【ランドローバー ディフェンダー 新型試乗】直6ディーゼルの上質感は「半端ない」…吉川賢一 | Push on! Mycar-life

【ランドローバー ディフェンダー 新型試乗】直6ディーゼルの上質感は「半端ない」…吉川賢一

◆待望の直6ディーゼル
◆悪路であるほど本領を発揮する
◆2.0リットル仕様じゃ物足りなくなる

自動車 試乗記
ランドローバー ディフェンダー 110 D300
  • ランドローバー ディフェンダー 110 D300
  • ランドローバー ディフェンダー 110 D300
  • ランドローバー ディフェンダー 90 P300
  • ランドローバー ディフェンダー 90 P300
  • ランドローバー ディフェンダー 110 D300
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  • ランドローバー ディフェンダー 90 P300
  • ランドローバー ディフェンダー 90 P300

待望の直6ディーゼル

ランドローバー ディフェンダー 110 D300 と 90 P300
全幅1995mm、全高1970mmの巨大なボディを持つ、ランドローバーの新型『ディフェンダー』。3ドアの「90」、5ドアの「110」、どちらもその巨体から溢れる逞しさと、堅牢感は半端ない。

箱型ボディにマッシブなフェンダー、立ち上がったフロントウィンドウ、水平なショルダーライン、切り立ったテールなど、「オフローダーの最高峰」こと、初代ディフェンダーのデザインをオマージュし、現代技術で蘇らせたらこうなるだろうな、という印象そのものだ。ちなみに、2021年度のワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。


今回のディフェンダーのホットポイントは、待望の3.0リットル直列6気筒ディーゼルターボエンジンをラインアップに加えたことだ。パワーは最高出力300ps、最大トルクはなんと650Nmにもなる。ディフェンダー110の車両重量はおよそ2.4トンとそれなりにヘビーにもかかわらず、実に走りが軽い。巨大なマンモスが猛烈に突進してくるような、そんな雰囲気がある。

悪路であるほど本領を発揮する

ランドローバー ディフェンダー 90 P300
ランドローバージャパンが試乗コースとして設定した道は、普段のクルマならば絶対に走ることはできない、岩の落ちた野道と、池の回りを走るぬかるみ路だ。

乗り込むため、ディフェンダーのドアを開けると、「シュッ」という空気の抜ける音がする。クルマの気密性が高い証拠だ。それもそのはず、ディフェンダーの最大渡河水深は900mm(エアサスの場合)。浅めの川ならば渡っても、水が浸入することはない。例え車外が嵐や台風でも、車内は涼しい顔で過ごせるのだ。

握りこぶし大の岩がゴロゴロと落ちている坂道は、ディフェンダーが繰り返し走ったことで道が荒れ、さらには土砂降りという絶好(!?)の悪天候も相まって、流れ出した土で路面はドロドロ。だが、そんな悪路であればあるほど、ディフェンダーは本領発揮するのだから凄い。「何処でも走る」という精神的余裕は、何事にも代えがたい安心感となる。

2.0リットル仕様じゃ物足りなくなる


しかもこの直6ディーゼル、振動の少なさや回転フィールなど、上質感が半端なく、初代ディフェンダーのやや粗暴なイメージとはかけ離れている。従来仕様の2.0リットル直4ターボでも十分という方もいるが(実際、十分な走破性を持っている)、オンロードの一般道や高速道路などで直6ディーゼルの旨味を味わってしまうと、2.0リットル仕様が物足りなくもなる。もはやゼイタク病だ。

たとえば、ディフェンダーを購入された方向けに、オフロード体験会などを企画していただけると、よりディフェンダーを楽しむことができるのではないか、と思う。ディフェンダーを手にしたオーナーに、「オーナーになってよかった」と味わっていただければ、リピーターを集める近道にもなると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★★

吉川賢一|自動車ジャーナリスト
元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

《吉川賢一》

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