【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは? | Push on! Mycar-life

【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?

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【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?
  • 【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?
  • クロエ・グレース・モレッツ/『アクトレス~女たちの舞台~』 - (C)  2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR
  • ジュリエット・ビノシュ/『アクトレス~女たちの舞台~』 - (C)  2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR
  • 【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?
  • 『アクトレス~女たちの舞台~』 - (C)  2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR
  • 【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?
  • 『アクトレス~女たちの舞台~』 - (C)  2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR
女優として輝き続けるために、葛藤するマリア・エンダースの姿を通して、ひとりの女の壮絶な生き様を描いた『アクトレス~女たちの舞台~』。業界の裏話を盛り込みつつ、華やかなだけではない女優たちの素顔を映し出しています。演じることへの苦悩、歳をとること、若手の台頭といった恐怖にどう立ち向かうかも丁寧に描写していき、女優、女そして、もっと突き詰めて、人間の本質に迫っていくのです。

女優である主人公マリアを通して、オリヴィエ・アサイヤス監督は何を描きたかったのでしょう。来日した監督にお話を伺いました。今回は、その内容をたっぷりご紹介します。

――仕事仲間としてではなく、作品のテーマのひとつとして女優に興味を持った理由、きっかけは?
「女優の中に働いているものに興味を感じるんです。人間的なもの、より普遍的なものが女優だと思います。人間的なものが女性的なのではなく、人間的なものは普遍的であり、それは女優の中に見出されるものなのではないかと。これはジュリエットのための作品ということではなく、人生を出発点として、女優を主人公にした作品をつくるにあたり、ヒロインのマリアにジュリエット・ビノシュを使いたいと思ったのです。彼女とは長い付き合い。だからこそ、この映画のように“時間”をテーマにした作品を作ることができたと思います」

――配役も面白いですね。特にスキャンダル報道の多いクリステン・スチュワートが、スキャンダル女優の話をする場面が面白かったです。キャスティングにはどのようなこだわりがあったのでしょうか。
「クリステンは初めからエージェントのヴァレンティン役をやってもらおうと思い、私からオファーしました。スターを探していたわけではなくて、アメリカの若い女優で、存在感のある女優を探していました。彼女はあの世代の女優では抜きん出ていると思います。小さな役ではありましたが、ショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』の時から存在感を示していましたし、ユニークな存在感のある稀有な女優だと思っていました。ハリウッド映画に出ている彼女にとってインディペンデントな映画はリスクかもしれませんが、彼女の女優としての未来が少しだけ変わるような、今までの映画では与えられなかったものを与えてあげられるのではないか、と思いました」

――映像世界と現実、真実と嘘、表と裏の境界線がなくなるような世界に生きる女優たち。ときに、役と自分の境界線もあいまいになり不安定になることもあるように描かれていましたが、そこまで献身的なマリアのような女優をどう感じているのでしょうか。
「現実に女優はそういう世界に生きていると思います。俳優にとって自分が演じる役と自分を同一視しないでいることは難しいのです。同一視という言葉が適切じゃないとすれば、女優は自分が演じる登場人物と自分を重ね合わせていると思います。そして、それを人生の一定時期に行い、そのように自分自身の二重化が起こる、二つの生を生きることになります。それはマリアだけではなく、芸術に携わる全ての女性の姿ではないでしょうか?」

――役を演じるに当たり、追い詰められる女優たちも側で観て来たと思いますが、監督は揺れ動く女優たちにどう寄り添うべきだと思うのでしょうか。
「私の場合、そのような問題に直面したことがありません。女優にしても、役になりきるまでの道があって、それを辿ってこなければ役になれませんが、その仕事は映画の撮影が始まる前に俳優が自立した形で行っていきます。撮影が始まった時に俳優たちは自分自身が演じなければならない役と和解していて、調和的な関係を持っています。そこで、映画作家の仕事は俳優たちに自信を与えることです。それは映画作家が俳優に投げかける視線の質に関わってくるでしょう。女優であっても男優であっても映画作家の視線が、要求が高いものであることが重要です。映画作家の側から要求の高い視線が送られるということは、逆に自分たちが冒しているリスクは価値があるものだ、やる甲斐がある、という、安心させるものになるからです。映画作家は何よりも作品の最初の観客ですから」

――対峙する大女優と若手女優の2人には、インスピレーション源となる存在がいたのでしょうか。
「この映画は、ジュリエット・ビノシュからインスピレーションを与えられて作った作品ですから、ジュリエットが全てのインスピレーション源です。映画に出てくるすべてのものがジュリエット・ビノシュによって照らし出されている。すべてがジュリエットとの関係によって成立しています。すなわちジュリエット・ビノシュ以外の女性はすべて彼女の投影であり、彼女の演じているマリアの若い時の反映になっています」

――女優とは監督にとって、どんな存在なのですか?
「女優とは私にとって、人間的なもので、理解する知性があり、そしてそれを心の中で再現できる人。そしてカメラ映りの良さ、カメラとの関係が神秘的であることだと思います」
《text:June Makiguchi》

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