまさに待ち焦がれる思いをにじませたものだったと言える。

それに対して、研究開発のディレクション役である藤原清志常務執行役員は、

「ラグビー日本代表が屈強なライバルに劇的な勝利を上げた。それはチームワークのたまものでしたが、チームワークこそが日本の武器になりうるという方法論を持てたのは、夢、ビジョンがあったからだと思うんです。まずは“あそこに行きたい”という高い理想を掲げることが重要なんですね。クルマづくりも実はチームワークが重要で、開発、デザインはもちろん、生産、購買(部品の調達)、マーケティング、コミュニケーションなど、みんなが夢を持って、ビジョンを掲げて仕事をしています。夢を実現させるのだという高い志を持ってクルマづくりを続ける」

と語り、夢を夢のまま終わらせないことが小規模メーカーであるマツダの生きる道だという理念を示した。

マーケティング担当としてマツダのブランディングを手がけている毛籠勝弘常務執行役員は、

「マツダは『ロードスター』を26年間販売してきました。累計販売台数は90万台ですが、これは営業力ではなく、お客様がロードスターを好きになって、自分から選んでくださった結果の数字だと思っています。私はヨーロッパに駐在していたとき、マツダにとって大事なのはシェアではない、愛されることなんだと実感しました。ゆえにマツダは、走ることの喜びという一点に焦点を当てて、クルマのある人生がより楽しくなるよう支援することに特化すべきだと考え、今日に至ったのです。RX-VISIONはわれわれマツダが実現したい夢の北極星であり、マツダをそういうブランドを育てていくことについての決意表明。現状ではまだわずか(登山の)3合目に届くか届かないかという段階。しかし、残り7合を必ず登って行きたい」

と、実現への闘志をあらわにした。

RX-VISIONはRXの文字が示すとおり、ロータリーエンジン搭載車を表現したコンセプトカー。走行不可能なデザインコンセプトだそうだが、エンジン寸法がコンパクトで歩行者障害軽減性を保ちながらボンネットを低く設計できるというロータリーの長所を目いっぱい表現するという点では実によく考えられたデザイン提案であるように見受けられた。また、余計なプレスラインを使わず曲面でクルマ全体のテンションを保つという難しいテーマについてある程度の回答を出していることも注目に値する。マツダが「魂動」と名づけているデザイン哲学の未来形を示しているとみていいだろう。

もっとも、ブランドづくりという観点では、デザインはあくまでサブだ。素晴らしいデザインがブランドを作るのではなく、ブランドにふさわしいデザインがあるだけだ。この第2世代“魂動”デザインを具現化するまでに、マツダは自らのブランドイメージをそれにふさわしい地位に上げておく必要があるのだが、それはとてつもなく険しい道である。マツダの挑戦がどう結実するのか、その行方が興味深い。
《井元康一郎》

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