『DIATONE SOUND.NAVI』ならではの システム構築術 徹底解説! #1: “純正フルレンジスピーカー”システム | Push on! Mycar-life

『DIATONE SOUND.NAVI』ならではの システム構築術 徹底解説! #1: “純正フルレンジスピーカー”システム

『DIATONE SOUND.NAVI』は、他のハイエンドヘッドユニットとはひと味もふた味も違っている。違いを生んでいるポイントはいくつかあるが、もっとも象徴的なのは、スペシャル機能“マルチウェイ・タイムアライメント”が搭載されていること。これにより独自のシステム構築が可能となっているのだ。当特集ではそこのところを改めて深掘りし、『DIATONE SOUND.NAVI』の魅力を再確認していこうと思う。当機ならばどのようなシステムが組めるのか、そしてそれぞれにはどのようなメリットがあるのかを、じっくりと解説していく。

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『DIATONE SOUND.NAVI』ならではの システム構築術 徹底解説!


『DIATONE SOUND.NAVI』は、他のハイエンドヘッドユニットとはひと味もふた味も違っている。違いを生んでいるポイントはいくつかあるが、もっとも象徴的なのは、スペシャル機能“マルチウェイ・タイムアライメント”が搭載されていること。これにより独自のシステム構築が可能となっているのだ。当特集ではそこのところを改めて深掘りし、『DIATONE SOUND.NAVI』の魅力を再確認していこうと思う。当機ならばどのようなシステムが組めるのか、そしてそれぞれにはどのようなメリットがあるのかを、じっくりと解説していく。

現在のハイエンド・カーオーディオでは、“マルチアンプシステム”(スピーカーそれぞれにパワーアンプの1chずつをあてがうシステム)が採用されるケースが多い。このシステムの主なメリットは以下の2つ。1つは各スピーカーをダイレクトに動かせるのでスピーカーの駆動力が高まること。そしてもう1つは、それぞれのスピーカーを個別にコントロールすることが可能になること。

2つ目のメリットは、特に“タイムアライメント”調整において活きてくる。リスナーに対する各スピーカーの距離差をなくすのが“タイムアライメント”の目的だが、1つ1つのスピーカーごとで距離差があり、厳密に“タイムアライメント”を運用しようと思えば、個別に扱うことがマストとなるのだ。

しかし、“マルチアンプシステム”はハードルの高いシステムでもある。スピーカーの数と同じだけのパワーアンプのch数が必要になり、コストがかさんでしまうのだ。インストールスペースも多く必要になり、その分工賃も増加する。ケーブルの必要本数も増える。


DIATONE SOUND.NAVI


それに対して『DIATONE SOUND.NAVI』に搭載されている“マルチウェイ・タイムアライメント”では、スピーカー1つずつに1chをあてがわなくても、ツイーターとミッドウーファーを個別にコントロールすることが可能だ。上級機である“PREMI”であれば、3ウェイスピーカーに対しても、2chシステムのままで1つ1つのスピーカーを個別にコントロールできるのだ。

その仕組みは以下のとおりだ。左右の信号はそれぞれ、一旦プロセッサー内で高域と低域にわけられ、個別に“タイムアライメント”と“ゲイン調整”が適用される。そして信号はその状態のまま再合成され、パワーアンプを経由してパッシブクロスオーバーネットワークに到達。ここで再び高域と低域に分割され、それぞれがツイーターとミッドウーファーに送られる、という次第なのだ。

ちなみに上級機である“PREMI”では、4chの“マルチアンプシステム”の構築も可能だ。また、“マルチ”と“パッシブ”を組み合わせてシステムを構築することもできる。というわけで、『DIATONE SOUND.NAVI』ではシステム構成の選択肢が広いのである。

これらを踏まえ、『DIATONE SOUND.NAVI』で可能となるシステム構築例解説に入っていこう。今週はまず、“純正フルレンジスピーカー”システムについて。

通常は、純正フルレンジスピーカーのままで良い音など望むべくもないのだが、『DIATONE SOUND.NAVI』なら話は別だ。

その理由は、『DIATONE SOUND.NAVI』の素の音が良いから。そしてもう1つ理由がある。“仮想2ウェイ”として運用することが可能で、それにより1段上のサウンドコントロールを実現できるからなのだ。

フルレンジスピーカーとは、ドアに付いたスピーカーだけで低音から高音まで、全帯域を担当するものだ。音の出所が1個所なので音がまとまりやすいというメリットはあるが、音が足元に溜まりやすいというデメリットもある。純正スピーカーでは、このデメリットは結構大きい。

ところが、“仮想2ウェイ”でフルレンジスピーカーをコントロールすると…。なんと、音像を持ち上げることが可能となるのである。


“仮想2ウェイ”調整時の“クロスオーバー”調整“仮想2ウェイ”調整時の“マルチウェイ・タイムアライメント”調整

“仮想2ウェイ”調整時の“クロスオーバー”調整 / “仮想2ウェイ”調整時の“マルチウェイ・タイムアライメント”調整


やり方は以下のとおり。

最初に、スピーカーレイアウトのセレクト画面で“ツイーターあり”を選ぶ。これにより信号を高域と中低域に分けてコントロールできるようになる。そして、“クロスオーバー”調整画面に行き、任意のところで帯域を分割。その上で“マルチウェイタイムアライメント”画面に戻り、ミッドウーファー側の距離を1ステップ分入力する。つまり「ミッドウーファーは、ツイーターよりもちょっと遠くにある」、と『DIATONE SOUND.NAVI』に指示を出すわけだ。そうすると、近くにあるとされたツイーターからの発音タイミングが1ステップ分遅らされる。すると、音像がちょっと持ち上がる。

ミッドウーファーの距離をさらにもう1ステップ分進めると、ツイーターの発音タイミングがさらに1ステップ分遅くなり、音像がさらに持ち上がる。

なぜこうなるのかの説明は、ここではスペース不足…。体験していただくしかない。とにかく、フルレンジスピーカーを2ウェイ扱いしてやることで、2ウェイのメリットが出現する、のである。結果、良い音を望むべくも無いはずの純正フルレンジスピーカーで、セパレート2ウェイのようなステージングが満喫できる。

いかがだったろうか。『DIATONE SOUND.NAVI』が、多彩なシステム構成を可能とするヘッドユニットであり、そして、“仮想2ウェイ”というスゴ技を持っていることを、まずはわかっていただきたかったのだが…。

ここまでを踏まえ、次回以降は、より本格的なシステム構築例の紹介へと踏み込んでいく。次回も乞うご期待。

《太田祥三》

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