“ロー”を制する者はカーオーディオを制す! Part.6 サウンドチューニングのコツとは? | Push on! Mycar-life

“ロー”を制する者はカーオーディオを制す! Part.6 サウンドチューニングのコツとは?

「“Low(ロー)”=低音」を楽しむことを推奨し、楽しみ方の方法論を解説している当短期集中連載。第6回目となる今回は、低音再生ユニットを導入したときの「サウンドチューニング」のやり方を解説していく。

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サブウーファーボックスの設置例(製作ショップ:パラダ)。

「“Low(ロー)”=低音」を楽しむことを推奨し、楽しみ方の方法論を解説している当短期集中連載。第6回目となる今回は、低音再生ユニットを導入したときの「サウンドチューニング」のやり方を解説していく。

■メインユニットにサブウーファーのコントロール機能が搭載されていない場合は…。

最初は、もっとも状況がシンプルなケースについて考えていく。それは、メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっていないとき。つまり、音声信号を純正オーディオの“スピーカー出力”から取り、パワードサブウーファー、もしくはパワーアンプの“ハイレベルインプット”に繋いでいる場合について考えていく。このときは、メインユニットにはサブウーファーをコントロールする機能が搭載されていないので、パワードサブウーファー、もしくはサブウーファー用のパワーアンプに搭載されている機能のみを使ってサウンドを整えていくことになる。

まず操作すべきは「クロスオーバー」だ。「クロスオーバー」とは、音楽信号を“帯域分割”させる機能である。つまり、サブウーファーに送る音楽信号の上側をカットする機能、というわけだ。ちなみに信号の上側をカットする機能のことは、“ハイカット”または“ローパス”と呼ばれている。

これを使う理由は主に2つある。1つは、使用するサブウーファーの負担を減らすためだ。サブウーファーは低音再生のスペシャリストであるが、中高音の再生は得意ではない。得意なことに専念させたほうが仕事の質が上がるのだ。そしてもう1つの理由は、フロントスピーカーとの音のダブりを少なくさせるため、である。

なお、「カットオフ周波数」(信号をカットする境目)の目安はどのあたりなのかと言うと…。ざっくり、60Hzから100Hzの間を基本と考えるといいだろう。そのあたりでいろいろと試し、低音にパンチが加わり、かつ音楽全体がすっきりと聴こえるように仕上げたい。

■トランクに搭載する際は、置き場所や向きを変えることでも聴こえ方を変えられる!

「クロスオーバー」が決まったら、続いては「正相・逆相切替」を試そう。これは前回解説した“位相”を整えるためのスイッチだ。選択肢は2つに限られるが、両方を聴き比べて、低音とフロントスピーカーの音との繋がり感が大きいほうを選ぼう。

なお、導入したサブウーファーを外部パワーアンプで駆動させる場合には、そのパワーアンプに搭載されている機能を操作することになるのだが、パワーアンプには基本的に「正相・逆相切替」機能は搭載されていない。しかし、スピーカーケーブルのプラスとマイナスを繋ぎ換えれば、“正相”と“逆相”を切り替えることが可能となる。

またパワーアンプの中には「スロープ」が選択できるモデルもある。その場合は、それも切り替えながら“正相”と“逆相”のそれぞれを試聴してみよう。その中でどの組み合わせがもっとも良いか(低音がフロントスピーカーの音と一体化するか)を聴き比べよう。

サブウーファーをトランクに置いている場合には、置き場所や向きを変えることでも聴こえ方を変えることができる。やってみると案外大きく変わることが分かるはずだ。試す価値は相当に大きい。

対して、小型・薄型のパワードサブウーファーはシート下に収まることが利点なのだが、置き場所を変えにくいことがたまにきず。とはいえ可能であれば、運転席下と助手席下とどちらが聴きやすいかを試してみたい。配線を固定した後からは置き場所を変えにくいので、取り付け作業時に仮置きして両方を聴き比べられるとベストだ。

■メインユニットに「サブウーファー出力」が装備されていれば、より詳細な設定が可能に。

続いては、メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっている場合について解説していく。

この場合「クロスオーバー」は、フロントスピーカーに対しても効かせることが可能となる。つまり、フロントスピーカーの再生する音の下側をカットすることもできる、というわけだ。

これを上手に活用するためには…。

まずは、サブウーファーを一旦切ってフロントスピーカーの音だけを聴き、フロントスピーカーの限界値を探ることから始めよう。

サブウーファーが鳴らない状態にして、フロントスピーカーの音量は普段聴いている大きさにセットする。そしてフロントスピーカーの「カットオフ周波数」をもっとも上側にして、そこから徐々に「カットオフ周波数」の値を下げていく。そうして、どこまで下げると音が濁りだすか、そしてどのあたりからドア内部がビビリ始めるかを聴き分けよう。なお、あまりにも早い段階でドアがビビリ始める場合は、ドア内部を“デッドニング”したほうが良いだろう。

このようにしてフロントドアの限界値が見えたら、フロントスピーカーとサブウーファーの「クロスポイント」は、それよりも少々上目にセットする。

そのあとは、サブウーファー出力が装備されていないときと同じように、「スロープ」、「正相・逆相切替」、そして可能ならばサブウーファーボックスの置き場所と向きをいろいろと変えてみて、フロントスピーカーの音とサブウーファーの音がもっとも繋がる(一体感を持つ)ポイントを探っていけばOKだ。

なお、愛用のメインユニットに「タイムアライメント」機能も搭載されていたら、「クロスオーバー」を操作する前に、「タイムアライメント」を設定しておこう。サブウーファーから自分の耳あたりまでの直線距離を実測して、その値を入力すればOKだ。そして「スロープ」や「正相・逆相切替」、「置き場所・向き」をいろいろと試す際にも「タイムアライメント」の値も微調整しよう。そうして低音が“前方定位”するポイントを探っていこう。

今回はここまでとさせていただく。次回は、低音強化の“裏ワザ”を紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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